「血栓を溶かし、血液サラサラに」―。今は認められていない健康食品の表示の規制緩和が急ピッチで進もうとしています。研究者や消費者団体から批判が上がっています。(君塚陽子) 安倍首相は「アベノミクス」の成長戦略第3弾スピーチで、「健康食品の機能性表示を解禁いたします。国民が自らの健康を自ら守る。そのためには、的確な情報が提供されなければならない」(6月5日)と述べました。 機能性表示とは、食品やその成分が体や健康にどう働くかを示すもの。現在、「おなかの調子を整えます」などの表示ができるのは国が審査・認可した「特定保健用食品」(トクホ)のみ。ビタミン・ミネラルを一定量含む「栄養機能食品」は「カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素です」などと表示例が決まっています。 「機能性表示の解禁」は、これ以外の、いわゆる健康食品が対象です。市場規模は約2兆円といわれます。 企業目線の議論 緩和をめざす発端は