丸みをおびた形に、とりどりの淡い色合いの彩り。アップル社のパソコンは、ひと目で「アップル製」と分かりました▼アップルを率い、56歳の若さで亡くなったスティーブ・ジョブズ氏は、製品の美しさにこだわった、といいます。携帯電話のボタンや数字も目ざわりで、画面をさわって操作するiPhoneを開発しました。いま多くの人が使っているスマートフォンのはしりです▼「人は形にしてみせてもらうまで、自分がなにを欲しいのか分からないものだ」。ジョブズ氏が残した言葉です。彼は、いままでにない新しい機能とデザインを備える製品を次々と売り出したのでした▼機械文明の発達にともない、生活空間やモノをどうデザインするか、さまざまな試みがありました。19世紀イギリスでは、機械に反発し、手づくりで中世風の建物や家具をつくる運動が起きています▼自動車がふえ電化製品が登場した、20世紀前半のアメリカでは、資本主義のばら色の未来を約