路線バス運転手が不足して都市部でも日常の運行や安全に支障をきたしている―。国土交通省は昨年12月、学識経験者やバス事業者らによる「検討会」を設置しました。背景に何があるのか…。(遠藤寿人) 同省が発表した資料「バスの運転者を巡る現状について」によると、バスの運転に必要な「大型2種免許」の保有者は約102万人。15年前と比べ20万人減っています。同様に「路線バスの運転手」もピーク時(1975年)から2万人減少して、2010年現在、8万人です。 東京都の大手バス会社の50代運転手は「免許のない人を雇って会社のお金で免許を取らせる制度もあるが、運転手の補充が間に合わない。ダイヤに穴を開けることはできないので毎日、だれかが残業している。『休日も出てくれ』と半ば強制される。やらないと賞与の査定で差をつけられる」と話します。 劣悪な労働 業界団体「日本バス協会」も「運転手の待遇が、労働条件に対して魅力