イギリスのハンバーガーチェーンで牛肉に馬肉が混入されていたという報道があった。次いでイギリスとアイルランドのスーパーマーケットで販売されていた冷凍食品にも牛肉だけのはずが、半分以上が馬の肉だったことが発覚して問題になっている。 イギリスでは馬の肉を食べる習慣がないが、問題は馬の肉を食べることではなく、馬を牛と偽って提供していたことだ。消費者には選択の自由があり、そのためにも内容の明示を要求することは当然の権利である。 食品偽装では、原材料だけでなく産地を偽ることが日本でもよく起きるが、発覚すれば業務停止、悪質であれば詐欺罪が科せられ、企業の存続も危うくな。このような事件が明らかになるたびに企業は慎重になり、利益のためとはいえ危険を冒してまで消費者を欺こうとは思わないだろう。 この事件で、先日読んだベン・ゴールドエイカー著「Bad Pharma」という本を思い出した。医師でサイエンスライター