データ量が爆発的に増え、人工知能がそのデータを処理する時代。それがデータ経済社会と呼ばれる新しいビジネスのパラダイムだ。そのデータ経済社会に向けて、企業の戦い方にも当然変化が生じ始めている。「人工知能のインフラまもなく完成」という記事に書いた通り、いち早くデータ蓄積の正のスパイラルを構築することが、何よりも重要になってくる。正のスパイラルが完成すれば後発の参入が困難になるからだが、もう1つ別の理由がある。このスパイラルを構築するというビジョンで、優秀なエンジニアを引き寄せることができるからだ。 6月19日に米シアトルのAI2という研究所を取材してきた。米Microsoftの共同創業者ポール・アレン氏が出資し設立した人工知能専門の研究所だ。同研究所の中に入ると廊下や会議室の中で、大学生のような若者数人が話し込んでいるのを何度か見かけた。 「若い人が多いんですね」と、出迎えてくれたオフィスマネ