食品や日用雑貨はNBよりも安いPB製品、服はファストファッションで十分。たまの外食はネットでクーポンを探して安く済ませ、休日は家でYoutube。 デフレ不況の中でよく耳にする消費行動だが、決して節約をしている感じは受けない。不況が続く中、若者を中心に、お金を掛けなくても不満のない消費をするようになってきた。今回は、デフレ不況の中でとりわけ若者の消費志向がどう変わってきたのか、経済思想やPOPカルチャーに詳しい上武大学教授、田中秀臣先生に聞いた。 自分の物語にコミットできない物語は要らない 日本は1990年代終わり頃から長期にわたるデフレに突入した。 デフレによって人々の名目所得は減り、いつしか「今後も財布の中身は減り続けるだろう」と悲観するようになった。経済学的には「デフレ期待」というが、車や家電製品など高額な耐久消費財をバンバン買うなど大きな出費を伴う消費はごく一部で、多くはお金のかか