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アメリカ大統領選
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金融政策を巡って民主党と自民党の論争が続いている。白川方明日銀総裁も、自民党の超積極的金融緩和論に反論を試みている。この論争の何が問題なのであろうか。安倍晋三自民党総裁の金融政策論の妥当性を検討してみることにする。これは前に本ブログで書いた「ゼロ金利政策を再検討するとき」に繋がる内容である。この記事を読んだ後、そちらの記事も参照していただければ幸いである。 自民党の選挙公約「経済を取り戻す」に掲げられている経済政策は2003年3月に行われた現代経済研究グループの「日本経済復活への提言」とウリ二つであることに気がつく。同提案では、デフレ脱却のためには「マネタリーベースの適切な形での供給増加が不可欠である」とし、「非伝統的な(金融)手段」を用いて、「2年程度の期間、『物価水準』上昇の程度(たとえば3%)と、その後のインフレ目標(たとえば2%プラスマイナス1%)をただちに設定すべきである」と書か
大統領選挙は予想外の大差でオバマ大統領が再選を果たした。同時に行われた議会選挙では、下院は共和党が多数を占め、上院は民主党が過半数を維持した。さらに州知事選挙では共和党候補が圧勝した。アメリカ国民はワシントンの政治構造の急激な改革を望まなかったのである。極めて穏当な選択を行ったともいえる。以下、大統領選挙の分析を行うが、11月8日の産経新聞社の『Business i』に寄稿した原稿を拡大したものである。 これから大統領選挙に関する様々な分析が行われるだろうが、オバマ大統領の勝利の要因を幾つか指摘しておきたい。その前に、ある意味では、後講釈かもしれないが、ロムニー候補は負けるべくして負けたのかもしれない。第1期で終わった大統領は4名いるが、最近ではカーター大統領とブッシュ大統領(父)がいる。カーター大統領に挑戦したのは、共和党のレーガン候補であった。また、ブッシュ大統領に挑んだのは民主党のク
最近の経済政策を巡る議論は、「財政均衡」と「超金融緩和」の大合唱となっている。ノーベル経済学賞の受賞者であるポール・クルーグマン・プリンストン大学教授やジョセフ・ステフィグリッツ・コロンビア大学教授はいずれも、こうした風潮に批判的である。クルーグマン教授は、あたかも財政均衡を達成すれば景気が回復して、経済が再び成長するという考え方は間違っていると主張している。同教授は「地位の高い人々は財政赤字削減にいますぐ動かないと大災害がやってくるという黙示録じみた予言をするのが大流行になっている」と書いている。要するに、財政赤字を削減しないと“第2のギリシャ”になってしまうということだ。さらに財政緊縮こそが景気回復と経済成長に繋がるという理論(同教授は、それを”拡張的緊縮政策=expansionary austerity”と呼んでいる)を支持する歴史的事実も統計的分析も存在しないと指摘している。 財政
アメリカはプロテスタントの国です。宗教的弾圧を逃れて欧州大陸から宗教的自由を求めてピューリタンがアメリカ大陸にやってきました。人口の圧倒的多数はプロテスタントが占めています。しかし、そうした宗教の情勢に大きな変化が起っています。主流派プロテスタントは長期的な低落傾向にあり、非主流派のエバンジェリカル(福音派)の勢力が伸び、同時にカトリック教徒もその数を増やしています。アメリカの宗教に何が起っているのか。アメリカの政治を理解するには、宗教を知らねばなりません。それが将来のアメリカの政治にどのような影響を及ぼすのか、調べてみました。 アメリカは宗教国家である。19世紀のフランスの政治学者で名著『アメリカの民主主義』を書いたアレクシス・ド・トクヴィルは、共有すべき歴史も、共通な文化も持たないアメリカがどのようにして統一を維持できるのかと問いに対して、「国家統一の役割を担うのは宗教である」と答えて
アメリカの債務限度額引き上げを巡る民主党と共和党の対立は一応終結をみました。両党とも財政赤字削減では意見は一致していましたが、具体的な案を巡って意見が分かれていました。オバマ大統領と民主党は増税と歳出削減を組み合わせることを主張したのに対して、共和党は増税は認めないとの立場を取り、同時に憲法を修正して財政均衡修正条項を求めていました。土壇場での妥結ですが、予定されたものだったと思います。債務不履行をいうリスクを犯してまで、債務限度額引き上げを拒否する理由はないからです。ただ、これを人質に取ることと、お互いの立場を主張しあうことで、民主党はリベラル派を、共和党はティーパーティ議員を納得させる必要があったのでしょう。議会では両党とも離反者が出るでしょうが、とにかく財政赤字削減への道筋を付けたことになります。ただ、これが実際に実現できるかどうかは別物です。また景気への影響も懸念されます。以下、こ
最近、元アメリカ政府の高官だった友人夫婦と会食をする機会がありました。アメリカの団体の日本代表として日本に住んでおり、年に何度も帰国するとのことでした。そして彼は「アメリカに帰るたびに社会的な状況が悪くなっている」と語っていました。そして、「できるだけ日本にいるつもりだ」とも言っていました。確かにアメリカ経済の状況はあまり改善していません。社会的な問題も山積しています。国債発行限度額引き上げを巡る党派の争いは、ひどいものです。かつてのような輝きをアメリカ社会は失いつつあるようです。今回は崩れつつある“アメリカン・ドリーム”について説明します。 ある報告が発表されました。代表的な調査機関ピュー・リサーチが行った「Wealth Gaps to Record Highs Between Whites, Blacks and Hispanics」と題する調査である。結論は白人と黒人、ヒスパニック系
アメリカの保守化は政治や経済、社会に留まりません。労働組合運動も激しい保守化に直面しています。ニューディール政策でアメリカの堂々組合運動は大きく前進しました。1935年に会社の労働組合運動への干渉を禁止したワグナー法が成立し、国家労働関係委員会(National Labor Relations Board)が設置され、労働者の権利は守られるようになりました。ただ、戦後、1947年にワグナー法を改正するタフト・ハートレイ法(Taft-Hartley Act)が成立し、組合の権限を制限する労働権(the right to work)が成立し、ニューディール政策の揺り戻しがありました。企業はクローズド・ショップを採用している北部諸州から、オープン・ショップ(労働権)を求めている州に工場を移してきました。最近の保守派の労働組合攻撃は公務員の団体交渉権に向けられています。こうした動きに対して、リベラ
アメリカの保守主義運動の背景に大富豪が存在している。コーク兄弟(Koch)である。彼らはリバタリアン(市場至上主義者)だが、コーク・インダストリーという巨大コングロマリットを支配し、膨大な資金を背景にティーパーティ運動の影のスポンサーになっている。その本当の姿は秘密にされてきた。以下、同兄弟の実像を紹介する。 2010年9月24日付けの一通の招待状が送られた。招待状は2011年1月30日と31日の二日間、カリフォルニア州の高級リゾート地ランチョ・ミラージュにあるホテルで開かれる会議への参加を呼びかけるものであった。招待主はチャールズ・コ-ク。その肩書きはコ-ク・インダストリーの会長兼CEO(最高経営責任者)と記されている。招待状の最初の一行に「我々でなかったら、誰がするのか。今でなかったら、いつするのか」と書かれている。現在、アメリカの自由と繁栄は危機に瀕しており、今こそ立ち上がり、戦うべ
遠からずアメリカの白人は少数派に転落すると予想されている。そうした予想を裏付けるような調査結果が発表されている。アメリカでは10年に1度、大掛かりない国勢調査が行われている。2010年に行われた調査結果によれば、ヒスパニック系アメリカ人が急増している実態が明らかになった。アメリカは先進国の中では珍しいほど人口増加率の高い国である。たとえば、1990年から2000年の間に人口は13.2%(3270万人)増加している。2000年から2010年の10年間では伸び率は9.7%(2730万人)とやや増加率は鈍化したものの、大きな伸びを示していることに変わりはない。 そうした人口の増加は非白人人口の増加によってもたらされているものである。2000年から2010年を見ると、ヒスパニック系の人口は43.0%増加しているのに対して、白人はわずか1.2%に過ぎない。ヒスパニック系と並んで高い増加率を示している
2012年の大統領選挙に向け、共和党の大統領候補選びが本格的に始まった。オバマ大統領の支持率はやや持ち直し傾向にあるとはいえ、依然としてかつてのような勢いはない。4月5日に行われたラスムーセン社の調査ではオバマ大統領の支持率(strongly support)はわずか24%と不支持率(strongly disapproval)は40%と、不支持率が大きく支持率を上回っている。同じくラスムーセン社が行った政党支持率調査では、共和党支持が44%、民主党支持が39%と民主党に厳しい結果がでている。次回の大統領選挙は、共和党にとって政権奪回の絶好のチャンスであることは間違いない。オバマ大統領は正式に再選出馬を発表した。焦点は共和党の対立候補が誰になるかである。以下、共和党の予備選挙に向けての候補者と見られている政治家の動向を分析する。 まだ正式に出馬表明をした候補者はいないが、共和党の有力な候補者
米中間選挙の結果は共和党の大勝に終わった。だが、同党勝利の背後には草の根組織によるティーパーティ運動の盛り上がりがあった。同運動は小さい政府、財政均衡、自由市場など伝統的な保守の政策を掲げ、ブッシュ政権のもとで信用が失墜した保守主義を復活させるものであった。同運動はアメリカの政治の焦点になりつつある。 共和党を勝利に導いたティーパーティ運動 アメリカの政治が大きく動いている。11月2日に行われた中間選挙で民主党が大敗を喫した。1980年代から始まったアメリカの政治の保守化は2006年の中間選挙で民主党が勝利し、大きくブレーキがかかった。さらに2008年の選挙では初の黒人大統領が誕生するだけでなく、民主党が両院で過半数を制し、メディアは“保守主義の死”を宣告した。オバマ政権の誕生で、アメリカは再びリベラルの道を進むと期待された。保守主義はブッシュ政権によってもはや魅力のない思想と多くの人から
オバマ大統領はアフガン戦略の見直しを始めています。今や、アフガン戦争は“オバマの戦争”になっています。当初の目論見では、「大量派兵、早期撤退」が戦略でしたが、アフガニスタンの情勢は、オバマ大統領が考えるほど容易なものではありませんでした。アフガン担当のリチャード・ホルブルック特命大使の急死もあり、ますます情勢は混迷を深めています。そうした外交の背後に多くの兵士の死があります。規模はベトナム戦争ほどではありませんが、心を病み、自殺する兵士が増えています。今回は、その現状を分析しました。 アメリカはイラク戦争とアフガン戦争の底なし泥沼に足を引き込まれ、展望を切り開けないまま、呻吟している。イラク戦争とアフガニスタン戦争遂行のために毎週、アメリカは30億㌦以上の資金を支出している。アフガニスタンへの増派が進めば、その額はさらに増える見通しで、金銭的負担がアメリカの納税者の肩に重くのしかかっている
中間選挙が終わり、結果は様々な世論調査の予測通りになりました。まだ全議席は確定していませんが、以下で今回の中間選挙に関するアメリカ・メディアの報道に関して報告します。 ① 選挙結果: 本稿執筆時点(5日午前)の段階での確定した議席数は以下の通りである。上院は民主党が改選議席19に対して6議席減らし、非改選と併せて52議席。共和党は6議席増やして46議席で、まだ決まっていない議席は2議席である。それはワシントン州とアラスカ州である。ワシントン州の選挙区の現時点での開票率71%で、民主党のMurray候補51%、共和党のRossi候補49%と、民主党候補がリードしている。アラスカ州は開票は終わっており、民主党のMcAdams候補が24%、共和党のMiller候補は34%、さらにwrite-in(正式な立候補者以外の候補者)が41%獲得している。下院の結果は、現時点で民主党が186議席、共和
米中間選挙もいよいよ来週に迫りました。各種世論調査では民主党の大敗はまず間違いない状況です。オバマ大統領と民主党は“get-out-vote”戦略を取り、支持層の投票所に行くように呼びかけ、投票率の引き上げでダメージを最小限に抑えようと必死です。一部の報道では、民主党支持層が危機感を抱き、投票所に行くのではないかとの予想もあり、最終的にどのような結果になるか不透明な部分もあります。今回は選挙直前の分析です(ただ執筆は10月14日ですが基本的な状況は変わりません)。 両院とも共和党が過半数を制するか 11月2日の中間選挙が迫っている。世論調査では、選挙日が近づくにつれて、共和党の優勢がより鮮明になっている。世論調査通りの結果になるとすれば、それは共和党の雪崩的勝利は確実で、民主党は惨敗を喫しることになる。選挙の焦点は、共和党が勝つのか、民主党が勝つのかという次元を超え、共和党がどれだけ議席数
中間選挙ではティーパーティー運動が大きな不確定要因になっています。当初はリベラル派の人々は、“草の根運動といいつつも、実際は保守派の団体から資金援助をえた”人工的な草の根“ではないかと疑っていました。しかし、最初のティーパーティーの集会が開かれたのが2009年の2月。それ以降、やや大仰な表現ですが、燎原の火のように全国運動へと発展していきました。基本的にはティーパーティー運動は”小さな政府“と”減税“を求める”リバタリアン“の運動でしたが、その主張は理バタリアンの主張を超えて広がる気配を見せています。この記事は8月に書いたものです。2月7日に本ブログに「始まった保守主義の反乱」という記事を掲載しました。この記事は、その続編ともいえるものです。日本ではなかなかちゃんとした情報が提供されていませんが、本稿はその意味で役にたつと思います。 オバマ政権が発足して10ヶ月、大統領選挙直後の高揚感は現
米中間選挙まで2週間余となりました。ブログに掲載しませんでしたが、この間、何本も中間選挙に関する記事を書いてきました。今回は、9月20日に書いた物を掲載します。これ以降も民主党の劣勢はさらに鮮明になっています。10月25日発売の『週刊東洋経済』に5ページと比較的長い記事を寄稿しています。来週月曜の発売ですが、このブログと併せてご一読ください。目先の議論ではなく、どうしてオバマ大統領の支持率が低下したのか、なぜ民主党が大敗する可能性が強いのか分析しています。 民主党、両院で過半数割れの可能性も 11月2日に行われる中間選挙では民主党が大敗する可能性が強まっている。二年前の選挙で民主党は上院と下院で圧倒的過半数を占めたが、次の選挙では共和党と形勢が一気に逆転するかもしれない。アメリカでも無党派の有権者が増え、選挙のキャスティング・ボートを握るまでになっている。無党派の支持を取り付けないことには
ずっと多忙で記事をアップする時間がありませんでした。この間に雑誌などに書いた記事をアップします。この記事は9月中旬に『週刊エコノミスト』の臨時増刊に書いたものです。時間が経っていますが、アメリカ経済が抱えている問題の基本は変わっていません。本当にデフレが起こるかどうかは別にして、こうした考え方もあるということで読んでみてください。大学の授業も始まり、相変わらず時間との競争の日々が続いています。何人かの読者に「最近、アップしていませんね」と注文を付けられました。改めて体勢を立て直して記事を掲載するつもりです。 成長鈍化で急速に高まるデフレ懸念 春先にアメリカに溢れていた景気の先行きに対する楽観論は、完全に消えてしまった。アメリカのDGP成長率は昨年の第四四半期の5・0%、今年の第一四半期の3・7%と高水準を記録し、力強い回復を見せていた。金融政策の焦点は超低金利政策から、いつ、どのように脱出
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ギリシャの財政危機で世界各国の財政問題に注目が集まっています。ギリシャはEUとIMFの支援で当面の流動性危機は回避しましたが、どこまで国内経済の立て直しができるのかが、今後の焦点になっています。こうした中で、「アメリカも財政危機」の例外ではないという指摘も行われています。今回は、アメリカの財政危機について書いてみます。 ギリシャの財政危機は世界経済に暗雲を投げかけています。ギリシャ以外にも巨額の財政赤字を抱えるポルトガル、アイルランド、スペイン(この4カ国は頭文字を取ってPIGSと呼ばれています)も深刻な財政危機に陥る可能性が高いと予想されています。現在はギリシャが最大の焦点になっていますが、スペインの状況も急激に悪化しています。格付会社S&Pは4月末にスペインの格付けをAA+からAAに格下げしました。さらに5月28日に格付会社フィッチもスペインの格付けをAAAからAA+に格下げしました。
この3ヶ月、記事をアップできませんでした。大学教授としての新しい生活が始まったので、相変わらず多忙な生活が続き、ついつい時間が経ってしまいました。少し体勢を立て直して、またアップを始めるつもりです。私の関心項目のひとつにアメリカの最高裁判所があります。最高裁に関する資料は随分溜まりましたが、なかなか書くチャンスがありませんでした。今回、最高裁人事に絡んで、書いてみました。最高裁はアメリカの最大の聖域です。かつて映画で「ペリカン文書」というのがありましたが、それは最高裁の人事を巡る内容でした。今後も折に触れて最高裁に関して書くつもりです。 アメリカの最大のサンクチャリーは最高裁である。黒い法衣を着た9名の最高裁判事が、アメリカの政治と社会の方向性を決めているのである。最高裁の内情は秘密に包まれている。ジャーナリストのジェフリー・トービンは自著の『ザ・ナイン』(2007年刊)の中で「最高裁がど
ギリシャの財政危機に端を発したユーロ危機も当面の山は越えたようです。ギリシャ政府は自力で50億ユーロの国債を発行し、財政赤字削減策を打ち出しました。厳しい緊縮策は国内で強い反発を招いていますが、金融市場や為替市場は落ち着きを取り戻し、ユーロ相場も回復に向かっています。この数ヶ月のユーロ相場の動きを見てみると、対ドルでは、2月25日に1ユーロ=1.3489ドルの安値を付け、緩やかに上昇に転じています。3月17日の相場は1ユーロ=1.3756ドルです。対円相場でみると、2月25日に1ユーロ=120円66銭の安値を付けた後、反転しています。3月17日の相場は、1ユーロ=124円43銭です。ちなみに過去120日のユーロの対ドル相場の最高値は、昨年の12月3日の1ユーロ=1.512ドルでした。対円相場では、10月26日の1ユーロ=138円09銭でした。 【ギリシャ危機はまだ終わらない】 このままユー
アメリカの景気は急速に回復に向かっています。ただ経済の数字ほど、回復は堅調ではなく、政府の刺激策がなければ景気の”二番底”がありうるとの見方も依然としてあります。しかも景気は回復に向かっているとはいえ、失業率は10%台に留まっています。2010年中は10%台の失業率は続くと予想されている。深刻な不況の影響はまだ色濃く残っており、厳しさには変わりはありません。今回は金融危機後、アメリカ人の生活や生活意識がどう変わったかに焦点を当てました。この記事は昨年の『中央公論』11月号に寄稿したものです。アメリカ社会の変化を描写したつもりです。 日本社会とアメリカ社会はシンクロナイズしながら動いている。あるときはアメリカ社会が先行し、日本が追いかける。別の時は逆に日本が先行する場合もある。二つの社会は極めて奇妙な位置関係にあると言える。今、アメリカで起こっていることは、将来の日本の姿かもしれない。今、ア
オバマ大統領のアジア歴訪が注目されています。本来の目的はシンガポールで開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力閣僚会議)に出席することでしたが、途中で日本に寄り、APEC会議後に中国と韓国を訪問することになっています。アメリカ政府はアジア軽視しているとの批判もあり、今回のオバマ歴訪の目的のひとつは新しいアジア政策を示し、アジアでのアメリカの存在感を高めることにありました。11月14日に東京のサントリーホールで演説を行い、アジアに対するオバマ政権の基本的な姿勢を明かにしました。オバマ政権は、日本、中国、韓国とはそれぞれ問題を抱えています。たとえば日本では沖縄の普天間基地の移設問題があり、中国とは貿易不均衡、元相場問題、人権問題などがあり、韓国では批准が進まない自由貿易協定の問題があります。もちろんお互いの協力が必要な問題としては気候変動問題や北朝鮮問題などがあります。今回は、人民元の問題を取
金融政策の独立性が議論されます。政治的な影響を排して、通貨価値の安定を図るというのが、その主張の論拠です。その結果、中央銀行は一種の聖域となっています。金融危機に対する対処の仕方もあり、アメリカではFRB(連邦準備制度理事会)に対する批判が強まっています。伝統的にアメリカのリバタリアン(自由主義者)は中央銀行そのものに対しても批判を加えています。最近出版された本『End the Fed』の中でロン・ポール上院議員(共和党)は、通貨発行権を中央銀行が独占することを厳しく批判しています。金本位制のように金をベースに銀行が自由に通貨を発行できるようにすべきであるというのが、その主張です。金本位制復帰論は折に触れてマスコミに出てきますが、その是非は別にしても、中央銀行のあり方を巡る議論、言い換えれば中央銀行の規制が必要だとの議論がアメリカで出てきています。ポール上院議員は「連邦準備制度透明化法」を
オバマ政権の大きな選挙公約のひとつである「医療保険制度改革法案(Affordable Health Care for American Act)」が11月7日に下院で可決されました。下院では、パブリック・オプションという国営の保険制度設立と保険対象に中絶を含めるかどうかが大きな論点になりました。法案は220対215と僅差で可決されました。民主党から39議員が反対票を投じています。共和党議員は1人が賛成して、他の共和党議員は反対票を投じています。上院での審議はさらに厳しいものになると予想されます。現在、民主党は60議席、共和党は40議席を確保しています。しかし、下院の例を見るまでもなく、民主党の中にも反対議員が多く、共和党からの支持を期待できないのが実情です。民主党政権念願の医療保険制度改革が実現するかどうか、まだ予断をゆるしません。ここに掲載した記事は10月下旬に『週刊エコノミスト』に寄稿
オバマ政権が発足して10ヶ月、大統領選挙直後の高揚感は現実の前に次第に薄れつつある。オバマ大統領は政治的な対立を超克し、超党派による新しいアメリカの実現を訴えたが、共和党はことごとくオバマ政権の政策に異を唱え、党派的な対立は一層深刻化している。ワシントン・ポスト紙とABCの共同世論調査では、政権発足当初のオバマ大統領の支持率は68%と極めて高水準であったが、10月18日に発表された最近時点の調査では支持率は57%にまで低下している。 リベラル派の評論家サム・タネンハウスはオバマ政権直後に『保守主義の死』と題する本を出版し、新しいリベラルの時代の到来を議論している。しかし、死んだはずの保守派がゾンビのごとく蘇りつつある。それも従来の共和党という枠組みとは別のグラスルーツ運動として勢いを得つつある。アメリカの納税期限の4月15日に全国主要都市で増税反対、大きな政府反対、反オバマを旗印に大規模な
金価格が高騰しています。ニューヨーク商品取引所の12月渡しのドル先物価格は、10月14日に1オンス=1072ドルの最高値を付けました。これは、直近の最安値の4月の867ドルと比べると約24%も上昇したことを意味しています。市場関係者の中には、中期的に金相場は2000ドルを目指して上昇すると予想する者も出てきています。ただ10月15日は投資家の利食いなどが出て14ドル値を下げて、1050ドルになりました。しかし、依然として1000ドルを上回る水準で取引されています。金相場とドル相場には密接な関係があると言われています。すなわちドル安の時には金価格は上昇し、ドル高の時は下落するという相関性が見られます。今回も、そうしたパターンが見られます。今回は、ドルと金の関係を説明し、今後の金価格とドル相場を考えてみることにします。 【金価格の推移】 歴史的に言えば、金は通貨の基礎でした。通貨の価値は金によ
アメリカ経済の先行きに関して楽観論が広がっています。FRBはリセッションが底を打ったという見方を出しています。その理由は、個人消費が回復していることだが、それは燃費の良い自動車への買い換え補助、住宅取得の補助金の提供など政策的な支援によるところが大きい。しかし、家計部門の過大債務は依然として解消されていないし、雇用はさらに悪化しています。さらに低金利政策でかろうじて消費が持ちこたえているのが現実だと思います。今回は家計部門のバランスシートの状況について説明します。 世界経済は底を打ったというのが一般的な見方になっている。マスコミが喧伝したように、“世界大不況”は“大恐慌”に発展する可能性はほぼなくなった。しかし、このまま世界経済が順調に回復し、再び高成長を実現できるかどうか、まだ判断できない。中国経済は急速に持ち直しているが、米国や日本など先進国経済の回復歩調は鈍く、場合によっては、景気は
今回はアメリカ経済の動向と最近の為替相場について説明することにします。アメリカは商務省が経済成長などの統計を発表しています。まず8月27日に商務省が発表したGDP統計をベースに、アメリカ経済の状況を説明します。なお、経済を見るときに、その項目の動きをそれぞれ注目する必要があります。最大の項目は「個人消費」です。その内訳は「消費財」と「耐久消費財」です。次に大きいのが「企業の設備投資」であり、「住宅投資」です。金額は大きくないのですが、景気変動に大きな影響を及ぼすのが「在庫投資」です。さらに「政府消費」と「政府投資」があります。対外的には貿易収支である「純輸出」も経済成長に大きな影響を与えます。本来なら、そうした項目別の動向を分析する必要がありますが、以下では「個人消費」など主な項目に焦点を当てて、アメリカ経済の現状を分析してみます。 【GDP統計から見たアメリカの景気】 実質経済成長率で見
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