昨年10月、カンボジアのトゥール・スレン(S21)とキリングフィールドを訪ねた。どちらもポル・ポト政権が行った自国民の虐殺を記録する公立の施設であり、外国から訪れた多くの観光客が、凄惨な歴史の展示を茫然と見つめていた。 Photo by Damien @ Flickr (CC BY 2.0) Photo by Julia Rubinic (CC BY 2.0) こうした負の遺産は世界中にある。例えばホロコースト。その残虐さと悲惨さを記憶して展示する施設はポーランドのアウシュビッツだけではなく、ドイツ国内にも無数に設立されていて、やはり世界中から多くの人が訪れる。 Photo by Jean-Pierre Dalbéra (CC BY 2.0) ならばナチスの過ちを目にした世界中の人々は、ドイツ国民は何と冷血で残虐なのかと思うだろうか。S21やキリングフィールドを訪ねた人たちは、カンボジアは
![「絶望しない国」で生きる、ということ(森達也)|ポリタス 戦後70年――私からあなたへ、これからの日本へ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/5dda1ab569d9d630346c372a5272b425c68afb61/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fpolitas.jp%2Fassets%2Fimages%2Farticle%2F2015%2F0815%2Fmori_tatsuya-thumbnail.jpg)