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都知事選
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日本には大学レベル,さらにはそれ以上の数学を扱う一般向け月刊誌が,『数学セミナー』,『現代数学』,『数理科学』と3種類もある.ずっと市場規模が大きいはずの英語圏でも対応するような雑誌はなく,強いて言えば Springer 社の"The Mathematical Intelligencer" かもしれないが,多くの記事は読み物的な内容だし,月刊ではなく年4回しか刊行されていない.これを考えると日本で全国の普通の本屋で売っているような数学関係月刊誌がこんなにあるのは驚異的である.この3誌はすべて日本数学会出版賞を受賞しているが,日本の数学振興に大きく貢献していると思う. 『数学セミナー』は中学1年生の夏頃から読み始めた.当時はネットもなく,進んだ数学に触れる方法はほかになかったのですべての記事をとても熱心になめるように読んだ.どの専門書を読むべきかという情報の多くもこの雑誌から得た.同誌の「エ
最近日本の国立大学の労働環境の評判が悪い.いろいろな記事を見ていると,有能な教員はさっさと海外の大学や景気の良い民間企業に移るもののように思えてくる.日本の大学業界,特に地方国立大学に多くの問題点があることは確かであり,もっと良い職場があると思う人はどんどん堂々と移ればよいと思うし,現状改善のために努力されている方々には深く感謝しているが,私自身の研究,労働条件について言えば,大変ありがたいことに別に不満はなく,むしろ十分優れているとさえ思う.(あくまで私の周りについての個人的感想である.数学特有の事情もあるだろう.) 私はアメリカその他,英語で講義や事務をしているところならたいていの国に移ろうと思えば移れると思うが,そんなことをしても私にとって総合的に今より良くなることはないと思う.欧米メジャー大学できちんと研究している私の知り合いの数学者と自分の環境を比較すると次のようなところだと感じ
「セミナーの準備のしかたについて」は私の最も有名なウェブページである.私のことを何も知らない人でもこのページを知っている人がたくさんいるようだ.この背景は次の通りである. この内容を初めて書いたのは1996年の夏休み前,私が34歳の時である.前年の1995年10月に駒場キャンパスの現在の数理科学研究棟が新たに建って,我々本郷にいた教員たちは駒場に移ってきた.次の年の1996年の修士1年生の院生セミナーで,学生の準備がちゃんとできていないと思ったので,もっとこういう風にきちんと準備してください,というメールを2回に分けてその学生たち向けに出した.その後,せっかく長いものを書いたのだから公開してみたらよいのではと考え,当時は東大の教育用計算センターにあった私のウェブページに載せたものが最初のバージョンである.その頃はインターネットは今よりずっと趣味的なものでウェブページで公開されている情報もご
私の中学受験生の頃の話である.最初に書いておくと,私が子供の頃試験が得意だった話が出てくるが,それは現在の仕事である数学の研究とは別に関係はない. これは1974年の話である.いきなり脱線するが,1974年というのは『ちびまる子ちゃん』の設定の年である.まるちゃんが見ている紅白歌合戦は1974年のものだ.あのマンガを見ると,まるちゃんのお姉さんは私と同じ年であることがわかる.それはともかく,当時の東京の中学受験の世界では,進学教室と呼ばれる,日曜日に模擬試験をやる塾が主流であった.四谷大塚進学教室(以下,四谷大塚)と日本進学教室(以下,日進)の二つがメジャーだった.日曜日の午前または午後に試験をやるだけだったので二つの塾を掛け持ちすることができ,この頃の多くの中学受験生がこの二つの塾の両方に通っていた.当時の有名中学では,この片方だけで合格者の8割くらいを占めていた.私の入学した麻布中学で
私は1975年麻布中学入学,1981年麻布高校卒業である.『「謎」の進学校 麻布の教え』という単行本の取材が数年前にあった.麻布学園について一番印象に残っているのは何ですかと聞かれたので,カード麻雀と答えたのだが期待された答えではなかったようだ.休み時間にはたいていトランプかカード麻雀をやっていた.中学1年生の時は毎日大貧民をやっていた.順位を記録につけ,長期的な成績を競うのだ.中学2年生になると流行はナポレオン(というトランプゲーム)になった.そして中学3年生からずっとカード麻雀をやっていた.麻雀牌を教室に持ち込むのはいろいろ大変なのでトランプ型の麻雀カードがあるのだ.13枚手に持っていないといけないのでプラスチック製の横長のホルダーがあり,これにカードを挟んで手に持つ.こちらもずっと長期にわたって成績をつけていた.私はかなり熱心にやっていたがあまり成績は良くなかった.別に数学的な麻雀必
私もすっかり年寄り世代になったので,大学院重点化(東大数理では1992年)より前の大学院の仕組みについて書いてみたい.できるだけ客観的データに基づいて書きたいと思う.私が東大数学科を出て大学院修士課程に入学したのは1985年である.(この年の夏に私はアメリカに留学したので,東大大学院には事実上3か月しか通っていない.) その前後数年の数字の平均を見てみると次のようになる. 東大数学科卒業者: 45人 東大数学科修士入学者: 22人(うち東大数学科出身者20人) うち大学の任期なしポストについたもの: 18人 当時は院試(大学院入試)に落ちた人が留年してまた受けるということが全く普通であり,そういう留年者がたくさんいたため,東大数学科4年生の在学者数は毎年100人を大きく超えていた.修士課程合格者のうち留年していないストレートの人は半分くらいだったはずだ.院試の受験者の数字は見つけられなかっ
テレビに出たことは3回ある.最初に出たのは1983年,大学3年生の時である.アスキー社でパソコンの本を書いており,その本のために私が作ったフライトシミュレーターのプログラムの実演で NHK の「600 こちら情報部」という夜6時からの子供番組に出たのだ.真の目的はこの本の宣伝だったが,NHK で宣伝はさせてくれないので本のことは伏せて,大学生が作った新しいプログラムのデモということで出た.将来のテレビゲームのあり方といったようなことについて,偉そうなことを適当に話した記憶がある.この番組は生放送だったので,自分では見られなかった.当時はビデオはあまり普及しておらず,うちにもなかったので自分の出演シーンはずっと見られないままだった.夜早い時間の子供向け番組だったからか,友人,知人からは全く,見ましたよとか,出てましたね,とは言われなかった.そこから30年以上たって,誰かがこの番組のビデオをニ
私のところで2017年に東大数理の博士を取った Yul Otani (大谷裕)君は,数百万人の信徒を抱えて東本願寺を本山とする真宗大谷派の新門(トップ後継者)である.去年(2020年)正式にこの座についたとき,新聞などに写真入りでいくつも記事が出た.当然私の元学生中で最高の有名人である.(だからこの記事も本名を出して書いている.) なぜ東大で数学の博士を取ってこういうことになっているのかは次の通りである. 彼は日系ブラジル人である.当初,サンパウロ大学出身で日本政府の国費外国人留学生として東大に留学したいという話が来た.いくつか数学の問題を送って解いてもらったところ,ちゃんとできるようだったので私のところで受け入れることになり,修士課程1年に入学した.彼は日本語はそこそこ話せるのだが,英語の方が得意ということで私はいつも英語で話していた.東大数理ではほかの学生と一緒に作用素環論とそれに関係
外国に入国する際には入国審査がある.その厳しさは国によって大きな違いがある.私が経験した中で一番いい加減だったのは EU 統合をする前のフランスである.日本のパスポートの表紙を見せればO.K.で中を開いてみることさえなかった.何のスタンプも捺していない.有効期限が切れていようが他人のパスポートだろうが大丈夫だと思ったものだ.すぐ隣のイギリスは概してずっと厳しい.大学やコンファレンスに行くのに招待状を出せと言われたことはよくあるが,一度は数学者だと言ったところ,その証拠を出せと言われたのだった.困ったがちょうど自分の論文を印刷したものを持っていたのでそれでO.K.だった.イギリスはこういう調子なので時間がかかる. アメリカはおそらく一番審査が厳しい国の一つで,いろいろなことをチェックされる.昔,友人で学生ビザを持っている人が学期の合間に短期入国しようとしたことがあった.大学に行くのではないの
昔の東大数学科大学院 (4/15/2021) UCLA での TA 経験 (4/15/2021) 河東という名前 (4/15/2021) ジャーナルエディターの経験 (4/15/2021) 初期のパソコンのプログラミング経験 (4/21/2021) 勤務先としての東大数理 (4/21/2021) IHES での滞在 (4/21/2021) UC Berkeley でのポスドク生活 (4/21/2021) 視力とパリでの入院 (4/25/2021) ルーマニアで犬にかまれた話 (4/25/2021) イラン訪問記 (4/25/2021) 東本願寺 (4/27/2021) 入国審査 (4/27/2021) モンゴルの羊 (4/27/2021) 中国の豪華コンファレンス (5/1/2021) パソコン印税生活 (5/4/2021) 母と数学 (5/4/2021) ローマのアパートと泥棒 (5/4
(This page is in Japanese only.) Summer School 数理物理 2021 (これまでの記録) 題目: 機械学習の数理 日時: 2021年8月27日(金)9:30〜29日(日)17:40*終了しました Zoom によるオンライン開催 参加申込者の皆さんに Zoom リンクと予稿集のリンクをお送りしました.着いていないという方は河東までお知らせください. (8月25日) 講師・講演題目 瀧雅人 (立教大学・人工知能科学) 深層学習:その仕組みと応用と謎 田中章詞 (理研・iTHEMS/AIP) 深層生成モデルの数理 持橋大地 (統計数理研究所) ノンパラメトリックベイズ統計と統計的自然言語処理 森村哲郎 (サイバーエージェント) 強化学習 時間割
この Summer School の趣旨は,これから研究を始めようとしている院生や, 数理物理の広い分野にわたる (専門外の)研究者を対象とする入門的な講義を 行うというものです. そのため,若手研究者や大学院生が主なターゲットですが,例年,学部学生や 一般社会人を含む幅広い範囲の参加者があります. 定員 申込み順で先着200名です. (これは会場の都合によるものですが,今まで定員を超えたことはありません.) 参加費 2,000円を当日に会場受付で集めます. 予稿集(当日配布)などの実費にあてます. また,前年までの予稿集の残部について,当日販売する予定です. 参加申し込み 8月20日までに,氏名,所属,身分,e-mail address または 連絡先の住所を明記 して,e-mail またはハガキで下記あてに申し込んでください. E-mail の方が こちらの整理上好都合です.E-mai
この Summer School の趣旨は,これから研究を始めようとしている院生や, 数理物理の広い分野にわたる (専門外の)研究者を対象とする入門的な講義を 行うというものです. そのため,若手研究者や大学院生が主なターゲットですが,例年,学部学生や 一般社会人を含む幅広い範囲の参加者があります. 定員 申込み順で先着200名です. (これは会場の都合によるものですが,今まで定員を超えたことはありません.) 参加費 2,000円を当日に会場受付で集めます. 予稿集(当日配布)などの実費にあてます. また,前年までの予稿集の残部について,当日販売する予定です. 参加申し込み 8月10日までに,氏名,所属,身分,e-mail address または 連絡先の住所を明記 して,e-mail またはハガキで下記あてに申し込んでください. E-mail の方が こちらの整理上好都合です.E-mai
河東泰之(かわひがしやすゆき) (Google Scholar Page) 東京大学大学院数理科学研究科・教授 (大学院数理科学研究科は理学部数学科の上部組織です.) 郵便宛先: 〒153-8914 東京都目黒区駒場3-8-1 東京大学大学院数理科学研究科 (Google map) 部屋: 数理科学研究棟323号室 電話: 03-5465-7078 (ダイヤルイン) 03-5465-7001 (事務室) FAX: 03-5465-7012 e-mail: yasuyuki@ms.u-tokyo.ac.jp Facebook account (Gmail, hotmail, yahoo は私からのメールをスパムと判定する危険がかなりあります.ご注意ください.) (東大数学科,数理科学研究科の学生,院生,教員はすべて駒場キャンパスにいます.本郷キャンパスには誰もいませんのでご注意ください.)
河東泰之の授業関係のファイル これまでに私の教えた授業のすべてです.古い TeX ファイルは AmS-TeX です. 授業評価アンケートの結果 (10/18/2023) 2024年度Sセメスター学術フロンティア講義 (教養学部1, 2年生) 数理科学の研究フロンティア:宇宙,物質,生命,情報・週1回90分 2023年度Sセメスター学術フロンティア講義 (教養学部1, 2年生) 数理科学の研究フロンティア:宇宙,物質,生命,情報・週1回90分 2022年度Sセメスター学術フロンティア講義 (教養学部1, 2年生) 数理科学の研究フロンティア:宇宙,物質,生命,情報・週1回90分 2021年度Aセメスター解析学XD・スペクトル理論 (数学科4年生,院生) スペクトル分解・週1回105分 2021年度Sセメスター学術フロンティア講義 (教養学部1, 2年生) 数理科学の研究フロンティア:宇宙,物
河東のホームページに戻る. アメリカ大学院(数学)への留学について [情報が古くなっていた部分について,加筆・修正しました. 本質的には変わっていません.(6/9/2012)] 私は履歴書のページにもあるとおり,昔アメリカ(UCLA)の大学院に留学して博士(Ph.D.)を取っていて,うちの卒業生もこれまでに何人もアメリカの大学院に正規の大学院生として留学しているので,けっこう留学の方法について聞かれることがあります. そこで一般的な情報についてここにまとめておくことにしました. 別にアメリカがすべてにわたって一番すぐれているとか,全員こぞってアメリカに行くべきだとかまでは思いませんが,一般的に言って日本の数学の学生でアメリカに留学する人はあまりに少な過ぎで,もっとたくさん行った方が本人のためにも日本の数学のためにもいいと思います. (中国人や韓国人の留学生はものすごくたくさんいるのに日本人
履 歴 書 氏名: 河東泰之(かわひがしやすゆき) (私は「かわとう」ではありません.) 昔の名前は浅野泰之 1962年5月生まれ(61歳) 1975年3月 私立麻布中学入学 記憶にある限りの昔から,漠然とは数学者になりたいと思っていた. 明示的に大学教員としての数学者になりたいと思ったのは中学1年の時だ. 生まれたのは東京都(大田区)だが,何度も引っ越し,千葉県(市原市),埼玉県(草加市),東京都(杉並区)を転々とする. 元同僚(現IPMU)の中島啓氏は中学からの同級生. このころは,数学の本はわかってもわからなくても手当たり次第に読んだ. 今に影響してるのは,Rudin "Functional Analysis", Arveson "An invitation to C*-Algebras", 斎藤正彦「超積と超準解析」,シュヴァルツ「位相と関数解析」など. 岩波「基礎数学」,ブル
セミナーの準備のしかたについて 河東のホームページに戻る. 去年の夏にこのページを書いて以来,いろいろな人が,このページにリンクを張ってくれたり,プリントアウトして学生に配ったりしてくれたりしているようです.ありがとうございます.それに伴い,中身についていくつか聞かれることもあるので,最後に補足を追加しました.(5/31/1997) セミナーの準備のしかたは個人ごとに自分にあったやり方でやればいいので,別に特定のやり方を押し付けるつもりはありませんが,一つの例としてやり方を説明します. まず,当然書いてあることを理解することが第一歩です.黙って「何々である」とか,"It is easy to see...", "We may assume that...", "It is enough to show..."などと書いてあるのはすべて,なぜなのか徹底的に考えなくてはいけません.「本に書いて
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