人民元が世界の主要通貨に位置づけられたことについて、中国外務省の耿爽報道官は、今週開かれた定例の記者会見の中で、「途上国の通貨では初めて主要通貨に位置づけられたもので、国際的な金融システムにとって重要な節目だ。国際社会が中国の改革開放を十分に認めたことを表している」と述べて、歓迎する姿勢を示していました。 人民元は長年、ほぼ中国国内でしか流通しない、いわば地域通貨でしたが、2008年のリーマンショックをきっかけに中国政府は人民元の国際化に大きく舵をきりました。金融危機を招いたアメリカが景気を刺激するために大規模な金融緩和策を導入したことで、世界にドル安への懸念が広がり、中国が大量に保有していたドル建ての資産の価値が大幅に目減りするリスクに直面したためです。 このリスクの高まりに、中国の中央銀行、中国人民銀行の周小川総裁は、翌年の2009年、みずから論文を発表し、「基軸通貨を発行する国の金融