前のページ; 次のページ 第4.3節では、立体図形を変形させないで、力学でいう剛体の回転を扱う3×3行列の求め方を説明しました。この節は、4.3節の逆問題を扱います。つまり、3×3行列が与えられたとして、この回転軸の方向、回転角度および回転軸が通る位置を求めることです。この計算において扱うことができる行列は、行列の要素について、いくつかの条件を満足していなければなりません。最初にこの条件を吟味し、ついで、回転軸と回転角度を求める式を説明します。 4.5.1 回転を与える変換行列の条件 図形の変換を表す一般的な関係式は、すでに式(4.3) で説明したようにq=Tp+dの形です。回転を行わせる3×3の行列Tの要素を、下のように三つの縦ベクトルの要素で表すことにします。 行列Tが剛体回転をさせる変換行列である条件は、ベクトル(a,b,c)が、右手系の互いに直交する単位ベクトルでなければならないこ