中国の挿話に、朝三暮四というのがある。 「ある人が多くの猿を飼っていた。金に困るようになったので、猿たちに、食糧のトチの実を朝三つ夜四つにしてくれないかと言ったところ猿たちが怒った。では朝四つ夜三つではどうかと言ったら猿たちは大変喜んだ」 金欠のなかで行われる最近のばらまき施策をみると、朝三暮四の感が強い。企業減税などはその最たるもので、減税の原資をひねり出すために、今まで行われてきたもろもろの優遇策をやめるというのである。この仕組みの変更に現場はてんやわんやである。 それだけでは足りないので、例によって高所得層から取り上げるという。本末転倒である。ことの始まりは金も無いのに良い格好をしようとしたことなのであって、根本策はこの国の富を増やす以外にない。富を増やすには知恵と力のある人たちに大いに頑張ってもらわなくてはならないのだが、その金の卵を産む鳥を締め上げようというのだから、支離滅