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アメリカ大統領選
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政策ビジョン研究センター 健康経営研究ユニット 尾形裕也 政策ビジョン研究センター特任教授 津野陽子 政策ビジョン研究センター特任助教(インタビュー当時) この記事は、2017年3月に発行された政策ビジョン研究センター年報2016に掲載されたものです。 政策ビジョン研究センター年報2016 2017/5/30公開 健康経営を進めるうえで、何が企業の損失になっているのか。〈コラボヘルス〉を活かした調査の結果、他の先進国と同様に日本でも医療費以上にプレゼンティーイズム(疾患や症状を抱えながらの出勤で生産性が低下している状態)、アブセンティーイズム(病欠)による損失の方が大きいという結果が出た。 津野陽子特任助教(左)、尾形裕也特任教授(右) 組織の損失要因を評価する --「健康経営評価指標の策定・活用事業」について教えてください。 尾形 もともと経産省と東京証券取引所が、企業へのアンケート調査
Photo: K.yamashita 安倍首相が衆議院の解散を決意したと伝えられている。9月28日に召集される臨時国会の冒頭で衆議院を解散し、総選挙を行うというものだ。前回の衆院解散から3年近くになる。その間に2015年には新安保法制に関する与党合意と国会承認、17年にはいわゆる共謀罪の規定を含む改正組織犯罪処罰法が施行された。 戦後レジームからの脱却という言葉に見られるように、総理就任以前から安倍氏は第2次世界大戦後の日本に生まれた政治の刷新を主張してきた。それだけに、新安保法制も共謀罪も、憲法を中核として戦後日本が保持してきた制度を打ち壊すのではないかという懸念と反発を引き起こした。憲法を守るために安倍政権を倒すべきだという立場がそこから生まれる。 新安保法制は、日米安保条約と日本国憲法との間に存在する矛盾に取り組むために必要な措置であった。テロ行為は他の犯罪にもまして未然防止の必要性
Photo: Izawa Hiroyuki アメリカ大統領選挙で共和党候補トランプ氏の敗色が濃くなっている。選挙の情勢が厳しくなるほど、氏の主張は急進化した。遊説先では、グローバル経済とマスメディアと民主党が一体となって選挙に工作を加え、トランプ氏を負かそうとしている、これは不正な選挙だなどと述べている。 ほとんど被害妄想のような議論だが、トランプ氏を支持するアメリカの有権者が4割前後に上ることは無視できない。大統領選挙の結果はわからないとしても、トランプ氏を支持した人々は消えるわけではない。 トランプ氏は、世界各国の企業からアメリカの国内市場を防衛する必要を繰り返し訴え、いま各国でその承認が審議されている環太平洋経済連携協定(TPP)ばかりでなく、既に締結されて久しい北米自由貿易協定(NAFTA)にも反対している。このような保護貿易の主張は、アメリカ政治では伝統的に自由貿易を支持してきた
Photo: Izawa Hiroyuki 軍事力によって相手の行動を事前に抑えこむ。これが抑止戦略と呼ばれる、現代の国際関係において世界各国の多くが採用する軍事戦略である。だが、この抑止戦略が機能することの難しい状況が世界に広がっている。 * まず基本を押さえておこう。国際関係において各国が軍事力によって達成を求める目標の第一が国家の防衛である。そして、その国家の防衛は、通常は抑止戦略によって実現することが期待されている。侵略された場合には大規模な反撃を加える準備を整え、さらに反撃する意思を相手に対して明確に示すことによって、相手による侵略を未然に防止するのである。 抑止戦略が武力の放棄を求める平和主義と異なることはいうまでもないだろう。抑止力が相手の行動を抑えるだけの実効性を持つためには、相手に対抗することが可能なほど大規模な兵力を持たなければならないからだ。 抑止は侵略によって領土の
Read in English 全世界で厳しい国際情勢が続き、この数カ月間は特に緊張が高まっている。現在展開している国際秩序および今後の望ましい秩序に対して、より率直な思索が必要とされている。 議論の概略 ウォルター・R・ミードは、『フォーリン・アフェアーズ』誌に発表した論考「地政学の復活:修正主義大国の報復(The Return of Geopolitics: the Revenge of the Revisionist Powers)」(Mead, 2014)のなかで、冷戦が終わって長い時間がたち、フランシス・フクヤマがかの有名な著書『歴史の終わり(The End of History and the Last Man)』(Fukuyama, 1992)で述べた脱歴史世界は永遠に終わったのかもしれないと書いた。この脱歴史世界では、イデオロギーの大きな対立が解消され、これによって、世界支
毎日様々なニュースが流れる中で、私たちの安全を脅かす事件や事故も数多い。しかし、私たちはその出来事が起こった直後には強くその再発を恐れるものの、比較的すぐに忘れてしまう。2015年は、前年から引き継いだ形で、食品への異物混入問題で幕を開けたことを覚えているだろうか。しかし、異物混入問題は、春以降はあまり騒がれなくなった。6月末には東海道新幹線の車内で焼身自殺があり、本人に加え、巻き添えで1人が亡くなった。お盆の帰省で新幹線を利用した際に事件を思い出した人も、年末の帰省で新幹線に乗る際には完全に忘れ去っていただろう。 2015年の1月には、もう1つ大きな事件が発生している。1月9日にパリで出版社、シャルリー・エブドが襲撃された。1月下旬にはイスラム国による日本人殺害予告があり、その後殺害が実行された。これらの出来事に加え、11月に再びパリでさらに大規模な無差別テロ事件が発生し、2015年とい
Photo: Izawa Hiroyuki 2001年の同時多発テロ事件から15年目、また大規模なテロが起こってしまった。事件の発生したフランスはシリア北部において従来を超える規模の空爆を行い、アメリカとロシアも軍事介入を拡大した。無差別テロと空爆の応酬である。 同時多発テロ事件を引き起こしたアルカイダと比べても、IS(いわゆる「イスラム国」)は極度に暴力性が高い。イラクからシリアに勢力を広げつつ人質の斬首を繰り返し、ロシア旅客機を爆破し、今回はパリで複数の襲撃を実行したうえに、アルカイダと違って旅客機爆破についてもパリのテロについても犯行声明を行った。欧米諸国ばかりでなくシリア・イラクの人々の安全も奪う存在である。 同時多発テロ事件当時のブッシュ大統領などと違い、オバマ大統領、そしてフランスのオランド大統領も当初軍事介入には慎重だった。世界各国も一般にイラク・シリアへの軍事介入には消極的
photo by Sarah Fagg 9月15日、オバマ大統領が「行動科学の洞察をアメリカ国民に役に立つように利用する」と題する大統領令を公布した。このような行動科学の視点を公共政策に組み込もうというアイデアはもともと2003年に経済学者のセイラーと法学者のサンスティーンによって書かれた論文「リバタリアン・パターナリズム」に遡る。法規制による強制でもなく、経済的インセンティブによる誘導でもなく、選択の自由を維持したまま、人間の持つ心理的バイアスをうまく利用することで、人々の行動を「良い方向へ」変容させるというアプローチである。リバタリアン(=自由主義)とパターナリズム(=家父長主義)という一見矛盾する態度を結びつけるというアイデアは、民主党と共和党の対立により合意形成が行き詰っていたアメリカ議会の膠着を打破しようとする意図もあったと考えられる。この考え方は2008年には一般向けの書籍「ナ
Photo: Izawa Hiroyuki 国会で新安全保障法制が採択されようとしている。安保法制に反対する国民は、国会前を始め、全国各地で集会を続けている。そこで問われているのは、日本の立憲政治の行方である。 ここでは異なる角度から考えてみたい。新安保法制を実現する根拠として繰り返されてきた主張が、安全保障をめぐる国際環境の変化である。それでは、どのような変化が起こっているのだろうか。 第一に注目すべきは中国の台頭だろう。米ソ冷戦の時代、旧ソ連のように軍事的に台頭した国も、また日本や旧西ドイツのように経済的に台頭した国もあった。だが、旧ソ連は軍事大国を支える経済の基盤が弱く、日本や西ドイツはどれほど経済的に台頭しても軍事的に米国に依存し、挑戦する立場にはなかった。軍事と経済の両面において台頭し、アメリカの影響力に正面から対峙する位置に立った点において、中国は例外的な存在であると言ってよい
アメリカの始めた戦争に日本が巻き込まれるのではないか。これは、新安全保障法制に反対する議論のなかで繰り返し現れる論点の一つである。 いうまでもなく新安保法制は集団的自衛権の限定的承認を目的としている。集団的自衛権とは同盟と不可分の概念であって、同盟国の安全が脅かされた場合、たとえその脅威が日本の安全を直接には脅かすものではないとしても、一定の条件の下で同盟国の軍事行動に協力を行うことになる。 これまでアメリカ政府は日本防衛へのコミットを表明してきたが、アメリカの軍事支援要請に対する日本の協力は限定され、法的根拠も乏しかったため、日米両国の懸案となってきた。日本国憲法と日米安保条約との間の緊張がその背景にある。 同盟とは各国が軍事協力を行うことによって単独の防衛力よりも大きな防衛力を確保し、他の諸国による侵略を阻むことが目的であるとすれば、その同盟を安定させるためには集団的自衛権の承認は欠か
新安全保障法制が衆議院で採決された。賛成できない。政府は法案を撤回しなければならない。 私がそう考える理由は、立法手続きに瑕疵があるためだ。今回の新安保法制については、数多くの憲法専門家から法案は憲法に反すると指摘された。違憲の疑いがある法案については、国会において他の法案以上に慎重に審議を行う必要がある。与党が議席の多数を占めるからといって採決を急ぐことは適切ではない。まして参議院での行き詰まりを見越したかのように衆院における再議決を想定した政治日程を組むことは、慎重な審議とは正反対の選択である。衆院の多数に頼って憲法との関係が争われる法案を押し切ることは、民主政治の根幹を揺るがす行動であり、認めることはできない。 では、憲法との関係と法案審議の方法だけが問題なのか。集団的自衛権をどう考えるべきだろうか。 * 私は集団的自衛権一般を排除すべきだとは考えない。 集団的自衛権とは同盟国に攻撃
EPA=時事 いつからのことだろうか。書店の店頭、新聞記事、あるいはテレビ番組で、日本の良さを伝えるものが目立つようになった。日本で開発された優れた商品のなかに日本人のDNAを読み込むような議論に触れた人は多いだろう。 その前には、日本への批判を自虐として拒む態度があった。日中戦争と第2次世界大戦における日本軍の行動に批判を加えると左翼だとか自虐史観だなどと形容されるようになってから久しい。歴史観の問題だけにとどまらず、政府の政策への批判が自虐として退けられるようになった。日本人の誇りを求める文章や映像は、自虐の対極としての自尊願望の反映とみることができるだろう。 たまたま国籍が同じだという理由だけで会ったこともない人たちと自分が一体であると考え、自虐や自尊を論じる根拠は疑わしい。だが、自分の帰属する集団を肯定したいという願望は、ほとんど人情のようなものだ。私自身も、生真面目で責任感のある
Miura and Walker 1 東日本大震災は日本を変えたのか 三浦瑠麗/ジョシュア・W・ウォーカー (米国ジャーマン・マーシャル財団 Policy Brief 掲載論文、日本語版) 1.はじめに 東日本大震災(3.11)は、第二次世界大戦後の日本が直面した最も大きな危機 であるといってよいだろう。日本社会や個々人は連帯し、互いに助け合い、困難 に対して果敢に立ち向かっている。しかし翻って政治の世界を見てみれば、東日 本大震災に対する直後の対応も、また長期的な復興戦略の策定さえ遅れており、 定かではない。 こうした 3.11 後の日本の特徴は、失われた 20 年と呼ばれたバブル崩壊後の 長い停滞の果てに起きたこのような大惨事を経てなお、日本のシステムが変化し ていないことを意味する。このような危機を経験しながら、政府は自国の抱える 構造的な問題に真摯に取り組めていない。日本は多くの分
AFP=時事 東京大学政策ビジョン研究センター安全保障研究ユニット(SSU)のメンバーである、三浦瑠麗(日本学術振興会特別研究員(東京大学法学政治学研究科)/青山学院大学兼任講師)が5月26日、共同通信社と加盟新聞社計49社の論説担当責任者の論説研究会(於共同通信社本社)で、「『シビリアンの戦争』と『共和国による平和』」と題して招聘講演を行いました。 冷戦終結後この方、世界大での民主化が進展し、また権威主義体制下においても民意が外交安保政策に大きな影響を与えはじめている今、内政と外交とのかかわりをどのように考えればよいのか。目指すべき民主主義の在り方とG0(ゼロ)の世界における日本の政策ビジョンはどうあるべきかについて論じました。当日の発表資料は下記よりご覧いただけます。 共同通信社発表用資料(三浦瑠麗) 現代という時代認識 はじめに、現代という時代認識を考えるにあたって一番重要なことは、
AFP=時事 年末が近づくなか、総選挙に向かって政局が動いている。ではこの選挙で何が問われているのか。そこがどうも、よくわからない。 消費税引き上げ見送りを国民に問うのだという解釈がある。消費税増税を3党で合意した以上、先送りには国民に信を問う必要があるという議論だ。だが、3党合意は増税時期を時の政権に委ねており、もちろん政府は消費税増税の計画は変えていないことはいうまでもない。増税の可否ならともかく、いずれは実施する増税の先延ばしを国民に問う必要があるだろうか。 * もっと直截に、安倍政権への支持が高く、野党の選挙準備が整っていない時を狙って選挙に踏み切ったのだという解釈もある。大義名分を横に置けばあられもないほどあからさまな説明だが、それはほんとうに与党に有利な選択だろうか。前回選挙で大勝しただけに、いま選挙に踏み切っても自民党が議席を減らす公算が高い。むしろ、次の参議院選挙を待ってダ
AFP=時事 国際政治には、その時々の人々が共有する判断、いわば常識がある。なかには残酷な選択やモラルに反する議論もあるので表だって語られるとは限らないが、常識に反する議論をすれば相手にされないから、常識に従うことになる。ところが、その常識が正しいとは限らない。 アメリカを中心とする諸国がイラク侵攻を準備していた2003年、マスメディアから官庁・大学にいたるさまざまなところで、フセイン政権は力で倒すほかにない、誰でもわかっていることだと語られていた。特定の新聞社やテレビ局に限ったことではない。紙面や番組では戦争に反対しているように見える会社でも、イラク介入の必要性は疑う余地のない常識として語られていた。 私は、イラク介入は不必要だ、要らない戦争を戦ってはいけないと考えていた。不必要で愚かな戦争の開始を黙って見ていることは私にはできなかった。だが、イラク介入に反対すると、必ずといっていいほど
泥仕合の感が高まっている集団的自衛権論争ですが、このテーマについて何が本質と考えるかについてまとめたいと思います。 さて、集団的自衛権論争が今日の泥仕合となってしまっている背景は、課題意識の異なる(ように見える)人々がそれぞれの立場から論陣を張っており、議論がかみ合っていないからです。そもそも、議論はかみ合っている方が建設的な結果につながるというのが私の考えですが、そのような考えは少数派なのかもしれません。議論をかみ合わせることが役割のはずの人々も、意図してか、意図せざる結果としてかはわかりませんが、泥仕合を盛り上げています。集団的自衛権をめぐる論争の本質を理解するには、大きく三つの領域で物事が進行しているという状況認識を持つことだと思っています。一点目は、安全保障の領域、二点目は憲法解釈と立憲主義の領域、三点目は感情的化学反応の領域です。本テーマについては、日本の論者はもちろんのこと、世
AFP=時事 Children carry portraits of Ukrainian heroes, fighters for the freedom of Ukraine since Kievan Rus times (from the 9th to the 13th centuries) to the present day, to commemorate them during annual Heroes Day in the western Ukrainian city of Lviv on June 1, 2014. 集団的自衛権を認めるか否か、その論争のなかで、さまざまな状況を想定した議論が行われている。朝鮮半島における南北両軍の戦闘とか、ホルムズ海峡における機雷封鎖とか生々しい設定が並べられるのだが、気になることがある。この議論をする人たちは、戦争の可能性がどこまであると
EPA=時事 欧州からお届けする話題は、標準必須特許に関する特許訴訟で争点の一つとなるFRAND(Fair, Reasonable, and Non-discriminatory の頭文字をとったもの。「公平、合理的、かつ非差別的」の意味)をめぐる訴訟の動向である。FRANDに関しては、欧州でこの1,2年で重要な裁判が続いたほか、米国で近時注目判決1が出され、日本でも初の判決が先日出されたところである2。今後の日本でのFRAND関連裁判の方向、または当該裁判を端緒にした標準必須特許に関する特許訴訟への立法的、行政的対応の可能性等について、FRANDには一日の長ある欧州の裁判例から示唆を得ることが出来ると思われる3。以下、FRAND一般について簡単に触れ、イギリス、ドイツ、及びオランダでの裁判例を中心に述べる。 FRANDとは FRANDは、特許権と競争法・独占禁止法の間の緊張関係が最も顕著
※本シンポジウムは参加受付を締め切らせていただきました。たくさんのお申込み、ありがとうございました。なお、当日はUstreamでの中継配信も予定しています。 USTREAM中継: http://www.ustream.tv/channel/thinknet twitterハッシュタグ: #thinknet 急速に社会変革が進む中、政策決定者に対し、研究大学における各分野の理論体系とエビデンスに依拠した研究成果や政策選択肢を提示し、政策論議の質を向上させる取組みを進める必要は、様々な分野で高まっています。本年度より、東京大学政策ビジョン研究センターと慶應義塾大学SFC研究所は共同で、大学の特性を生かして社会に政策選択肢を提示する学術研究拠点として政策シンクネットプロジェクトを開始しました。政策選択肢を提示するべき重要な課題として、大学改革や社会における様々な人材の育成があります。このようなテ
Read in English AFP=時事 歴史問題をめぐる対立が続いている。韓国の朴大統領が安倍首相との首脳会談を拒む背景には慰安婦問題に関する日本政府の対処への批判がある。中国は、昨年末の安倍首相の靖国神社参拝に批判を繰り返すばかりか、中国ではなく日本こそが国際関係の安定を破壊している、靖国参拝はその証拠であると主張し、「歴史カード」を使って日本の国際的孤立を進めようとしている。日中戦争と第2次世界大戦から半世紀以上も経ちながら、過去の解釈が現在の国際関係を揺るがし続けている。 どうすればこの状況を打開できるのだろうか。そんなことは考えるまでもない、簡単だという人たちがいるだろう。中国・韓国などの諸国では、日本が謝罪し被害者に補償をすればいい、それをしないから日本が信用できないのだと唱えられている。日本には、日本政府は繰り返し謝罪を行ってきた、これ以上何をすればよいのかという議論があ
2013年12月4日、本郷キャンパス伊藤国際学術センターの地下ギャラリーで、DeNA創業者であり取締役の南場智子さんをお迎えし、お話を伺いました。東京大学ソーシャルICT グローバル・クリエイティブリーダー育成プログラムの一貫として開催されたこのセミナーは、技術と法制度の両面を知った上で、社会に出てクリエイティブな活動をしてもらいたいという意図で、佐藤智晶特任講師により企画され学生を中心に約30名が参加しました。 成長エンジンを生み出しながら拡大 DeNAは99年の創業から売上2025億円、利益770億円となる現在に至るまで、成長エンジンを生み出しながら段階的に急成長を遂げてきた。初めはインターネットオークションを立ち上げ、モバイルオークションで業界No.1に、続けて広告ネットワークをも急拡大。その次がモバイルSNS。そしてモバイル向けのソーシャルゲーム。2、3年に1つ大ヒットを生み出して
AFP=時事 特定秘密保護法案について行われる議論のほとんどは、政府が秘密を隠すことによって国民の知る権利が奪われるのではないかという論点に集中しているようだ。だが、別の問題もある。それは世界各国の政府によって電子メールや電話の内容が監視され、国民の個人情報が政府に筒抜けとなってしまう危険である。知る権利ではなく、国家に知られない権利の問題だ。 2013年5月、アメリカ国家安全保障局(NSA)の元外部契約職員エドワード・スノーデンが、大量の政府文書とともに香港に逃亡した。各国の報道は逃走するスノーデンをロシア政府が受け入れるのかどうかという点に焦点を置いていたが、事件の本質は政府による情報収集の実態が内部告発された点にあると見るべきだろう。スノーデンが手にした情報の報道を抑えるべくイギリス政府は強い圧力を加えたが、その干渉をはねのけるように英ガーディアン紙は報道を続け、世界の政治指導者35
1. はじめに — 政府は経済成長のために何ができるか 2. 現行の少子化対策はなぜ不十分なのか 3. 少子高齢化問題と働く女性の問題に対する切り口を変えよう 4. 「ワーキングマザー倍増計画」10の施策 1.はじめに — 政府は経済成長のために何ができるか 瞬く間に広がった金融危機は不況を生みだし、失われた20年を経てきた日本もいまだその渦中にある。深刻な危機を抱える今こそ、長期的な視野に立った、かつドラスティックな変革が求められている。 民主党の菅直人前政権は当初強い経済、強い財政、強い社会保障を目指すと宣言したが、少子高齢化社会を前提にすれば、強い経済なしに強い社会保障が実現しえないことは明らかだ。また、強い経済なくして財政規律を守ることは難しい。したがって、本質的に強い経済をどうやって実現するかということが最大の課題である。ところが、民主党政権が2010年6月に発表した「新成長戦略
オバマ政府が「開かれた政府」としてオープンガバメント政策を掲げたのが2009年1月です。近年、我が国でも、中央地方政府はもとより市民の動きとしても、少しずつ積極的な活動が顕著になっています。特にここ1年で各種メディアを通じて見聞きする機会も急激に増えてきているように感じます。下図は、グーグルトレンドで、"オープンガバメント"という言葉を検索し、web上における人気度の動向を表したものです。 2009年6月にある大きなスパイクは、同年米国連邦政府が国家としてオープンガバメントを取り入れた事を受け、数ヶ月遅れで日本語の記事が急増したことを意味します。その後、一旦減少しつつも2012年1月から安定的に取り上げられていることが分かります。 一方同様に "open government"の人気度動向を米国のみに絞って表したものが下記の図です。 この図から、少なくとも概念としてオープンガバメントの考え
ライセンス契約の研究 クアルコム社韓国独占禁止法事件紹介 東京大学政策ビジョン研究センター 客員研究員 二又 俊文 2013/11/21 EPA=時事 Steve Mollenkopf, Qualcomm chief operating officer speaks at the launch of the new LG G2 phone in New York, USA, 07 August 2013. ICT業界の活況と好調なクアルコム スマートフォンを牽引車にICT業界の活況は続き、アップルとサムスンの2強の戦いは一段と激しさを増している。しかし、このICT業界での業績が、2社以上に絶好調といわれているクアルコムのことをご存知だろうか。 クアルコムはアップル、サムスンとは異なり、携帯端末を手がけていないため一般にはそれほど知られておらず地味だが、両社の製品にもクアルコムのICチップや
EPA=時事 A Syrian boy plays at a Syria refugee camp in Yayladagi district, in Hatay Turkey, 11 September 2013. A report by UN inspectors investigating last month's chemical weapons attack in Syria could be released Monday, Luxembourg Foreign Minister Jean Asselborn said. US President Barack Obama said in an address to the nation late Tuesday that while diplomatic initiatives related to a Russian pla
AFP=時事 女優アンジェリーナ・ジョリーが遺伝子検査を受け、87%の乳がんリスクと50%の卵巣がんリスクと診断され、予防的乳房切除を受けて前者のリスクを5%まで下げたことを綴った記事をニューヨーク・タイムズに自ら投稿したことは日本でも話題になったと思う1。皮肉なことに、その遺伝子検査等が高額すぎて払えないという患者その他が、関連する多数の特許を有するバイオベンチャーMyriad社に対して特許無効を訴えて最高裁まで争っており、最高裁が一部特許無効とする判断を下したのはアンジェリーナ・ジョリーの記事の直後であった。今回は、このMyriad最高裁判決2をとりあげ、法的・政策的な面から見てどうなのか、日本の知的財産制度にどのような示唆をもたらすか考えてみたい。 Myriadは、BRCA1とBRCA2という、それが変異すると乳がんと卵巣がんのリスクを相当増大させるヒト遺伝子を同定3したことに基づい
AFP=時事 Juliana Rotich, 35, Executive Director of Ushahidi (L), a non-profit software company, funded by several foundations, sits with colleagues in their offices on January 17, 2013 in Nairobi. Five years ago, a handful of bloggers invented a way to track -- and hopefully of preventing -- bloody post-election violence that hit Kenya in which over 1,100 people were killed.The group of friends that
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