玄葉外相は28日、東京都内の外務省飯倉公館でロシアのラブロフ外相と会談し、懸案の北方領土問題について、「静かな環境」で議論を継続することで一致した。 ただ、領有権を巡る双方の主張は平行線をたどり、実質協議は、今年5月のロシア新政権発足後に持ち越しとなった。安全保障分野では、次官級の安保協議を今春に開催し、防衛当局間の交流を拡大することで合意した。 約4時間半の会談では、北方4島での共同経済活動も議論されたが、進展はなかった。ラブロフ氏は会談後の共同記者会見で、北方領土を巡る実質協議に関し、3月にロシア大統領選があることを踏まえて、「新しい大統領が誕生してから議論に戻りたい」と述べた。 両外相は会談で、ロシア極東地域でのエネルギー共同開発で協力することで一致した。両外相は、日本企業関係者らがロシアに入国する際に必要な査証(ビザ)の取得手続きを簡素化する協定に署名した。