テレビや新聞が一年に一度、8月に「戦争」を振り返るのは悪いことではない。しかし、日本が日中戦争から太平洋戦争へと無謀な戦争に突入していった帰結が、「ヒロシマ」「ナガサキ」の被爆であり、8月15日の敗戦なのだ。「このバスに乗り遅れるな」というスローガンが力を持ったように、「この御時世で戦争に協力しないとは」とにらまれて「非国民」のレッテルを貼られたら、下手をすると特高警察に引っ張られる時代だ。 昨日はNHKで『15歳の志願兵』というドラマをやっていた。舞台は昭和18年の愛知一中だった。予科練に志願する生徒はいないかと軍部が照会をかけて、卒業生の軍人が熱烈なアジテーションをしたこともあって、一時は生徒全員が志願するという動きになる。ひとりだけ自分は行かないという訳にはいかないのが、「集団の勢い」というもの。そして、15歳の同級生同士で生き残った者と、戦死した者とに運命は分かれる。 ドラマは戦死