東大秋入学構想 問題提起は時期尚早だったか(7月18日付・読売社説) 東京大学が、海外で主流となっている秋入学への移行を当面、見送ることになった。 当初の構想から大幅に後退した。ただ、秋入学実現に向けた議論は、今後も続けるべきだろう。 従来の春入学・春卒業を前提にした国家試験などの日程が変わる見通しが立たない。春に合格してから秋に入学するまでの期間(ギャップターム)の活用法や、保護者の負担などについても、議論が深まらなかった。 東大の浜田純一学長は「社会の環境が整わない中で、入学時期だけを変えるのは無謀だと考えた」と、見送りの理由を語った。 他大学に同調する動きが広がらなかった。東大内部にさえ時期尚早との慎重論が少なくない。こうしたことも影響したようだ。 東大が秋入学構想を打ち出した背景には、現状のままでは、厳しさを増す国際的な大学間競争に取り残されてしまうという強い危機感があった。 東大