71回目のこの日を迎えるにあたり、2つの変化があった。 一つは記憶に新しいオバマ米大統領の広島訪問である。大統領と被爆者が抱擁しあう姿は、原爆を落とした国と落とされた国のわだかまりを少なからず解消した。 もう一つは、昨年8月の安倍晋三首相の「70年談話」に連なる外交で、その代表例はいわゆる慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意である。不正常な両国関係の改善に一定の効果をもたらした。 多難な国際情勢の中で日本が生き残る上で、さきの大戦の当事者や関係国との和解、関係強化が欠かせないことは言をまたない。 ≪胸張り御霊に語れるか≫ 2つの変化は、日米同盟や日米韓の枠組みを強固にする肯定的な意味を持とう。だがそのために日本の主張、日本が譲ってはならない立場が損なわれていないか。 わが国の歴史や国民の名誉をおとしめる余地がもし残っているとすれば、真の和解や問題の解決に結び付くものではない。 国に尊い命をさ