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アメリカ大統領選
news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki
テレビの「問題」を発信してBPOが動く 映画監督の是枝裕和さんが以前、BPO(放送倫理・番組向上機構)の委員をしていた頃に教えてもらったことがある。 「BPOの委員会では水島さんが『Yahoo!ニュース個人』に書いた記事のコピーが毎回のように配られるんですよ。かなりインパクトがありますよ」 テレビの取材者・制作者の「原則」や「倫理」をめぐって私が書いた記事は数多い。NHK「クローズアップ現代」の“出家詐欺”での「やらせ」疑惑。日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」での「やらせ」疑惑。東京メトロポリタンテレビの「ニュース女子」をめぐる「虚偽報道」の疑惑など、その後にBPOで審理または審議されることになるような事案についてかなり早い段階から問題提起してきた。 「テラスハウス」の出演者だった木村花さんの死につながった番組もそうだった。テレビ局が制作する番組が今や地上波での放送だけでなく、ネットで
メディアなのか? プラットフォームなのか? 「個人」で発信する“こわさ”。 それは記事を書く時にいつもつきまとうものだった。 「Yahoo!ニュース個人」の場合、発信する「場」が提供されているものの、発信の責任は最終的に自分自身に返ってくるという“こわさ”があった。 そこが従来のメディアとは決定的に違う点だった。 従来のメディアであれば「編集部」が原稿などの記事内容を「事前」にチェックする。たとえば新聞やテレビ、雑誌では「編集者」「デスク」「プロデューサー」などという役割の人間が事前に原稿に目を通してチェックして最終的にOKを出したものだけが世の中に出る。 何か問題があった場合の「責任」も編集部が引き受けてくれる。 そうした行為がそれぞれの媒体における「編集」という役割だが、それが「Yahoo!ニュース個人」には事実上は存在しなかった。責任を組織ではなく、書き手が一人で引き受ける。 毎回、
2013 年7月から書き手を務めてきた「Yahoo!ニュース個人」のオーサーから外れることになった。 「Yahoo!ニュース」編集部による決定事項だとしてメールで連絡を受けた。契約の終了に伴って6月下旬に発信はすべて終了する。オーサーから外れるということは個人的なことではあるものの、少々大げさに表現すれば日本のネットニュースの発展にかかわり、「ジャーナリズムの歴史」とも密接に関係があると考えるので、丸8年間におよんだ「Yahoo!ニュース個人」での発信の経験について書き残しておきたい。 画期的だった「個人発」のジャーナリズム テレビという「マスメディア」の世界で長いこと報道の現場で働いてきた私が、ネットニュースという新しいメディアで、しかも「個人」という立場で発信する機会を得られたことは新鮮な体験の連続だった。 メディアをめぐる環境はこの間に大きく変化し、大半の日本人はまずネットニュースに
亡くなった大林三佐子さんに見覚えが… 「あの人」はあの時に列に並んでいた女性ではないのか−。 ニュースで彼女について報道されるたびに食料配布の例に並んでいた彼女の姿が鮮烈に思い出される。 その人の名は大林三佐子さん。 昨年11月16日の未明、東京・渋谷区の幹線道路沿いのバス停で頭を殴打された状態で女性が死亡していた。大林三佐子さん、享年64。そのバス停は深夜から未明にかけて彼女が身を休めていた場所でホームレスだったことから「渋谷区路上生活女性 死亡事件」として大きく報道されて警察が捜査。事件前後に防犯カメラ映像に写っていた近くに住む男が逮捕された。男は「邪魔だった」「痛い思いをさせればいなくなると思った」と供述しているという。 事件から半年が経つ。大林さんの人生をたどった報道も目につくようになった。 テレビや新聞で数多くの報道があったが、その中で彼女自身の人生にもっとも力を入れて迫ったのが
コロナ禍で飛躍的に増えた「貧困」「困窮」「生活苦」についてのテレビ放送 図1を見てほしい。 地上波テレビの放送内容を調査会社エム・データがテキスト化した「TVメタデータ」で抽出した「貧困」「困窮」「生活苦」についての放送時間で、一番上の行が昨年、2020年の総放送時間をグラフ化したものだ。 51時間26分52秒。大半を占めるのがニュース番組や情報番組、ドキュメンタリーなどだ。 これらの言葉での放送時間が多かったのは最近では2009年で21時間41分24秒。 前年秋のリーマンショックの影響で製造業を中心に日本国内でも大きな打撃を受けて、その余波がまだ社会全体を覆っていた時期だ。その頃に放送時間が一番多かった年と比べても昨年は2倍以上テレビがこの言葉をキーワードして放送していたことがわかる。 コロナ禍による「貧困」「困窮」「生活苦」。それは現在も続いている社会問題だ。2021年もテレビの放送は
「差別表現」になぜ気がつかなかった? 3月12日(金)、日本テレビの午前中の情報番組「スッキリ」の生放送中に“問題”が起きた。動画配信サービス「Hulu」の週末お薦め番組を紹介するコーナーで「アイヌ民族の女性を主人公にしたドキュメンタリー」について告知した時のことだった。ドキュメンタリーは30代のアイヌ女性・萱野りえさんがアイヌであることに抱く葛藤に焦点を当てた作品だった。お笑い芸人の男性が内容について「謎かけ」として軽いタッチで説明した際、アイヌ民族に対する「差別表現」が飛び出した。 日本の先住民族アイヌの若い世代の「現在」を追うドキュメンタリーの紹介で、よりによって「言ってはいけない差別表現」を出してしまったのだ。 かなり高齢のアイヌの人たちが「和人から差別された歴史」を語る時によく口にしてきた民族を動物にたとえる「露骨な差別の言葉」だった。 筆者は思わず耳を疑った。 「こんな言葉を放
“無理筋”の政策を法律違反と断じた画期的な判決「パソコンやテレビ、ビデオレコーダーの値段が下がっている。だから、生活保護費も下げる」。 簡単に言えば、そうした口実で厚生労働省は「最後のセーフティーネット」とされる生活保護の基準額を2013年から15年にかけて次々に引き下げた。 口実とされた「物価」の算定は、パソコンやテレビ、ビデオレコーダーなど、生活保護を受けている人たちにとって影響が少ない物品の値段が使われる独特な計算方法。生活保護費を引き下げるためにわざわざこれらを選んだとしか思えないような恣意的ともいえる物品の選択。さらに極端に物価水準が上がった特異な年を起点として物価下落を算定し、消費者物価指数を大きく下回る下落があったとして数字を算出。結果として生活保護費のうち、光熱費や食費など生きていくために必要な費目を支える「生活扶助費」は最大で10%も引き下げられた。戦後最大とされる大幅な
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「歴代最長 安倍首相 連続在任期間」「第2次安倍政権発足 2,799日」 安倍首相の連続在任期間が歴代の首相で最長になった8月24日(月)。 これまで安倍首相や安倍政権にとって「ネガティブな情報」をほとんど報道してこなかったNHKのニュース番組「ニュースウォッチ9」に”異変”が生じた。 この日は安倍首相にとっては歴代最長となる歴史的な節目となるニュースだった。 第2次安倍政権でこうした重要な節目の折にスタジオなどで解説する記者は「政治部の岩田明子記者」と相場が決まっていた。 彼女は安倍首相の解散総選挙などの記者会見や日米首脳会談、G7サミット、中東歴訪など首相をめぐる大きなニュースの時には必ずと言っていいほど画面に登場して「安倍首相は…」と首相を主語にするような解説の仕方をする記者だ。記者として大局的な見地での政治情勢を分析して解説するよりも安倍首相べったりの解説で「記者というよりも首相を
「ごはん論法」 特に安倍政権下で首相ら与党政治家や高級官僚たちが使うようになったテクニックのことを指す。 追及されている問題をわざと「狭く解釈して」論点をズラそうとする。 そんなやり方だ。 フジテレビは自社が制作して放送した「テラスハウス」で出演者だった木村花さんが自死に追い込まれた事件について社内での調査結果を7月31日にホームページ上で発表した。 「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」検証報告 フジテレビの「検証結果」は16ページに及んでいて一見細かく検証したように見えるものの、よくよく読んでみると検証方法の「甘さ」や調査した主体が中立公平な立場での「第三者」と言えないなど「ずさんさ」が目につき様々な問題がある。 その中で最大の問題は「ごはん論法」だ。 「テラスハウス」での木村花さんの自死の事件をめぐって、フジテレビ追及の急先鋒になってきた週刊文春の記事は論点が
●“すごい番組”をうっかり見落としてしまうところだった! NHK Eテレ『バリバラ』の「Black Lives Matter、そして日本は」 7月23日(木)に放送されて、26日(日)に再放送された。 筆者はNHK大阪放送局が制作してEテレで放送されている「バリバラ」が大好きだ。 「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティー」にとって、“バリア”をなくすというのがコンセプトの「バリアフリーバラエティー」番組だ。様々な障害を抱える人、性的マイノリティー、日本で暮らす外国人、性暴力の被害者、少数民族、引きこもり、被差別部落で生きる人など、様々な「生きづらさ」を抱える人たちに笑いを交えながら本音を語ってもらう。この社会にある“バリア”をなくし、もっと呼吸がしやすい社会に変えていこうという姿勢が伝わってくる。 筆者は毎回録画するのだが、数日前に録画していた番組を見ていて、ぶったまげてしまった。 ●何
コロナ禍での「窮屈な生活」を描いたドラマ! 結論から言うと、NHK総合で7月23日(木)夜に放送された、ドラマ&ドキュメント「不要不急の銀河」はコロナ禍でモヤモヤしている日本人の心を久しぶりにスカッと晴らしてくれる痛快な番組だった。 芥川賞作家・又吉直樹のオリジナル脚本。 冒頭から又吉本人が劇中人物として登場して小説原稿の形で「スナック銀河のこと」という文章を朗読している。 この文章からドラマの舞台になっているスナック「銀河」とそこに関係する主な登場人物がどんな人なのか分かる仕掛けだ。 高校を卒業した千代(片桐はいり)は会社に就職したが、長続きせず、1968年に24歳でスナック「銀河」を開業。客の八郎(小林勝也)と恋仲になって結婚する。八郎もスナックを手伝っていたが、ここ数年は体調を悪くして店には出ていない。 息子の満(リリー・フランキー)はそんな両親を見ながら成長した。スナック「銀河」の
シリア難民たちが生活苦の果てに自分の「臓器」を売っている! 中東のレバノンに内戦が続く隣国シリアから逃れた難民たちが臓器売買で急場をしのいでいるという。 腹部に大きな切り痕が残る年配の女性が証言する。 シリア難民の間で「角膜」や「腎臓」の売買が行われているというショッキングな事実が示される。 さらにショッキングなのは…。 難民の子どもが「臓器目的」でさらわれて殺されている! 難民の臓器を狙って子どもの誘拐事件まで起きている現実がある。子どもがさらわれてゴミ捨て場で遺体が見つかった時には腹部をえぐられた痕があったという。 子どもを抱える母親が満足な仕事がなく、売春で生活費を稼ぎ、父親が分からない子どもを妊娠して流産している実態も示される。 極限状況の中で9人家族の大黒柱だった父親が追いつめられて焼身自殺するという悲劇も起きた。 そんなシリア難民たちの今を描いたドキュメンタリーが放送された。
三浦春馬さんのニュースをめぐってテレビ各社の報道姿勢をWHO(世界保健機関)の「自殺報道ガイドライン」に照らして見た時、「ルール違反」と言えるようなテレビ報道が相次いでいることを三浦さんの死の速報が入った7月18日(土)と翌19日(日)の放送をチェックして公表したところ、かなり大きな反響があった。 「テレビ離れ」が言われる中でも、テレビへの信頼や期待が一定程度以上はあるからだと感じる。 20日(月)にはWHOの「自殺報道ガイドライン」を遵守する形で「相談窓口」の情報を加えて意識的に報道するようになった、冒頭の写真のようなテレビ朝日や日本テレビのような局がある一方で、変化が見られず「反省していない」ように見えるTBSやフジテレビの一部の番組が目についた。 筆者が19日に問題提起したのは以下の記事だった。 テレビ報道はルール違反だらけ!三浦春馬さんの「自殺」のニュース 冒頭に掲げたTBSテレビ
テレビ報道はルール違反だらけ!三浦春馬さんの「自殺」のニュース 冒頭に掲げたTBSテレビのニュースは18日に同局が初めて三浦春馬さんの死去について伝えたものだったが、「自殺報道」をめぐる見出し(ヘッドライン)の表現として極めて問題が大きい。「自殺か 三浦春馬さん(30)自宅で首つり死亡」という見出しの字幕がアナウンサーの前に登場する。 7月18日(土)夕方のTBSニュース(筆者が画面を撮影) 三浦春馬さんの自殺そのものを伝えるにあたって「どういう方法で死亡したのか」が見出しでも強調して示している。さらにニュースでは、VTRでも三浦春馬さんが自宅マンション内の部屋のどの場所で、どういう姿で発見されたのかを「字幕」と「原稿」で伝えていた。自殺の方法が目に浮かぶぐらい詳細に伝えているのだ。 これでは「詳しく伝えすぎ」だ! 通常はテレビ報道に限らず、新聞でもテレビでも報道の取材現場は、「できるだけ
この写真だけでも圧倒的なスクープと言えるのではないか? 太平洋のど真ん中にあるクリスマス島でイギリス軍が行った水素爆弾の実験の際の写真だ。 カラー写真で空の青さが目に映える。キノコ雲がピンク色に染まっている。 島の反対側の兵舎の外でキノコ雲を眺めるイギリス人の兵士の中には上半身が裸の者もいた。大半は17歳から19歳の徴兵された若者たちだ。 同じ海域にはこのキノコ雲を眺めていた日本人の若者たちもいた。遠洋漁船に乗ってマグロ漁をしていた20歳前後の若者たちだった。 ここにいた若者たちの身体にはその後、次々に異変が起きていく。 日本とイギリスで今も生存する数少ない人たちを訪ねていき、証言を集めたのが今回紹介したい番組だ。 2020年5月24日(日)の深夜に放送された「NNNドキュメント‘20」『クリスマスソング 放射線を浴びたX年後』。 今まで見たことがなかった映像や写真などが満載のすごいドキュ
時にはゲスっぽい野次馬的な好奇心で物事の本音を探るバラエティー番組。 そんなバラエティー番組が思わぬ「報道的な価値」を発揮する時がある。 時には政治ネタでかつて議員だったというだけで笑いの取れる杉村太蔵氏や宮崎健介氏らをいじりながら話を聞く。 そんな中で時にはほんのちょっとだけ真面目に政治や自分たちメディアの役割を考えさせてくれる。 そんなバラエティー番組らしいスタンスで、様々な芸能ニュースも政治ニュースも「笑い」を交えて伝えている生放送のバラエティー番組がTBS『サンデー・ジャポン』だ。 この番組にはそうした「報道的な価値」を発揮する瞬間があって見過ごせない。 5月24日(日)も下世話で野次馬的な好奇心を発揮して、見事にやってくれた。 報道番組として視聴しても「興味深い視点」が示されていたのだ。 検事長が行った賭け麻雀の「レート」が低いのかどうか 番組ホームページには以下の言葉が踊ってい
トランプ大統領の新型コロナでの中国批判。いつもの自国ファースト? 米国のトランプ大統領が新型コロナをめぐって中国や「中国寄り」だとしてWHOへの批判を強めている。 トランプ米大統領は18日、オンライン会議形式で年次総会を開催している世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長に宛てた書簡をツイッターで公開した。新型コロナウイルスの感染拡大の対応で「WHOは驚くほど中国からの独立性を欠いている」と、中国寄りの姿勢を批判。30日以内に実質的な改善が見られなければ、停止中のWHOへの資金拠出を恒久的にやめ、脱退も検討するとした。トランプ氏は「現在のWHOの状況は米国の利益にならないのは明らかだ」としている。 トランプ米政権は4月、WHOの姿勢が「極めて中国寄りだ」と批判し、WHOの対応を検証する間、資金拠出を停止すると発表していた。情報開示に消極的な中国の言い分をWHOがうのみにしているとの主張で、
新型コロナ肺炎の患者による「食レポ」や高熱で手の震えが止まらない様子のレポート。 テレビのプロが記録したリアルな映像が続いた。 5月15日(金)、新型コロナ関連のニュースが一通り終わって、検察官の定年延長問題、さらに天気予報やスポーツのニュースが終わった後だった。 テレビ朝日『報道ステーション』が14分間にわたって富川悠太キャスターを含め番組関係者ら5人の新型コロナウイルス感染について初めて詳細に伝えた。 富川悠太キャスターと近い距離で打ち合わせをしたプロデューサー(40代)、総合演出(40代)。 さらに打ち合わせに参加したスタジオ解説担当のディレクター(30代)、ディレクター(20代)が感染したが、「スタッフ間の距離を保てていたか」など反省すべき点もあったと釈明しながら報道した。 特に40代の「総合演出」を担当する男性は一時は重症化した状態になるなどの一部始終を自撮りして記録していた。
5月12日(火)、テレビ朝日『グッド!モーニング』は検察官の定年延長問題についてのニュースの後、7時31分過ぎからメインキャスターを務める坪井直樹アナウンサーが「ここで番組からご報告があります」として、以下の放送を行った。 先週、5月7日(木)の放送で取材を受けた澁谷泰介医師が「恣意的な編集」で「真逆の報道」だったとしてSNSで「残念な気持ち」を明かしたことで番組に批判が集まっていた。 筆者もこれは放送にとって大きな問題だと考えてヤフーニュースに記事を書いた。 Yahooニュース(個人)「恣意的な編集」で"真逆の報道”と批判のテレ朝番組 BPOは動くのか?(謝罪コメ追記あり) テレビ朝日がこの日(12日)、「訂正放送」を行うことを表明していたので、筆者は以下の点に注目した。 (1)医師が「言いたかったこと」を言わせて再放送するだけでなく、「恣意的な編集」と批判された点がなぜ起きたのか、プロ
テレビ朝日の報道番組で「恣意的な編集」!? テレビ報道の信頼性を傷つける出来事がまた起こってしまったことはかつて現場にいた人間としてとても残念に思う。 テレビ朝日の『グッド!モーニング』にリモートインタビューで出演した医師(澁谷泰介氏)が自分が話した内容と違う形でインタビューを切り取られて使われてしまったとしてFacebookに投稿したことがネット上で大きな話題になっている。 テレ朝「グッド!モーニング」に出演の医師「真逆の意見として見えるように放送」と落胆(5月8日・ヤフーニュース) さらに「カットだけならまだいいのですが、僕がヨーロッパ帰りということで、欧州でのPCR検査は日本よりかなり多い(日本はかなり遅れている)といった論調のなかで僕のインタビュー映像が使用されて次のコメンテーターの方の映像に変わっていき、だからPCR検査を大至急増やすべきだ!というメッセージの一部として僕の映像が
■“革新性”や“斬新さ”が目立つロックな番組 『バリバラ』の「バリバラ桜を見る会」(「第一部」は4月23日、「第二部」は4月30日に放送)は一言で表現するならば「ぶっとんだ」番組だった。音楽で言うなら「ロック」。かつてのローリングストーンズやビートルズのような反権力、反権威、反主流派という「におい」が強烈に漂う番組だった。 反骨精神を貫くことを今の若者たちも「ロックだね」などと表現するが、そういう意味では「ロックな番組」だった。 ときおり「安倍総理」や「麻生副総理」を彷彿とさせる寸劇や漫才が仕込まれていた。だが、単に権力者の言動を貶めて「笑い」を追求するのではなく、権力者の振る舞いが障害を持った人たちや性暴力の被害者、ヘイトデモなどにさらされる人などの立場から見たとき、この国ばかりか世界中で大切にされるべき「多様性」や「バリアフリー」の現状の進み具合はどう評価されるのか。あくまで「バリアフ
「緊急事態宣言」が5月6日に解除されるのか延長されるのかどうか全国民が注目している。 現在、政府内では5月末まで延長する案が有力だと各メディアが伝えている。 筆者はその際に参考にすべきは北海道のケースだと考える。 その理由は以下の通りだ。 北海道は全国の自治体に先駆けて独自の「緊急事態宣言」を出した。 不要不急の外出自粛を呼びかけるなどで一定の効果が見られた。そしていったん解除した。 その後、いま感染拡大の第2波の襲来に見舞われている。 もちろん法律に基づいた政府の緊急事態宣言とそうした裏づけのない北海道のそれとは違いはある。 とはいえ、解除のタイミングと第2波の襲来を考える上で大きな参考になるはずだ。 緊急事態宣言の解除のタイミングを間違えると全国的な感染拡大につながりかねない。 北海道の「第2波」襲来をめぐる最近の報道を見てみよう。 新型コロナウイルスについて北海道で27日、新たに35
新型コロナのような経済的な苦境になっていると多くのニュースは「こういう救済制度がある」という報道にばかり走ってしまう。 理由は政府がそれをアピールするからだ。 メディアも実際に制度が運用されている現場を取材しないと、政府の説明を報道で追認するばかりになってしまう。 しかし「救済する制度が存在する」という法律上の問題と、実際にそうした「制度が運用上使いやすいか」はまったく別の問題である。 「雇用調整調整助成金」は実際には使いにくく、ほとんど運用されていない こうした実態を4月28日(火)のTBS『NEWS23』が特集した。 「雇用調整助成金」の制度は、企業が休業中の従業員に支給する休業手当の一部を国が助成する制度だ。 NHKでも民放でもニュース番組ではこの制度の説明をさかんに繰り返している。 しかし実際には支給に至った数はわずか「0.1%」に過ぎないと番組は報じた。 どういうことなのか。番組
玉川氏は4月29日の番組で、27日に発表された東京都の新型コロナウイルス感染者数が39人だったことについて、『(すべて)民間(医療機関)の検査の件数。土日は行政機関の(検査をしている)ところが休みになる』と発言したことについて、誤りだったして謝罪しました。 【注意】この記事には翌日になって番組が「訂正」「謝罪」をした内容が含まれています。 このため、テレビ報道の一つのあり方として記録するため(注)をつけつつも原文を生かして翌日、追記したものです。 「これはすごいスクープでは!?」 筆者は思わず耳を疑った。 4月28日(火)のテレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』でコメンテーターの玉川徹が爆弾発言を行った。 テレビ番組が放送する以上は確認した上での事実なのだろうが、本当に事実であるとすれば、テレビニュースであればトップ項目、新聞ならば一面トップ記事に相当するようなスクープである。 だが、他の
4月27日(月)、テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』。 コメンテーターの玉川徹が「山梨大学の学長」の発信についてコメントした この「山梨大学の学長の発言」には筆者も注目して記事を書いたところだった。 4月22日(木)に「山梨大学における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘い」(第5報)として、上記のグラフなどを発表した。島田学長はこれまでの発信で、様々な医療データを分析しながら「日本の検査のレベルは途上国並み」などとかなり強い表現で国内のPCR検査体制を充実させるように提言してきた。「PCR 検査の不十分な体制は日本の恥である」とまで発言している。これは尋常なことではない。 出典:Yahooニュース個人(水島宏明)4月27日「『100人切った』で喜ぶな!感染者数が日曜に下がるのは『途上国並み』『日本の恥』と大学長が問題提起」 週明け月曜日の『モーニングショー』。前日の日曜
冒頭のグラフ(図3)は、山梨大学の島田眞路学長らの医療チームが厚生労働省などのデータを元に作成したPCR検査の実施件数を曜日別のグラフにして発表したものだ。青い折れ線グラフが日本国内の地方衛生研究所と保健所が実施したPCR検査の推移。黄色い折れ線が台湾の推移。赤い線で四角で囲んだのが曜日で金曜、土曜、日曜だ。 このグラフはPCR検査の実施されている曜日に注目して、新型コロナウイルスの感染拡大を比較的押さえ込んでいる台湾と、今の日本の現状を比較したものだ。 黄色い線(台湾の検査数)が週末になったからといって大きく下がることはないのに、青い線、つまり日本国内の検査数(ごく最近までほとんどを担ってきた地方衛生研究所と保健所によるPCR検査)は週末がやって来るたびに大きく下がっている。 山梨大学・島田眞路学長ら山梨大学医学部附属病院の医療チームは、1月下旬からPCR検査の体制を構築してきた。 山梨
パチンコ店は営業自粛を求められているのにすべての店が休業しないのは「なぜ」?NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる』でのチコちゃんの「なぜ」ではないが、筆者が最近のニュースを見て疑問に感じた「なぜ」。それが冒頭の「なぜ」だ。 大阪府の吉村知事は4月24日(金)休業要請しても応じようとしないパチンコ店の名前の公表に踏み切った。 全国で初めての新型コロナウイルス対策特別措置法に基づくもものだった。 吉村知事の記者会見の様子は4月25日(土)のNHK『おはよう日本』など各番組で放送された。 大阪府の吉村知事がパチンコ店に休業を要請しているのに、応じようとしない店が今もある大阪府は24日、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づき、休業要請に応じないパチンコ店6店の店舗名を公表した。府による休業要請に応じないため、より強い要請が必要と判断した。同法に基づく施設名公表は全国で初めて。4月末からのゴ
事実上ゴールデンウィークに突入した日本。多くの国民が自宅に“ステイ”を求められる中で、平日最後となる金曜日(4月24日)の放送で各テレビ局の看板ニュース番組は「衝撃的な数字」を示して現状の危機を伝えた。 衝撃的な数字の数々を見ると、もう日本はすでに市中で感染が広がり、ウイルスを持って外を歩き回る人だらけのイメージが見えてくる。事実、数字で見る限り、日本のいたるところで新型コロナウイルスを持つ人たちが広がっているのが現状だ。 イギリスで1か月前に強制的な外出制限を始めても死者数は56倍に激増NHK『ニュースウォッチ9』が伝えた。 イギリスでは約1か月前に外出制限を実施して最初の週末を迎えた。 3月21日の映像には休日に大勢の人たちが公園で週末を楽しむ様子が映されている。 3月22日にSNSに投稿された映像には、ウェールズ地方の国立公園の近くでは道路に車のとても長い行列を映したものがあった。
女優の岡江久美子さん(63)の突然の訃報には多くの人が衝撃を受けたと思う。 岡江さんのような有名人が死去した際にテレビのニュース番組や情報番組が報じるべきことは何だろうか。 もちろん故人の業績や成果、在りし日の思い出などを振り返ってその死を悼むことは大切だ。 だが、この社会で日々起きている様々な出来事を一般の人々に伝える「報道」の仕事では、ぞれだけでは不十分なのではないか。 特に亡くなった原因が新型コロナという、いまも正体が不明で特効薬が見つからないまま感染が拡大するウイルスである場合にはなおさらそうだ。 いま新型コロナウイルスの市中感染(一般的な場所での感染)がじわじわと、しかもはっきりしたデータもないままに広がっている実感がある。 そうした中で芸能人だった岡江久美子さんの死去。私たちはその意味をどう考えるなのかべきか。教訓はあるのだろうか。現在わかっている事実から何か読み取れることがあ
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