ドイツは半世紀にわたり約1500億円を投じてリニアを開発してきた。日本より先に有人走行できるリニア車両を完成させたが、国内では商業路線を1本も実現できず、技術を渡した中国が時速600キロ級の開発で先を行く。最新鋭だった最後の車両は、いまもソーセージ工場の会議室として使われている。先駆者はなぜ、追う側に回ったのか。海外メディアの報道からたどる――。 磁気浮上式鉄道「トランスラピッド」の先行量産型車両「TR09」。現在はソーセージ会社「ザ・ファミリー・ブッチャーズ」の会議室として使用されている。(写真=Állatka/PD-self/Wikimedia Commons) ソーセージ工場の会議室になったリニア車両 2017年9月、嵐の夜。ドイツ北西部の道路を、3台の重量物運搬用トラックが連なって進んでいく。荷台に横たわるのは、全長75メートルの流線型の車体。ドイツが世界に先駆けて開発した磁気浮上