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「自分にとって大切なこと」とは何だろうか。 僕にとっては「なぜ宇宙をやるのか?」その理由が答えだろう。 3日前、僕が初めて開発に携わった探査機「パーサヴィアランス」が火星へと降り立った。 開発は決してスムーズではなく、苦労も多かった。スケジュールに間に合うか何度もヒヤヒヤさせられた。だけど、つらいときもこの瞬間をイメージできたから頑張ってこれた。 僕が宇宙開発に携わる上で、原動力となっているのは「人類が外の世界を知ろうとあがく力の一部になりたい。それに一度きりの人生をかけてみたい。」という思いだ。 この広い宇宙では地球に生きる人類の存在は限りなく小さく、人間の一生をかけたとしても、できることなどたかが知れているかもしれない。それでも僕は自分が出来る最大限のことをしたい。それが僕を突き動かす理由であり、僕の宇宙にかける思いだ。 NASAで働くという夢への道を歩む過程でも、その思いが大きな助け
「どうやったら海外で働けますか?」 という質問をよくもらう。たしかに海外で働く人の姿はかっこよく見えるかもしれないし、日本の外に目を向けることは選択肢を広げてくれるから大切だ。しかし、海外で働くということはあくまで手段でしかなく、それをはき違えて目的にしてしまわないように注意したい。 むしろ深く考えるべきなのは、その目的のほうだ。一度きりしかない人生で自分がやりたいこと、成し遂げたいことは何なのかをじっくり考えたい。 その一方で、日本だけに縛られているのはさらにもったいない。自分の目的が明確で、ベストな環境が日本の外にあるならば迷わずに一歩を踏み出すべきだ。つまり、海外で働くことが重要なのではなく、自分の世界を日本に限定せず、可能性を狭めないことが大切なのだと思う。 ニューヨークで感じた刺激と焦り大学生のときニューヨークに一人旅をした。20歳だった。"夢を持った人が世界中から集まりエネルギ
1969年7月20日。アポロ11号が月面に着陸し、ニール・アームストロングが人類で初めて月の地に降り立ちました。今年はそれからちょうど50年の記念すべき年です。ここNASA/JPLがあるパサデナでもアポロの偉業を祝うイベントが催されています。 しかしながら、JPLをご存知の方は「JPLってロボットを使った探査が専門でしょ?宇宙飛行士関係ないじゃん。アポロのとき仕事してたのかな?まさか休暇だったんじゃ…」と思われているかもしれません。 このnoteでは、普段あまり語られることのないアポロとJPLの関係性、ニール・アームストロングが月に立ったとき、JPLのエンジニアやサイエンティストは何をしていて、何を考えていたのか?そして現在NASAが進めている月探査計画「アルテミス」にはどのように関わっていくのか、をお話ししたいと思います。 ジェット推進研究所(JPL)はNASA の中でも無人宇宙探査ミッ
こんにちは。NASAジェット推進研究所(JPL)の大丸拓郎です。宇宙探査機を開発するエンジニアとして働いています。 先日NASAが、2020年に打ち上げられる火星探査機「Mars 2020 Rover」に一般の方々の名前を載せて火星に送る「SEND YOUR NAME TO MARS」キャンペーンを開始しました。 Mars 2020 Rover(マーズ トゥエンティ トゥエンティ ローバー)僕たちはM2020や2020などと呼んでます。 このキャンペーン、サイトから登録すると搭乗チケットが発行され、Mars 2020 へ搭載されるマイクロチップに名前が刻印されるというもの。 搭乗チケットはこんな感じです。僕もすでにゲットしました。なんと…無料です!さすがNASA、太っ腹!キャンペーンは9月まで続きますが、開始からわずか4日で400万人以上の名前が全世界から集まっています。ところが、先日この
僕が働くNASAジェット推進研究所(JPL)には大きく分けると2種類のエンジニアがいる。現在の探査機を開発するエンジニアと将来の探査機のための技術を研究するエンジニアだ。ターゲットにしているのが現在の探査機か少し未来の探査機かという意味では、今を作るエンジニアと未来を創るエンジニアとも言えるかもしれない。 今を作る仕事現在の探査機を造る仕事では、コンセプトを設計し、図面を引き、パーツを削り出し、組み立て、試験する。設計の段階では現時点で実用段階にある技術のプールから最適なものが選択され、それらを組み合わせることによって、考えうる最高のシステムが作られる。 Credit: NASA/JPL-Caltech そのシステムは間違いなく現代のエンジニアリングの最先端だ。エンジニアとしては自分が造った探査機が実際に宇宙へと飛び立ち、今まで見たことのない風景を見せてくれたり、発見をもたらすかもしれない
火星ローバーに魅せられてNASAジェット推進研究所 (JPL) を目指した筆者。夢が叶い職員として働けることになりました。しかしこのときは任期付き職員としての採用で、JPLで正職員のポジションを獲得するためにはさらなる試練が待ち構えていました。 ジェット推進研究所(JPL)はNASA の中でも無人宇宙探査ミッションを担当していて、太陽系のすべての惑星に探査機を送り込んだ世界唯一の研究機関です。代表的な探査機には現在も火星で探査を続けているローバーのキュリオシティや星間空間に到達した人類初の人工物であるボイジャーなどがあります。NASA/JPLに就職するに至った経緯はこちらのnoteにまとめました。あわせてお読みください。夢の舞台JPLへ2017年の夏、いよいよ夢に描いていたJPL職員としての生活が始まった。しかしインターンシップから1年半ぶりに戻ったJPLは、僕が知っているJPLとは少し変
NASAジェット推進研究所 (JPL) エンジニア。火星サンプルリターンや次世代ミッションの研究開発に取り組んでいます。宇宙開発の現場で感じたことなどを書きます。https://takurodaimaru.com
このnoteは日本の大学を卒業した筆者が、コネクションゼロの状態から、アメリカの大学への留学を挟まずに、NASAへの就職を果たした過程を記録したものです。これからNASAを目指す人、また夢を叶えようと努力している人の考え方のヒントになれば幸いです。 一度きりの人生をかけてこれをやる2012年の夏、NASAの1機の探査機が火星に着陸した。キュリオシティという名のその白いローバーは、胴体からまっすぐに伸びた首の先に大きな目玉がついた頭を持ち、足についた6つの頑丈な車輪で火星の荒れ地を走る。長い腕を伸ばしドリルで岩石を削り、それを体の中に入れその場で調べる。これまでのどんな探査機とも異なるその姿は、僕の目にはまるで生き物かのように写っていた。 当時僕は東北大学に通う大学院修士課程1年生の学生で、休日のエアコンの切れた蒸し暑い研究室で一人、実験の待ち時間にパソコンの画面に釘付けになっていた。キュリ
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