内閣府の食品安全委員会の専門家ワーキンググループが1月、「体細胞クローン技術によって作られた牛や豚を食品として利用しても安全」との報告書をまとめた。これにより、近い将来、体細胞クローン食品が店頭に並ぶ可能性がでてきた。さて、実際に市場流通したとき、あなたは食べる? それとも食べない?(平沢裕子) クローン技術には、受精卵と体細胞の2種類がある。安全性が議論されていたのは体細胞クローン技術で、動物の皮膚や筋肉などの体細胞を利用し、元の動物と遺伝学的に同一な個体を新たに作る技術だ。 体細胞クローンで生まれた動物としては、1996年7月に英国で誕生した羊のドリーが有名。体細胞クローン牛は、近畿大と石川県が平成10年7月に世界で初めて誕生させた。日本で昨年12月までに557頭が出生しており、82頭が研究機関などで育てられている。 農林水産省はこれまで、体細胞クローン牛について、死産率の高さなどから