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news.yahoo.co.jp/byline/koizumiyu
先週、NATOのフォグ・ラスムセン事務総長が英国のシンクタンク「チャタム・ハウス」で行った発言が波紋を広げている。 ロシアの特殊機関がシェール・ガス採掘に反対する環境団体を秘密裏に資金支援しているというものだ。 以下、発言を引用する。 「ロシアは、その洗練された情報・情報攪乱工作(sophisticated information and disinformation operation)の一環としていわゆる非政府組織−シェール・ガスに反対する環境団体に関与しているという関係者と私は面会した。欧州をロシアからのガス輸入に依存させておくためだ」 ラスムセン事務総長はこれ以上の詳細については明らかにしておらず、「あくまで私の解釈」と釈明し、NATO事務局も「事務総長の個人的意見であってNATOとしての公式見解ではない」などと火消しに躍起になっているが、波紋を呼びそうだ。 しかも、NATO事務局
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要約プーチン大統領は1月15日の教書演説で憲法改正案を発表し、大統領任期を合計2期までとすることにも言及したしかし演説の詳細を検討すると、この件は憲法改正案に正式に含まれているのかどうか曖昧であるマスコミが入手した憲法改正ワーキンググループの文書にも大統領任期に関する条項には言及がないプーチンのサプライズ 2020年1月15日にプーチン大統領が実施した定例の議会向け教書演説は、ロシア内外に大きなショックを与えた。大規模な憲法改正により、2024年に控えたプーチン大統領の任期切れ以降の道筋を描くものであったためである。さらにプーチン大統領は演説直後にメドヴェージェフ内閣を総辞職させてほとんど無名だったミシュスティン連邦税務局長官を首相に抜擢するなど、政府指導部の総入れ替えにも着手している(具体的な新閣僚人事はまだ発表されていない)。 「ポスト2024年」に向けた大規模な政権の改造は予期された
前回の拙稿では、イラン核協議を巡る主要な問題点や、20%ウラン濃縮の何が問題なのかといった点をまとめた。 そこで今回は、イラン核協議を巡る各国の思惑について解説してみたい。 「核の平和利用」を主張するイランイラン自身は、核兵器開発の意図を認めたことはない。ウラン濃縮活動を初めとする核関連活動はあくまでも原子力発電における核燃料の自律的な供給確保を目的としたものである、という立場だ。 現在、イランは1967年に稼働を開始したテヘラン研究炉(TRR)やごく小規模なタンク型研究炉のほか、ロシアの援助で南西部ブシェールに建設された軽水炉(2013年に本格稼働開始)を有している。 兵器級プルトニウムを生産可能なアラクのIR-40重水炉さらにイランは西部アラクに重水炉を建設中であるほか、2014年11月11日にはロシアとの間で新たに軽水炉2基の建設契約を結ぶとともに、さらに6基の原子炉の建設についても
イラン核合意ならず2014年11月24日、オーストリアのウィーンで実施されていた、イランの核開発を巡る協議は、最終的な合意に達することなく閉幕した。 この協議が始まった背景には、イランの大きな方針転換が影響している。2013年6月の大統領選の結果、イランでは、対米強硬派のアフマディネジャド政権に代わり、対話重視路線のロウハニ政権が成立した。そして同年11月24日には、E3+3(英独仏+米中露。EU上級代表も儀著役として参加)とイランとの間で、「共同行動計画」が合意されたのである。 これにより、イランは次のような義務を負うこととなった。 ・ 5%以上のウラン濃縮活動を6ヶ月間停止する ・ すでに生産された20%の高濃縮ウランのうち、半分は酸化物に転換して保管し、残りは希釈する ・ 既存の濃縮施設及び重水炉での活動をこれ以上進展させない ・ これ以外の場所で濃縮活動を実施しない ・ 再処理を実
※本稿はWorld Security IntelligenceのWSI DAILY 2014/8/12として掲載したものです。 ウクライナに対するロシアの介入の危機が高まっている。 今月8日の夜には人道援助の名目で実際に介入を行う寸前であったとも伝えられるが(詳しくは昨日の拙稿を参照)、11日もプーチン大統領が欧州委員会のバローゾ委員長に対して「人道援助が必要だ」と訴えるなど、ロシアは依然「人道援助」を行う構えを崩していない。 ウクライナへ向かうロシア非常事態省の車列こうした中で、12日、ロシアの人道援助部隊第1陣がウクライナへ向かっているとロシア国防省系のテレビ局「ズヴェズダー」が報じた。 上記のリンク先によると、人道援助部隊は軍ではなくロシア非常事態相(MChS)所属。約2000トンの人道援助物資を車列に搭載し、モスクワ郊外のナロ・フォミンスクを出発したという。 8日の介入空振り後、ロ
ロシアが軍事介入寸前に至っていた?8月8日から8月9日の朝に掛けて、ロシアはウクライナへの軍事介入寸前にまで至っていたようだ。 もちろん、ロシアは認めていないが、8月初頭以降の状況を追っていくと、かなり緊迫した状況が発生していたことは明らかであると思われる。 まず8月6日、ポーランドのトゥスク首相が「ロシアによる軍事介入のリスクがここ数日高まっている」と指摘したのに続き、7日にもウクライナの首都キエフを訪問したラスムセンNATO事務総長が、ロシアが「平和維持」の名目で軍事介入を行う可能性があると述べた。この少し前から言われていたシナリオ(たとえば5日の拙稿を参照)が現実の懸念として急速に浮上してきたのである。 さらに同日、ロシア語インターネットで奇妙な情報が流布したのが注目される。ウラル地方のネット地方紙「URA.RU」などいくつかのマイナー情報源が、「7日夜にプーチン大統領が国民向けの緊
※本稿はWorld Security IntelligenceのWSI Commentary Vol.1 No.1 (August 2014)に掲載されたものです。 はじめにウクライナ東部(ドンバス)では、現在、ウクライナ軍が優位を確立しつつあるように見える。5月までは親露派がドンバスの広い領域を占拠し、さらに5月11日の住民投票でドネツク州とルガンスク州がそれぞれ「人民共和国」としてウクライナからの独立を宣言するなど、親露派側の優勢が目立っていた。そもそもウクライナ軍は長年の軍改革の失敗などから戦闘力が大きく低下しており、この意味でもウクライナ政府側による親露派の相当は困難と見られていた。 だが、5月25日にウクライナ大統領選挙が行われ、6月7日にポロシェンコ政権が成立した前後からウクライナ政府は掃討作戦を強化し、前述のように今やウクライナ政府は軍事的優位に立ちつつある。そこで本稿では、
ロシアが「さらに強力な多連装ロケット砲」を供与?7月24日、米国務省のハーフ副報道官は、ロシアがウクライナ東部情勢に関して依然として関与を続けているとして、次の2点を指摘した。 1. ロシア領内からウクライナ側へ砲撃が行われている 2. ロシアが親露派武装勢力に対して「さらに強力な多連装ロケット砲」を供与しようとしている 第1の点については、以前からウクライナ政府はロシア領からの越境攻撃が行われていると主張していた。今回のハーフ副報道官の発言はこれを米国として正式に認め、ロシアが東部での戦闘に直接関与しているとの立場を明らかにしたものと言える。 しかもハーフ副報道官は、ロシア側からの攻撃について「情報機関が入手した証拠がある」と述べている。具体的にその「証拠」が何であるかは不明だが、ただのブラフでない限り、何らかの通信傍受や、前回の拙稿(「マレーシア機撃墜 米露の熾烈な情報戦」)で触れたよ
主戦場としての情報戦7月17日に発生したマレーシア航空17便の撃墜事件を巡り、米露の情報戦が活発化している。 今回の撃墜事件では、全く無辜の一般人が300人近くも死亡している上、その大部分はウクライナ情勢を巡ってロシアと緊張関係にある欧州諸国の国民であった。 このため、「今回の撃墜を誰がやったのか?」という問題が、ウクライナ情勢全体に対する各国の立場を決定的にする可能性が高い。今回の事件が「ゲーム・チェンジャー」(情勢を大きく変える出来事)と呼ばれている所以だ。 それだけに、各国の力の入れ方は凄まじい。前回の小欄で書いたように、筆者は現在のところ、ドネツクの親露派武装勢力が民間機をウクライナ軍機と誤認したのではないかと考えているが、これが立証されるか、あるいは国際的な認識として定着してしまえば、親露派やその後ろ盾であるロシアの立場は決定的に悪化する。 逆にウクライナのポロシェンコ政権にして
ウクライナ軍の攻勢 7月9日現在のウクライナの戦況図 2014年7月5日、ウクライナ東部での一時停戦終結を宣言したウクライナ政府は、大規模な掃討作戦を開始した。 これにより、ウクライナ軍はながらく東部親露派武装勢力の拠点であったスラビャンスクとクラマトルスクを解放し、スラビャンスクを拠点としていた「ドネツク人民共和国」のストレリコフ「国防相」らはドネツク市中心部への撤退を余儀なくされている(ウクライナ軍の攻勢についてはこちらの拙稿も参照)。 さらにウクライナ軍はドンバス地域(ドネツクとルガンスク両州の総称)の中心都市であるドネツク市とルガンスク市を包囲し、親露派武装勢力の一層に向けた最終的な攻勢を準備していると見られる。 ウクライナ国防安全保障会議のパルーブイ書記は7月9日、既にウクライナ政府軍はドンバス地域の3分の2をコントロール下に置いているとしており、多少割り引くにしても、すでに政府
繰り返す危機今回のウクライナ危機では、「このあたりで落としどころかな」と思っていると、それを裏切って危機が再燃するということが繰り返されてきた。 2月21日、ヤヌコーヴィチ大統領が反政権派やEUに対して危機解決のための合意案に調印し、これで決着したと思われた直後にロシアがクリミアを占拠したのがその始まりだ。 続く3月にはロシアがクリミア編入を宣言し、焦点は対露経済制裁に移ったかと思われている中、今度は東部諸州で親露派勢力による政府庁舎等の占拠が発生。これ以降、ウクライナ東部情勢は不安定化の一途を辿り始める。このようなシナリオは筆者も考慮していないではなかったが、あくまでも「最悪の想定のひとつ」であり、実際にこれほど不安定状態が拡大することは予測していなかった。 そして5月25日には大統領選挙が行われ、ウクライナ国境のロシア軍が撤退、6月にはプーチン大統領がノルマンディー上陸作戦記念式典でフ
6月12日、ウクライナのアヴァコフ内相は、ロシアのT-72戦車3両が国境を越えてウクライナ領内に侵入してきたと発表した。 ウクライナ陸軍はT-72を保有していないため、事実ならばロシアが公然と軍事介入を介したことになる。 しかし、証拠とされている映像や画像を見るに、問題の戦車はT-72ではなくT-64の近代化改修型(T-64BV)であるようだ。 問題の戦車。明らかにT-64系の特徴を示している上掲の映像からも分かるように、戦車は全部で3両で、おそらく全てT-64BVであろう。このほかにロシア国旗を翻した兵員輸送トラックが2両映っており、「迫撃砲などを積んだ車両を伴う」とのウクライナ内務省発表とも符合するように思われる。 問題は、これらの戦車がどこからやってきたかである。 T-64はウクライナ陸軍では依然として現役であるが、ロシア軍では2008年のグルジア戦争に投入されたのを最後に退役してい
5月25日のウクライナ大統領選により、昨年末から続いてきたウクライナ危機はようやく出口が見えたかのように思われていた。 大統領選の直前、ウクライナ情勢は再びきな臭さを増していたためだ。 5月11日にウクライナ東部のドネツクとルガンスクで親露派勢力が「住民投票」を行い、ウクライナからの独立を宣言して以降、暫定政権は大規模な掃討作戦を展開。これに対して親露派勢力も激しく抵抗し、事実上の内戦状態に陥っているとの見方さえ生まれつつあった。また、ウクライナ国境付近には依然として4万人ものロシア軍の大部隊が展開し、事態が悪化すればロシアによる軍事介入の可能性さえ無視できない状況であった。 ウクライナ大統領に当選したポロシェンコ氏しかし、その少し前の5月7日、プーチン大統領が親露派勢力による「住民投票」を延期すべきであると発言するとともに、25日の大統領選実施を認め(ただし「東部の軍事作戦を停止すれば」
ウクライナ東部情勢が激しさと混迷とを増しているが、ウクライナ軍の兵力に関する信頼できる資料が意外とネット上にないようなので、参考資料として各年度のウクライナ国防白書から以下のようなものを作成してみた。 ちなみにウクライナ国防白書は2013年公表の『白書2012』を最後に発行が止まっている。さすがに現今の情勢下では機密保持の問題などもあり、白書を出す訳には行かないのだろう。 まず総兵力であるが、ソ連からの独立時には80万人以上も居たものが、軍改革によって徐々に減少。2012年には14万人弱(このほかに軍属の文民4万5000人)まで削減されていた。 ウクライナ軍の兵力推移その後、ウクライナ暫定政権は予備役動員令を出して4万人の一般国民を招集したが、そのうちどのくらいを実際に応招したのかは明らかでない。また、約半数は内務省指揮下の国民親衛隊に配備されたということだが、これについても実態が明らかで
ウクライナ危機はどこまでエスカレートするのだろうか。 3月末から4月にかけては、ウクライナ国境に最大4万人とも言われるロシア軍が展開していることが衛星写真で確認され(詳しくはこちらの拙稿を参照)、ウクライナ東部に対するロシア軍侵攻が取りざたされた。しかし、4月末にショイグ国防相がヘーゲル米国防長官との電話会談で「ウクライナに侵攻する考えはない」と述べたのに続き、5月6日にはNATOのブリードラブ欧州連合軍司令官が「ロシア軍侵攻の可能性は低い」と述べるなど、ロシア軍の直接介入の危険性は低下したかのように見える。 だが、ウクライナ危機自体は収拾には向っていないばかりか、様々な意味で危機は高まっていると筆者は考える。しかも、今週中にはひとつのピークを迎える可能性が高い。 緊迫化するウクライナ東部情勢ウクライナ東部では親露派による公的機関の占拠や新たな襲撃が続いている。 前述のブリードラブ司令官も
ウクライナ東部の情勢が緊迫化している。 4月7日、ロシア系住民の多いドネツク、ハリコフ、ルガンスクの東部三州で親ロシア派住民が暫定政権に対する抗議行動を起こし、親露派が議会や州政府庁舎を占拠した。 のちにハリコフの占拠は内務省特殊部隊の突入で強制的に排除されたが、ドネツクとルガンスクでは現在でも「ドネツク人民共和国」及び「ルガンスク人民共和国」を名乗る勢力が州政府庁舎を占拠したままだ。 彼らはキエフの暫定政権を認めず、クリミア同様に住民投票を実施してロシアへの編入を目指すとしている。 これに対してウクライナ暫定政権はきわめて強硬な姿勢を示している。 「人民共和国」側の行動を「テロ」と見なし、現地時間の今日(4月11日)20時までに武装解除に応じなければ武力を用いて強制的に排除する構えだ。 ウクライナが東部の動きを強制的に排除しようとしているのは、その背後にロシアの存在があるためであろう。
クリミア半島をロシア軍が占拠してからすでに2週間以上が経過している。 日本時間の今日昼にはクリミアのロシア編入を問う住民投票が行われるとあって緊張はさらに高まっており、ロシアやNATOは軍事行動を活発化させている。 これに対してウクライナ側は極右勢力の取り込みによって防衛体制の強化を図っているほか、故意に自国の基地を襲撃させるという陰謀論めいた話まで浮上してきた。 ウクライナ軍の実力ウクライナが独力でロシアに対抗することは難しい。 クリミア半島に駐留していたウクライナ軍は、すでにウクライナ海軍総司令官を初めとして多くがロシア側に投降するか寝返るかしており、ごく少数が武装籠城している状態に過ぎない。 また、セヴァストーポリにほど近いベルベク飛行場にはMiG-29戦闘機を装備する部隊が駐留していたが、これもロシア軍が包囲した上、ウクライナ将兵を閉め出してしまったため、クリミアのウクライナ軍はほ
先日、緊張の続くウクライナ情勢のうち、特にクリミア情勢に焦点を当てた記事を書いた。 ところがそれから数日のうちに、クリミア情勢はさらなる急展開を遂げている。 ごく曖昧な形を取りながら、しかし極めて迅速にロシア軍の軍事介入が始まったのである。 空港占拠の「誤報」28日。クリミア自治共和国の首都シンフェローポリでは、ウクライナからの独立を叫ぶ一派が議会を占拠し、その周囲を新政権の派遣した警官隊が取り囲むという状況が続いていた。 こうした中で、日本時間の午前中、シンフェローポリの空港を正体不明の武装勢力が占拠したとの情報が流れたが、後にこれは誤報であるとされ、取り消された。 また、ロシアのアントノフ国防次官は、その前日にウクライナのトゥルチノフ大統領代行が「(クリミアのセヴァストーポリを母港とする)ロシア黒海艦隊が出動すれば侵略と見なす」と強い口調で警告したのに対し、「黒海艦隊はウクライナ政府と
マイデン広場からクリミアへ世界中の注目を集めるウクライナ情勢だが、その焦点は首都キエフのマイデン広場から、クリミア半島へと移りつつあるようだ。 クリミア半島には政権の座を追われたヤヌコヴィッチ前大統領が潜伏していると考えられる他、議会や一部の治安部隊は新政権に従わない意向を示している。 さらに複雑な民族問題や駐留ロシア軍の問題をも抱えている上、その目と鼻の先ではロシア軍が大規模な軍事演習を開始した。 ウクライナが抱える複雑性すでに日本のメディアでも幾度も報道されているように、ウクライナは東部と西部で人種・宗教・言語・産業などの断絶を抱えているが、だからといって東部で多数派を占めるロシア系住民がウクライナという国家そのものの分裂とかロシアへの編入を望んでいるとは言えない。 しかし、クリミアは事情が異なる。 もともとクリミア半島はオスマン帝国の属国であるクリミア・ハン国が統治していたが、18世
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