日本平和学会 2011 年秋季研究集会 自由論題部会「アフリカ大湖地域の移行期正義」 報告レジュメ ルワンダ大虐殺後の移行期正義 ―地域共同体裁判「ガチャチャ」は和解の促進に貢献したのか?― Protestant Institute of Arts and Social Sciences 佐々木 和之 キーワード: ガチャチャ、ルワンダ、ジェノサイド、移行期正義、修復的正義(司法)、和解 1. はじめに ルワンダのジェノサイドは、1994 年 4 月、前大統領搭乗機撃墜事件後の混乱の中、国家権力を掌握した多数派 フツの急進派勢力が、主として少数派ツチと反政府勢力のフツを標的に遂行した大量殺戮である。膨大な数のフツ の一般大衆が動員されたことにより、3 カ月余りに当時の人口約 800 万人のうち少なくとも 50 万人が殺害された。 1994 年 7 月、ツチの難民第 2 世代を中核とするル