盲導犬をフォークで刺す、ペンでいたずらがきをするなどの事件が相次ぎました。盲導犬に誘導されて歩行・移動をする視覚障害者は「盲導犬の役割や重要性について理解を」と訴えています。 (岩井亜紀) 「盲導犬は私の体の一部。盲導犬を傷つけることは、私を傷つけることです。人権を傷つけることと同じです」。全日本視覚障害者協議会代表理事の田中章治さん(69)はこう話します。 田中さんは1976年から盲導犬と暮らしています。現在のパートナー「ニコラス」は5頭目。 えさを与える、ブラッシングや排せつなど盲導犬の世話はすべて、田中さんだけが行います。家族も手を出しません。「その中で信頼関係が築けます。自宅では、あおむけになりごろごろ甘えてくることもよくあるんですよ」。一方、盲導犬はハーネス(胴輪)装着時には、仕事に専念します。 信頼 ひとを信頼するからこそ盲導犬は、視覚障害者はもちろんのこと、社会一般の人たちが