安倍晋三政権の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」が閣議決定された。国と地方の借金残高が国内総生産(GDP)の約2倍という危機的な財政状況の克服が主眼だ。 経済社会構造の変化に対応した財政構造の構築をうたい、「財政の質を歳出・歳入両面で徹底して高める」との姿勢を鮮明にしたことは評価できる。中でも社会保障支出を「聖域としない」と明記したことの意味は大きい。 日本にとって最大の「経済社会構造の変化」は、少子高齢化が進み、人口減少に突入したことである。10年後には総人口の3割が65歳以上という社会が到来する。社会保障費は毎年1兆円規模で膨らむ。行政改革や経済成長だけでカバーできる水準ではない。 ≪高齢者の理解求めたい≫ 高齢者も含め、全ての世代が支払い能力に応じて負担してもらう仕組みに改めなければ、社会保障制度は維持できなくなる。 これまで、政治は選挙での高齢者の反発を恐れ、社会