薬のネット販売を禁じた厚生労働省の規制が違法だとしてケンコーコムなどが起こしている行政訴訟で、規制を違法とした東京高裁の判決に対して、きょう国は上告を決めた。この問題は、日本の官僚機構が法の支配を無視して裁量行政を行なう典型的なケースだ。 東京高裁の判決で注目されるのは、「新薬事法36条が、店舗販売業者が行う第一類・第二類医薬品の郵便等販売を一律に禁止することまでを委任したものと認めることはできないので、法律の委任によらないで国民の権利を制限する省令の規定は国家行政組織法12条3項に違反する」として、法律で決まっていない規制を官僚が恣意的に行なうことを禁じた点だ。 厚労省が上告したのは、このような省令による裁量行政が霞ヶ関では当たり前だからである。国家公務員法の改正でも、法律では天下りを禁止したのに、政令でその抜け穴をつくるという「裏技」を使った。周波数オークションでも、電波法を改正してオ
日本発の画期的な医薬品作りを目指す内閣官房医療イノベーション推進室長の中村祐輔・東京大学医科学研究所教授(59)が、室長を辞任して来年4月から米シカゴ大学に移籍することが12日わかった。 中村教授は今後、米国を拠点に、がん新薬などの実用化を目指すという。国の旗振り役が国内での研究開発に見切りをつけた格好で、波紋を呼びそうだ。 同推進室は今年1月、仙谷由人官房長官(当時)の肝いりで、ノーベル化学賞受賞者の田中耕一さん(52)らを室長代行に迎えて発足。省庁の壁を取り払い、国家戦略として医療産業の国際競争力を強化するための司令塔となることを目指した。 ところが、発足直後に仙谷長官は退任し、10月の第3回医療イノベーション会議には、それまで出席していた経済産業省や内閣府の政務三役も欠席。今年度の補正予算や来年度の予算案策定でも、各省庁が個別に予算要求を出すだけで、「日本全体の青写真を描けなかった」
10月26日、医薬品・健康食品大手「ケンコーコム」が、シンガポールに子会社をつくった。このウェブサイトは、日本語で書かれていることでもわかるように、海外向けに薬を売るサイトではなく日本人向けだ。それをわざわざシンガポールにつくったのは、6月に施行された改正薬事法で、胃腸薬「ガスター10」、発毛剤「リアップ」などが、通信販売が禁止の「第1類医薬品」に分類されたためだ。 シンガポールの子会社は日本の薬事法の規制を受けないので、第1類の薬を売っても違法にはならない。消費者が買うのは個人輸入という扱いになるので、薬事法では規制できない。もちろん運賃はかかるが、消費税がかからないので、8000円以上買えば送料(650円)は無料になる。 ケンコーコムは、もともと海外展開する計画もあったというが、最大の要因が薬事法の規制にあることは明らかだ。同社は薬事法改正が憲法違反だとする訴訟を起こしており、このよう
ドイツの製薬会社べーリンガーインゲルハイムが開発している女性の性欲高進剤が、16日にフランスのリヨンで開かれる性障害関連会議の焦点になっている。 血流を促すなど体に物理的に働きかける米ファイザーの性機能障害治療薬「バイアグラ」とは異なり、ベーリンガーの錠剤は脳に働きかけ、精神面の禁忌を取り除こうとする。 この性欲高進剤は10年前のバイアグラ発売と同等の革命をもたらす可能性がある。 ◆20億ドル超す大市場 コンコルディア大学(カナダ・モントリオール)の神経科医、ジム・ファウス氏はベーリンガーの新薬「フリバンセリン」について、「性欲の減退が脳の働きの障害である可能性があり、パートナーの責任とはかぎらないという考えが、やっと受け入れられる第一歩になるかもしれない」と話した。 米製薬会社バイオサンテ・ファーマシューティカルズのサイムズ最高経営責任者(CEO)は昨年、性的障害を訴える女性が
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