夕焼けの赤色ではない おれは今年46歳になる。おれは今まで大腸内視鏡検査を受けたことがない。それどころか胃カメラを飲んだこともない。バリウムを飲んだことは一度だけある。 そんなおれが大腸内視鏡検査を受けることになった。そのことについて書く。 これを読んでいるビジネス・パーソンはたぶん意識が高い。意識が高くなくとも、レベルの高い企業に勤めている。毎年、健康診断などを受けているだろう。 いっぽうでおれは社会の底辺の零細企業勤めだ。零細企業だとどうなる? 健康診断なんてない。健康保険のなにかがあるかもしれないが、そんなものは知らずに生きてきた。おれはおれの健康に関する診断を、精神科で年に一度の血液検査を受けるだけですませてきた。 もちろん、人間40歳を過ぎれば「人間ドック」という言葉もよぎる。とはいえ、おれはペットボトルの焼酎を毎日飲むような人間だし、先もない精神障害者だ。健康なんてどうでもいい