「小泉と特攻隊員」というエントリへのコメント欄でフナずしさんからご教示いただいた『つらい真実 虚構の特攻隊神話』、近所の書店であっさりと見つかりました。この種のテーマの本は「近代史」コーナーにある場合と「戦記」コーナーにある場合があるのでちょっとややこしいです。 爆弾を投下して無事帰還する度に再出撃させられ、「ついには、地上部隊による暗殺までの危険性が高く」なったためファンが身辺警護にあたったという特攻隊員のエピソードは第四章、「虚像と実態」に登場します。毎回無事帰還し、爆弾を命中させたこともあったのですからこのパイロットの技量はなかなかのものと考えられましょう。にもかかわらず陸軍が彼に「死ね」と言い張ったのは、最初の出撃での戦死を上奏してしまっていたから、です。 このパイロットは無事敗戦まで生き延びました。迫り来るアメリカ軍から司令官以下幕僚たちが逃亡してしまったからです。 第三章「犠牲