第62回 知、情、意がそろってインテリジェンスになる 東京財団前会長 日下 公人氏 2007年7月12日 わたしは人と違うことを思いつくらしい。その結論だけを短く雑誌などに書いているが、なぜこうなるのか分からないという読者がいる。読者は「話は分かった。でも本当にこんなことを考えてもいいんですか」と言う。 例えば先日、中国の温家宝首相が来日した。それについて、新聞などの解説は底が浅い。そのうえ、日本次第で中国が変わる時代がきているのを見落としている。そこでわたしは普通のことは書かずに、「中国に対して日本はこうせよ」と書く。 すると読者は「中国のことをそんなに悪く考えていいんですか」と言う。わたしは「悪いと思うのは日本人の考えで、中国人はむしろ褒められたと思っていますよ」と答える。中国と日本はそのくらい考え方が違う。 日本人の考え方では悪口になるが、中国人にとってはそれが当たり前の場合