■「感動」「涙」「号泣」のイベント「2分の1成人式」の季節がやってきた。 「2分の1成人式」という言葉を、初めて耳にした人も多いことだろう。10歳を迎える小学4年生のための学校行事として、2000年代に入ってから全国の小学校で拡がりを見せてきている。東京都では2006年度の時点で、すでに半数以上の小学校で式が開催されている(『日本経済新聞』2006年2月24日夕刊)。 この「2分の1成人式」、保護者にとても評判がよく、インターネット上では、保護者(さらには教師)が「感動」「涙」といった表現で、式の様子を綴っている。 しかし、はたして2分の1成人式に「感動」は必要なのだろうか。式を特徴づける「感動」のあり方について、考えてみたい。 ■式の構成例「2分の1成人式」の原点は、1970年代半ば頃にまでさかのぼる。 兵庫県西宮市の教師が、高学年への門出として始めたもので、将来に向けての決意を表明した