「『真犯人』から、またメールが届きました」 産経新聞の警視庁捜査1課担当記者は今年1月1日午前0時過ぎ、上司にそう報告した。「真犯人」とは、4人もの誤認逮捕を誘った遠隔操作ウイルス事件の犯人のこと。警視庁と大阪府警、神奈川、三重両県警の合同捜査本部がその真犯人と断定し、威力業務妨害容疑で逮捕したのが、東京都江東区のIT関連会社社員、片山祐輔容疑者(30)だ。 「あけましておめでとうございます」で始まるこの「新春メール」は、「新しいゲームのご案内ですよ」などとつづられ、警察を小ばかにした内容だった。 昨年10月、報道関係者らに犯行声明メールを送りつけ、4都府県警がインターネット掲示板に襲撃予告を書き込むなどしたとして逮捕した4人が“無実”であることを明らかにした真犯人は、11月13日に「自殺します」とするメールを再び報道関係者らに送りつけた後、2カ月近くにわたって沈黙を守っていた。その沈黙を