東京都渋谷区で「男女平等と多様性を尊重する社会」の推進をうたった条例が制定された。同性カップルを結婚に相当する関係と認めて証明書を発行する制度が盛り込まれている。 同性愛など性的少数者への偏見や差別をなくす取り組みは重要だ。 しかし区が「婚姻とは全く別の制度」と説明するように、法律では同性の婚姻は認めていない。憲法は「婚姻は両性の合意」(第24条)と定めている。 少数者の権利擁護と、家族のあり方に関わる制度について混同せずに議論したい。社会の根幹である法律による婚姻制度は国会を含めた幅広い議論が欠かせない。 渋谷区の条例で注目された規定は、区内在住の20歳以上の同性カップルが互いに後見人になる公正証書を作成していることなどを条件に、「パートナーシップ証明書」を発行し、家族と同等に扱うよう区内事業者に協力を求めたものだ。