スパコンの世界ランキングで「京」が3連覇を逃したことは、開発競争の熾烈(しれつ)さを改めて浮き彫りにした。関係者は次世代機で巻き返しを目指すが、厳しい財政状況の中で膨大な開発費への風当たりが強まるのは必至。南海トラフで起きる巨大地震の津波予測や画期的な抗がん剤、電子デバイスの開発など、まずは京の利用で着実に成果を挙げていくことが求められる。 「さまざまな研究分野で成果を出すことが大切で、真価の発揮はこれから」。理化学研究所の平尾公彦計算科学研究機構長は13日、こう意気込みを語っていたが、完成目前に首位陥落という皮肉な結果になった。 首位に立った米国のセコイアは毎秒2京回の計算速度を目指しており、京の陥落は時間の問題だった。近年の順位でも米国の「ジャガー」が2連覇した後、中国の「天河1A」が1期で陥落。日米中を軸に目まぐるしいトップ争いが続く。 筑波大計算科学研究センターの似鳥(にたどり)啓