長崎は9日、米軍による原爆投下から80年の節目を迎えた。長崎市の平和公園で営まれた平和祈念式典で、石破茂首相が読み上げたあいさつの全文は次の通り。 本日ここに、被爆80年目の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に当たり、内閣総理大臣として、犠牲となられた方々の御霊(みたま)に対し、謹んで哀悼の誠を捧(ささ)げますとともに、今なお後遺症に苦しんでおられる方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 今から80年前の今日、この街は、一発の原子爆弾により、一瞬にして一木一草もない焦土と化しました。広島に投下されたものを上回る威力のプルトニウム型爆弾によって、7万人ともいわれる人々の命と未来が一瞬にして奪われ、その多くは一般市民の方々でした。惨状の中でなんとか一命をとりとめた方々も、長く健康被害に苦しまれてきました。 80年を経た現在、核軍縮を巡る国際社会の分断が深まり、極めて厳しい安全保障環境に直面してい