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2022年11月01日18:29 カテゴリAtari出来事 アタリ800が奏でるインプロビゼーション~ゲームの世界でいち早く自動作曲を実現した1985年のアクションゲーム 「ボールブレイザー」 このところAIに絵を描かせることが流行っていますが、音楽においても同様の動きがあり、それこそ1950年代からコンピュータに曲を作らせる試みがなされてきました。 それに使われたのはもちろん、重さ何トンもあるような大型コンピュータでしたが、それから30年近くを経て、ゲームの世界にプログラムが生成した音楽が使われるに至っています。それがアメリカで発売されたPCゲーム「ボールブレイザー」で、1985年のことでした。 日本ではボールブレイザーといえばファミコンの何だかよく分からないゲーム、という評価が一般的なようですが、日本で出たのは1988年ですので、いささか遅きに帰したかもしれません。(実際には、オリジナ
2019年06月15日21:44 カテゴリ出来事ゲーム研究 すべては1枚の写真から始まった~1979年のアーケードゲーム「サンダンス」をめぐる争いとその教訓 ゲームに限らず、コレクターの世界はさまざまな思惑がつきもので、時にそれはとんでもない事態を引き起こすことがあります。その一例が、2010年のアメリカで起こったある出来事でした。 その中心となったのは一台のアーケードゲーム筐体です。それは1979年製の「サンダンス」という作品で、内容はグリッドの中を動く星をつかまえるという、一言でいえばパズル要素のあるアクションゲームであり、さらにいうと、ゲームとしての出来はこれといってどうこう言うほどのものでもない、つまり凡作なのですが、コレクターの間での知名度はけして低くはありませんでした。その理由はいくつかあります。 まずそれは、ベクターグラフィックスという技術を使っていました。これは70年代末か
2019年06月08日10:57 カテゴリ出来事 時代の熱気をみごとに捉えた傑作~1980年代から2000年代に至るまでのコンピュータ業界の裏側を描いたマンガ「WAVE」が電子書籍にて完結 フィクションという形で初期のコンピュータ業界を取り上げた作品はいろいろありますが、その中でとりわけ印象に残っているのが「WAVE」というマンガです。今から10年ほど前に雑誌連載されたもので、残念ながら知名度が高いとはいえないのですが、この手のマンガの中では群を抜く出来栄えを示していました。 この作品は2006年よりマンガ雑誌に4年間ほど連載され、単行本も2巻まで刊行されています。ただし、連載分すべてが収録されたわけではなく、後半部分は雑誌掲載のみとなっていました。 それが昨年、電子書籍として復刊されたのです。しかも既刊2巻ぶんに加え、追加で後半の2巻が電子版オリジナルとして刊行され、新たに全4巻として再
2019年05月01日16:08 カテゴリ出来事ゲーム研究 新しい時代とこれからの日本(のゲーム)~海外の愛好者があらためて問うJRPGの定義と「日本らしさ」のゆくえ JRPGという用語が広まったのは比較的新しく、21世紀に入ってからのことと思われます。それ以前のアメリカでは家庭用ゲーム機で動くRPGの多くが日本ゲームの翻訳版であり、そのような作品の総称として出てきた言葉でした。 もっともその後、海外のゲームが家庭用ゲーム機にも移植され、一方で日本のゲームもPCに登場するようになり、もはや元来の意味は当てはまらなくなったのですが、言葉自体は消えるどころか、今なお多用されています。 そしてそれは、常に中立なものではありませんでした。いつの間にかこの言葉には、「RPGのように見えるが実はRPGではない」もの、という含みが付いてしまいました。要するに、PCのRPGに比べて何かが欠けている、一種の
2019年04月22日14:22 カテゴリ出来事ゲーム研究 ネットで公開された80年代アメリカのゲーム会社データモストの開発ディスクとインターネット・アーカイブの大胆な活動方針 昔のゲームやパソコンに関して、いま思いがけない発見がある場所といえば、インターネット・アーカイブをおいて他にないでしょう。いろいろ見ていると、とうてい表に出てくるとは思えないものがふいに見つかったりします。その最近の例が、昨年11月に公開されたデータモストの開発ディスクでした。 Datamost Internal Floppies Collection - Internet Archive データモストといっても、日本では雑誌で紹介された程度で、知名度はほとんどないと思われますが、かつてのアメリカではそれなりに知られたソフトハウスでした。1982年に活動を開始し、それからの3年間で80点ほどのゲームやユーティリティ
2019年02月10日12:50 カテゴリ出来事人物 強欲が招いた惨事とその教訓~インテレビジョンにも関わったゲーム業界の大ベテランが語る1983年のゲーム市場崩壊 1983年のゲーム市場崩壊は、いくつもの要因が組み合わさった結果生じたことであり、特定の原因があって起こったわけではない、というのが現在では定説になっているようです。要はこれといってはっきりした理由は挙げられないというわけですが、明確な見方を示す向きもあります。そのひとりがドン・ダグロー氏です。 ダグロー氏はゲーム業界の草分けとして知られる存在です。70年代前半に大学のコンピュータでゲーム作りを始め、79年にはマテルに入社してインテレビジョンのゲーム作りに参加します。とりわけ、この時期に手がけたユートピア(Utopia)という作品は画期的で、今でいうリアルタイム・ストラテジー・ゲームをいち早く形にしたものと評価されています。そ
2019年02月01日20:46 カテゴリ出来事人物 セガは反抗のシンボル~大きな成果をあげた90年代初頭のイギリスにおけるセガの宣伝戦略とそれを支えた人々 ゲーム機の宣伝といっても色々ですが、当初は子供を相手にしていたと考えていいでしょう。それは日本でも海外でも同じなのですが、その数少ない例外が90年代初頭のイギリスにおけるセガの宣伝でした。 それはもちろん若い世代向けではあるのですが、まったくの子供というよりは、すこし上の年齢層を対象にしたものに見えました。背伸びしたい子供を狙っていたのかとも思えるのですが、実のところは、もっと深い理由があったのです。 また日本ではセガが仕掛けた広告キャンペーンというと、ユーモラスで面白おかしい内容のものが知られていますが、イギリスでははっきりと先鋭的なイメージを打ち出していました。 1992年のイギリスでセガはあるテレビCMを流しています。SF仕立て
2019年01月22日16:15 カテゴリ出来事ゲーム研究 90年代末に登場し、新たな遊び方を提案してレトロゲーム運動の基礎を築いた画期的なエミュレータ、NESticle NESticleといっても、今では覚えている人も多くはないかもしれません。1997年に登場したNESエミュレータで、MS-DOSとWindows95で動作し、何度かアップデートを重ねたものの、1年ほどでその更新も途絶えてしまいました。 またその機能も、今ではすっかり古びてしまい、もはや実用的ではありません。そもそも現在の環境では動作させることすら困難です。ところがこのNESticle、登場した当時は大変な反響を呼び起こしました。 当時はエミュレータ自体が目新しく、PCでNESのゲームソフトが動かせるだけでも驚きだったのですが、NESticleはそれだけの存在ではありませんでした。それこそゲームの新しい遊び方を打ち出してい
2019年01月15日12:24 カテゴリ人物Apple ][ RPGひとすじ40年~ウルティマの作者にして業界の大ベテラン、リチャード・ギャリオットがその足跡を振り返る公開インタビュー ゲームの長い歴史において、ウルティマの作者、リチャード・ギャリオットほど数多くのエピソードに彩られた人物もいないでしょう。 それこそゲーム業界の黎明期からヒット作を出し続け、今に至るまで第一線で活躍している一方、私生活では冒険家として深海や密林を探検し、ついには宇宙旅行まで実現させています。 また、そのキャリアにおいて何度か大きな賭けに出て、それに成功させているという意味では、スティーブ・ジョブズに通じるところがあるようにも感じられます。 ロバート・ウッドヘッドは成功に対して謙虚であることを心がけていると語っていましたが、さしずめリチャード・ギャリオットはその正反対といえます。もっともそれも無理もない話で
2018年12月22日20:15 カテゴリApple ][出来事 偶然か必然か~数々の制約がもたらした成果としてのウィザードリィとコンピュータRPGの日本伝来 ウィザードリィのすぐれた点といえば、そのバランスの良さと、そしてシンプルであることに徹しているところでしょう。 ではなぜウィザードリィはそのようなゲームに仕上がったのか。そのあたりの事情について、共作者であるロバート・ウッドヘッド自身の証言がありました。今年の夏、海外サイトに掲載されたRPGの歴史に関する記事でウッドヘッド氏が答えているものなのですが、その中から興味深く思えたところを以下に抜き書きしてみました。 * * * ウィザードリィが発売されたのは1981年秋のことだった。もっとも、その数か月前には同じくRPGの代表格であるウルティマが世に出ている。 ウルティマでは、屋外移動では見下ろし視点、ダンジョンでは一人称視点と複数の画
2018年12月15日21:44 カテゴリゲーム研究出来事 結局は質が重要~現役のインディゲーム開発者が指摘する、1983年のゲーム市場崩壊と現代のネットゲームに共通する危うさ 1983年のゲーム市場崩壊は、ゲームの歴史においてもとりわけ重要な出来事であり、これまで数々の研究が出ていますが、意外に見当たらないのが、当時の主な消費者、つまり子供たちの視点でした。ここではその数少ないひとつを取り上げてみたいと思います。 以下の文章を書いたのは、かつて熱心なゲーマーとしてゲーム市場崩壊を体験し、現在はインディゲーム開発者となっている人物です。そして、長年のゲーマーとしての立場から、かつてゲーム業界が苦境に追い込まれた状況に現在が似ているとして警告を発する目的から書かれています。 ここで例として挙げられているのは、あくまでフルプライスで販売されて、それに課金要素が追加された場合というケースですので
2018年12月12日19:37 カテゴリ出来事 DOOM25周年記念~移植担当者が語る、3DOの成り立ちと最悪のデスマーチだった3DO版DOOM 今月でDOOMは登場から25周年を迎えます。DOOMはあらゆる面で歴史的な作品であり、その影響はゲームの世界にとどまらず、一種の社会現象にすらなりました。 また移植が行き届いているのも有名で、PCやゲーム機のみならず、家電や銀行のATM機など、なんでも動きそうなハードにはとりあえず移植してみるという風潮が今なお続いていたりします。 そんな数あるDOOMの移植の中でも、ひときわ変わった運命をたどったのが3DO版です。 この3DO版の移植を担当したのが、レベッカ・ハイネマンというプログラマでした。 ハイネマン氏はデザイナーとしてもバーズテール3やドラゴンウォーズのようなゲーム史に残る名作を手掛けていますが、本業はプログラマであり、業界でもトップクラ
2018年11月26日19:53 カテゴリゲーム研究出来事 知られざる80年代日本製PCゲームの世界と、海外から見たJRPGの意外なルーツ 日本製ゲームの研究は海外において早くから進んでおり、アーケードや家庭用ゲームにおいては日本のそれを凌駕しているといっていいでしょう。唯一残っていたのが初期のPCゲームだったのですが、それもここ10年ほどでエミュレータとファイル共有によって、成年ゲームも含めて広まっており、最後の未踏地ももはや消滅しようとしています。 ここではその研究成果の一部をお目にかけたいと思います。2017年に海外の大手ゲームサイトが掲載した日本のRPGの歴史についてまとめた記事ですが、海外ならではの独自の視点があり、興味深い内容になっています。 * * * 日本におけるRPGの黄金時代を呼び起こしたのはドラゴンクエストといっていい。だが、そのはるか以前に登場していたのが団地妻の誘
2018年11月13日17:23 カテゴリ出来事ゲーム研究 FPGAは万能ではない~あるSNESエミュレータ開発者の主張 このところレトロゲーム界でよく見られるようになった存在としてFPGAがあります。FPGAとはプログラミングにより回路構成を改変できる集積回路のことで、その利便性の高さによって以前からレトロハードの再現に使われており、商用ベースにも乗るようになってきました。その一例が、今年春にアメリカの互換機メーカーAnalogue社より発売されたSNES互換機、Super Ntです。 このSuper Nt、FPGAが使われているほか、設計を手がけたのがレトロゲーム界の著名な技術者、ケビン・ホートン氏であることなど、発売前から注目を集める存在ではありました。 一方、このSuper Ntの登場によって、ちょっとした騒動が起こりました。Super Ntを取り上げた海外の大手ゲームサイトが、そ
2018年10月08日20:46 カテゴリ出来事ゲーム研究 過去のゲームに未来はない~90年代のPCゲームを動態保存することの困難について 最近では昔のPCゲームがエミュレーションなどを通じて手軽に遊べるようになってきました。ただしこうした動きによって復活したゲームは過去作のごく一部でしかありません。たとえば現在エミュレータで遊べるゲームは70年代、80年代の作品が中心であり、これが90年代以降のものとなると、選択肢が極端に少なくなります。 これは主に技術的な制約があるためで、90年代の作品でもDOSベースのものならまだ可能性がありますが、Windows95、98以降のOSで動作するゲームとなると、現代のPCで動かすのは一気に難しくなってしまいます。 要するに、90年代以降のPCゲームを保存するなら、その動作に必要なハードウェアやOSもあわせて残しておくべきなのです。 また単に動かすだけで
2018年07月30日22:36 カテゴリAtari人物 現在開催中のレトロゲーム関連イベントで、アタリ1983年の名作アーケードゲーム「メジャー・ハボック」、35年ぶりの続編が公開 カリフォルニア・エクストリームといえば、アメリカの代表的なレトロゲームのイベントであり、CAXの通称でも知られています。本年度の開催日は7月28、29日であり、いままさに行われている最中なのですが、今回の展示において大きな目玉となっているのが「メジャー・ハボック」の続編です。以前このブログでも取り上げたことですが、CAXの特徴はなんといっても、稀少なアーケードゲームが展示されるという点にあります。当時ほとんど出回らなかった、あるいは未発表に終わったゲームが、しかも実際の筐体でプレイできるという、またとない機会を提供しているのですが、今回はその中にメジャー・ハボックが入ったというわけです。 特異な名作 このメジ
2018年05月10日21:21 カテゴリ出来事人物 モノより時間~引退を決めたレトロゲームのコレクターがその心境を語る コレクションは5月31日に公開オークションで一括放出(ただし要現地集合) ビル・ログディス氏はアメリカ在住のレトロゲーム・コレクターで、PCと家庭用ゲーム機を中心に収集を続けてきました。10年ほど前からは執筆活動にも乗り出し、すでに複数の著書を出版されています。ところが、そんな氏が昨年、コレクターからの引退を宣言し、30年以上かけて集めた品の大半を処分してしまいました。コレクションには持ち主の性格が表れるといいますが、氏の場合もまさにそれが当てはまります。レトロゲームといってもいろいろで、普通は特定の機種、特定の時代に絞って集めるところですが、氏の場合は、あらゆる機種のあらゆる時代に関心を向けてきました。またレトロゲームに加えて、最新のゲームも追い続けており、PCやゲー
2018年04月03日01:03 カテゴリ出来事ゲーム研究 対立と融和〜レトロゲームの互換機メーカーとオープンソースのエミュレータ開発者をめぐる複雑な関係 今では8ビット、16ビット時代の家庭用ゲーム機のソフトを互換機で手軽に遊べるようになりました。中でも転機になったのが、2014年に発売されたRetroN 5でしょう。他機種対応に加えて、HD出力やステートセーブなど、数々の先進的な機能を備えていたことで大きな話題となりました。 ところが、後になってそのRetroN 5に複数のエミュレータが権利者に無断で使われていたことが分かり、とりわけ多機種エミュレータRetroArchの開発者とは大きな問題になりました。さらには、他社製の互換機にも同様の問題があることが判明し、事態はさらに拡大しています。 RetroArch - wikipedia それから何年か経ちましたが、残念ながら今のところ問題
2018年03月19日17:00 カテゴリ出来事 海の向こうでようやく保存された1984年作の日本製PCゲーム~「ドンキーコング3 大逆襲」X1版 アメリカを中心に、海外における日本製ゲームの記録はすでにかなりの部分が完了しています。8ビット、16ビット時代の主な家庭用ゲーム機に関しては、日本のみで発売された作品もそのほとんどはすでに吸い取られて公開され、一部のものは英訳パッチも作られています。そしてこの動きはPCゲームにも及んできています。その最近の例が、昨年末に起こった「ドンキーコング3 大逆襲」をめぐる動きでした。 「ドンキーコング3 大逆襲」は、ハドソンから1984年に発売されたPCゲームで、対応機種はX1、PC-6601、PC-8801でした。元々はアーケードの「ドンキーコング3」ですが、当時のPC向けにアレンジが施されており、原典を忠実に再現したものとはいえません。もっとも、か
2017年12月23日20:22 カテゴリ出来事人物 1980年代のゲームセンターを音で再現する試み~アーケード・アンビエンス・プロジェクト(Arcade Ambience Project) 80年代のゲームセンターで思い出されることといえば、照明が暗かったこと、そして賑やかだったことでしょうか。もちろんそれはアーケード筐体の発する電子音のことなのですが、そんな頃のゲームセンターを、せめて音だけでも再現しようとする試みがあります。 それがアーケード・アンビエンス・プロジェクトという取り組みで、1981年、1983年、1986年、1992年と、年代別に4種類のトラックが作られており、ネットで聞くことができます。 この録音をBGMとして流しておけば、たとえ自宅でエミュレータで遊んでいる場合でも、さながらゲームセンターにいるような気分が味わえるというわけです。 これを作ったのはアンディ・ホフルさ
2017年11月28日11:02 カテゴリ人物出来事 残せるだけ残す〜コンピュータ保存運動の立役者、ジェイソン・スコット(Jason Scott)が語るインターネット・アーカイブの使命 コンピュータの保存といってもいろいろですが、ことソフトウェアに限っていえば、とりわけ目立った成果を挙げているのがアメリカのインターネット・アーカイブでしょう。 そのコレクションは質量ともに群を抜いており、また重要なのがブラウザによるエミュレーションを実現したことです。昔のソフトウェアを、音楽や映像と同じように、手軽に体験できるようにした功績は計り知れません。それを実現してみせたのが、アーカイブ所属の研究員、ジェイソン・スコット氏です。 スコット氏は、もはやアーカイブだけでなく、コンピュータ保存運動における最重要人物といっていいほどの存在です。そんな氏の動向については、このブログでも何度か取り上げてきましたが
2017年11月21日10:13 カテゴリ出来事 施設管理とアミーガ2000~アメリカの公立学校では今なお30年前のパソコンが使われている 昨年ポーランドの自動車工場でコモドール64が今なお使用されているという話題が報じられましたが、同じような話はアメリカにもありました。 ミシガン州にグランド・ラピッズという場所があります。同州ではデトロイトにつぐ規模の都市であり、家具製造で有名な土地なのですが、ここの公立学校では1987年製のパソコン、アミーガ2000が現役で使用されています。それも、単に使われているという程度ではありません。なんと、地域の19もの学校の設備を集中管理するという大役を担っているのです。 具体的には、それぞれの学校にあるボイラー、送風機、ポンプといった設備のほか、施設内の室温をモニターし、調節する作業を担当しています。アミーガ本体に接続された1200ボーの無線モデムから指示
2017年11月07日19:26 カテゴリ出来事Apple ][ インターネット・アーカイブが初期マッキントッシュのエミュレーションを開始 意外な方面からの反応も 今年の4月と、すこし前のことになりますが、インターネット・アーカイブでマッキントッシュのソフトウェアが利用できるようになりました。といっても、もちろんエミュレーションの話で、しかも今回対象となるのは最初期のものです。具体的な時期としては、マッキントッシュが登場した1984年から89年までになります。 この間にマッキントッシュはその評価を大きく変えています。当初は使いやすいが実用性に欠けたマシンという印象だったのが、環境が充実するにつれてIBM-PC互換機陣営の対抗馬として大きな存在感を示すまでになりました。もっとも日本では、値段や言葉の問題もあり、その真価がいまひとつ認知されていなかったのですが。 その後、アーカイブにもいくつか
2017年07月27日15:00 カテゴリAtari出来事 不吉な前例~かつて完成し、そして闇に葬られた幻の家庭用ゲーム機、アタリ・パンサー(Atari Panther) アタリが久々に新しいハードを出すらしいとの憶測が広がっています。どうやら情報を小出しにして盛り上げようというつもりらしく、それがいったい何なのかすら現状でははっきりしないのですが、もし家庭用ゲーム機だとすれば、アタリにとっては20年ぶりの新製品ということになります。 今のところ明かされていることといえば、本体の外観のほかは、PCのアーキテクチャに基づいていること、新旧のゲームが遊べるらしいことくらいなのですが、世間の憶測としてSteamのゲームが走るゲーミングPCの簡略版、いわゆるSteamボックスではないかという見方があります。 それはまた、独自規格のゲーム機ではないということでもあるのですが無理もない話でしょう。今の
2017年04月26日07:23 カテゴリ人物 「おれの人生はいつもNESとともにあった」 最愛のゲーム機に作品を作り続ける男、ケビン・ハンリー (Kevin Hanley) インタビュー このところゲームの世界における一大勢力としてすっかり定着した感のあるインディーズですが、日本でもSteamなどを通じて広まりつつあるようです。 一方で、同じ独立系のゲーム作家でも、そうした華々しい動きに背を向け、あえて古いゲーム機向けに新作を作り続けている人々がいます。その中には、昔ながらのカートリッジで作品を配布するケースもめずらしくありません。 そんな一人に、ケビン・ハンリー(Kevin Hanley)という人物がいます。2009年以来、ケーハン・ゲームス(K-Han Games)という個人レーベルから年に1作のペースでNES向けの作品を出し続けており、今では新作が出るたびに大手ゲームサイトにも取り
2017年03月01日14:01 カテゴリ出来事人物 精度の代償~究極のSNES保存計画と消えたカートリッジ その2 ゲームソフト編 その1 byuuさんのSNES保存計画において、エミュレータの開発と並行して進められていたのが、ゲームソフトの保存でした。それも、一般に販売された作品であれば、地域にかかわりなく、すべて対象にするという壮大なものです。単にゲームのデータなら、すでにネットにいくらでも転がっているのですが、そうしたものにはさまざまな問題がありました。byuuさんとしても、やはり精度を追求する以上、現状のままではいけないと判断したのです。 いったい何が問題なのか、その理由は複数あります。 まず、中身が改ざんされているケースがあります。コピープロテクトを無効化するためのパッチを当てていたり、精度の低いエミュレータで動かすために改変していたり、元になかったチート機能を追加していたりす
2017年02月27日14:36 カテゴリ出来事人物 精度の代償~究極のSNES保存計画と消えたカートリッジ その1 エミュレータ編 今年の1月初め、ドイツからアメリカに国際便が送られました。通常なら10日ほどで到着するはずが、1か月半経った後も到着せず、事態を重くみたアメリカ側の受取人は当局に調査を依頼しました。ですがさしたる成果はなく、やむを得ず2月中旬に事実を公表し、情報提供を呼びかけました。 荷の中身はSNES、つまり海外版スーパーファミコンのゲームソフトでした。それも貴重な欧州版のカートリッジが100点ほど入っていたのです。今もSNESのゲームソフトは活発に取引されており、盗難に遭ったとすれば市場に出てくる可能性は確かにありました。だからこその呼びかけだったのです。 そもそもこの荷は、遠大な取り組みの一部となるものでした。それは一般に販売されたすべてのSNESソフトを改めて保存し
2017年02月06日20:25 カテゴリ人物出来事 MS-DOSの膨大なソフトウェア資産を現代に伝える取り組み~FreeDOSプロジェクトと、その創始者ジム・ホールの物語 MS-DOS時代のゲームをいま遊ぶとしたら、DOSBoxを使うのが普通でしょう。ですが、それではうまくいかない場合もあったりします。そういう時に頼りになるのがFreeDOSです。 FreeDOSはMS-DOSのオープンソース版で、1994年に開発が始まって以来、今に至るまで広く使われており、デルやシーゲート、ASUS、ヒューレットパッカードなどの製品にも採用されています。 FreeDOS - Official Site FreeDOS - ウィキペディア 昨年末には、FreeDOSにとって4年ぶりのアップグレードとなるバージョン1.2が発表されました。それにあわせてFreeDOSがあちこちで取り上げられたのですが、その
2016年12月16日18:26 カテゴリApple ][人物 救えるものと、こぼれ落ちるもの〜フロッピーディスクに囚われた80年代アップルⅡのソフトウェアを解放する職人ハッカーの苦闘 現在、全世界のアップルⅡユーザーの注目を一手に集める存在がいます。それが4am、午前4時と名乗るハッカーで、膨大な量におよぶアップルⅡソフトウェアのコピープロテクトを外しては共有するという試みをもう何年間も続けているのです。その成果は現在、インターネット・アーカイブに設置された専用のスペースにて公開されています。 Internet Archive 4am Collection このコレクションには、これまで4amが独自に解析し、プロテクトを外したソフトが並べられています。その数は600点を超えます。 もっとも、単なるプロテクト外しのハッカーなら、それこそ30年前からありふれた存在でした。4amが注目されてい
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