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衆院選
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「臓器(organ)のようなもの」という意味の「オルガノイド」は、幹細胞を三次元で培養して得られる組織です。ヒト臓器の構造や生理機能を詳細に再現可能であることから、従来の「動物モデル」を相互に補完するモデルとして期待されています。そしてこの技術は脳へと応用の幅を広げています。今回は将来的な医療応用を目指して研究するCiRAの髙橋淳教授と理化学研究所の坂口秀哉研究リーダー、そしてこの新たな技術の生命倫理を模索する京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点 (ASHBi)の澤井努特定助教に、脳オルガノイドのこれまでと未来について聞きました。 坂口 脳オルガノイドという言葉が使われ始めたのは2013年ですが、それまでは脳の発生の三次元での再現という表現を使っていました。ES細胞やiPS細胞を単一の神経細胞に分化させるだけでなく、複数の細胞からなる三次元組織として分化誘導し、脳組織の一部を再現したの
本研究では新型コロナウイルスワクチンに対する免疫応答の個人差・年齢差について検討し、特に加齢の影響を受けやすいとされるT細胞に着目した解析を行い、以下のことを明らかにしました。 ポイント 高齢者では、ワクチン接種後のT細胞応答の立ち上がりが遅く、収束は早い傾向があった。 ヘルパーT細胞注1)応答の立ち上がりが遅い人では、抗体価、キラーT細胞注2)の活性化、および副反応の頻度も低い傾向があった。 高齢者のへルパーT細胞はPD-1注3)を高レベルで発現し、キラーT細胞の誘導と負の相関を示したことから、免疫反応にブレーキがかかりやすくなっている可能性が示唆された。 ワクチン接種後の免疫応答は、年齢差だけでなく個人差が顕著であった。 1. 要旨 城 憲秀 助教(CiRA未来生命科学開拓部門)および濵﨑 洋子 教授(CiRA同部門)の研究グループは、京都大学医学部附属病院(クリニカルバイオリソースセ
ポイント 新型コロナウイルスに反応する記憶型T細胞注1)(交差反応性T細胞)注2)が未感染の日本人においても確認された 未感染者がもつ新型コロナウイルス反応性ヘルパーT細胞注3)のほとんどは交差反応性T細胞であり、その数や機能性は、高齢者と若齢者で大きな違いは認められなかった 高齢者では、新型コロナウイルス反応性キラーT細胞注4)のうち、ナイーブ型T細胞注1)が若齢者に比べて少なく、老化したT細胞注5)が多かった サイトメガロウイルス注6)に感染した若齢者では、老化した新型コロナウイルス反応性キラーT細胞が増加していた 新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」)の症状の個人差や年齢差について、その要因を理解し、高齢者への治療法やワクチン戦略を立てる上で参考になる知見が得られた 1. 要旨 城 憲秀 特定助教(CiRA未来生命科学開拓部門/京都大学大学院医学研究科)および濵﨑洋子
ポイント 初期化の最初の段階として分化細胞の特徴が失われる脱分化注1がある 膵臓がんの遺伝子変異に加えて部分的な初期化を起こすことで初めてがん化した 膵臓がんの発症には脱分化に伴うエピジェネティック注2な変化が重要 1. 要旨 柴田博史 特別研究学生(元 京都大学CiRA, 岐阜大学大学院医学系研究科)および山田泰広 教授(元 京都大学CiRA、現 東京大学医科学研究所、AMED-CREST)らの研究グループは、膵臓がんが発生するメカニズムとして、遺伝子変異以外のメカニズムを解明しました。 体細胞からiPS細胞へと変化する初期化の過程では、遺伝子の変化を伴わないエピジェネティックな変化によって細胞の性質が大きく変化します。まず元の細胞で働いていた遺伝子の働きが弱くなる脱分化が起こり、更に初期化が進むと多能性を持つ細胞(iPS細胞)へと変化します。がん細胞が発生する際にも、脱分化に似た状態が
京都大学は、本年1月に認定されたCiRA特定拠点助教による論文不正事案に関し、当該研究者1名を懲戒解雇の処分とすることを発表しました。 詳細は以下をご参照ください。 研究活動上の不正行為に係る調査結果について この度の論文不正により皆様の信頼を損ねる結果となりましたことを、改めて深くお詫び申し上げます。本件公表以降、研究不正防止の取り組みを進めておりますが、今後、所員一同その徹底に努めるとともに、真摯に研究開発に励み、iPS細胞技術の医療応用実現に貢献することで信頼回復に努めて参る所存です。 <山中伸弥所長のコメント> 今回の論文不正について、3月28日付で私も監督者として処分を受けました。今回の処分を真摯に受け止めるとともに、所長として事態を未然に防ぐことができなかった責任を痛感し、自主的に当面の給与相当額をiPS細胞研究基金へ寄附することとし、その手続きを始めます。 今後、研究倫理への
本日、iPS細胞研究所における研究活動上の不正行為(捏造・改ざん)に係る調査結果について、記者会見を行いましたので、お知らせします。 このような、あってはならない事態が発生したことを真摯に受け止め、今後全学をあげて再発防止に取り組むとともに、教職員として不適切な行為に対しては厳正に対処していきます。 調査結果の概要 京都大学における公正な研究活動の推進等に関する規程第9条1項及び京都大学における研究活動上の不正行為に関する調査要項第3条に基づく調査委員会を設置し、調査を実施した結果、通報対象論文において、不正行為(捏造・改ざん)が認められた。 詳細は以下をご参照ください。 「京都大学における研究活動上の不正行為に係る調査結果について(概要)」 「論文不正に関する調査結果について」及び「参考資料」 「本事案における再発防止策について」 「京都大学における研究活動上の不正行為 に係る調査結果に
ポイント アルツハイマー病(AD)注1の病因物質と考えられている、アミロイドベータ(Aβ)注2を低減させる効果のある化合物を探索するため、患者さん由来iPS細胞から作製した高純度の大脳皮質神経細胞を用いたスクリーニング系を確立した。 スクリーニングに続いて、効果のあった化合物群をケモインフォマティクス注3により分子構造式の類似性にもとづいて分類し、アミロイドベータを相乗的に低減させる効果がある3種類の既存薬の組合せ(カクテル)を同定した。 同定した既存薬カクテルの多人数のAD患者さんでの効果を推定するために、家族性および孤発性AD患者さんの細胞を用いたin vitroトライアル注4を実施し、有効性を確認した。 1. 要旨 近藤孝之特定拠点助教および井上治久教授(京都大学CiRA増殖分化機構研究部門幹細胞医学分野・理化学研究所バイオリソースセンター創薬細胞基盤開発チーム)らの研究グループは、
再生医療用iPS細胞 ストックプロジェクト iPS Cell Stock for Regenerative Medicine 再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトでは、HLA(Human Leukocyte Antigen : ヒト白血球型抗原)型を、 免疫拒絶反応が起きにくい組み合わせ(ホモ接合体と言います。)で持つ健康なボランティアの方に細胞を提供していただき、医療用のiPS細胞を作製しました。 予め安全性の確認を行い品質の保証されたiPS細胞を保存し、必要に応じて国内外の医療機関や研究機関に迅速に提供できるようにすることを目的としています。 患者さん自身の細胞を使う「自家移植」と比べると格段に時間も費用も抑えられると考えられています。 本プロジェクトについては、公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団に引き継がれました。 公益財団法人 京都大学iPS細胞研究財団|iPS細胞ストック
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2021年1月現在の関連情報を元に回答しています。 iPS細胞は2006年に誕生した新しい多能性幹細胞で、再生医療を実現するために重要な役割を果たすと期待されています。 しかし、そもそもiPS細胞とはどのように作られるのでしょう?iPS細胞の何が画期的なのでしょうか?そして、いつ頃、どのように医療に役立つと予測されているのでしょうか?このセクションでは、これらの疑問について、わかりやすく説明します。 人間の皮膚や血液などの体細胞に、ごく少数の因子を導入し、培養することによって、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力をもつ多能性幹細胞に変化します。 この細胞を「人工多能性幹細胞」と呼びます。英語では「induced pluripotent stem cell」と表記しますので頭文字をとって「iPS細胞」と呼ばれています。 名付け親は、世界で初めてiPS細胞の作製に成功し
iPS細胞研究基金は2009年の設置から10年以上が経ち、研究活動への資金援助や優秀な人材の確保など、iPS細胞研究を推進する大きな役割を果たしてきました。 iPS細胞研究所(CiRA)は日本のiPS細胞研究を先導する研究機関として、引き続き革新的な基礎研究と、多くの難病やケガを治療できる新しい医療の実用化を目指してまいります。 iPS細胞は、今後の医療に大きな影響を与え、誰もがその恩恵を受ける可能性のある新しい技術ですが、医療応用までには長い時間と多くの研究費を要します。一日も早い成果を目指しながらも、一歩一歩着実に進めてまいります。 皆様からのご支援は、次世代を担う優秀な研究者の積極的な登用や育成、知財の確保・維持の費用などに大切に使わせていただきます。 どうか、皆様のあたたかいご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。 領収証書の必要な方は、下記の方法で ご寄付のお手続きをお願
ポイント 筋萎縮性側索硬化症(ALS)注1は、運動ニューロンが変性して筋萎縮と筋力低下を来す疾患で、そのメカニズムは詳しく知られておらず、十分な治療法がない。 SOD1遺伝子に変異を有する家族性ALS患者さん由来iPS細胞から作製した運動ニューロンを用いて、化合物スクリーニングを行い、ALS運動ニューロンの細胞死を抑える既存薬と、ALSの病態に関与する分子経路を同定した。 同定した既存薬は、オートファジー注2を促進することにより、異常タンパク質蓄積と細胞死を抑制した。 同定した既存薬は、SOD1変異を有するALSマウスや、他の変異を有する家族性ALS患者さんあるいは孤発性ALS患者さん由来運動ニューロンでも有効性を認めた。 1. 要旨 今村恵子特定拠点助教および井上治久教授(京都大学CiRA増殖分化機構研究部門)らの研究グループは、国内外の研究グループらとともに、ALS患者さん由来iPS細
ポイント 筋強直性ジストロフィーの病因であるCTG繰り返し配列注1が伸長するという現象を、患者さん由来iPS細胞で再現した。 CTG繰り返し配列の伸長は、未分化iPS細胞を継代培養する過程で主に認められ、神経、心筋、骨格筋への分化の過程では、それほど認められなかった。 CTG繰り返し配列付近のクロマチン注2構造が、健常者と比較して変化していることが明らかになった。 1. 要旨 植木絢子元大学院生(現京都大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・栄養内科 医員)、櫻井英俊准教授(京都大学CiRA臨床応用研究部門)らの研究グループは、大阪大学医学部神経内科学講座の中森雅之講師らの研究グループとともに、筋強直性ジストロフィー1型(DM1)患者さんから作製したiPS細胞を用いて、この疾患の病因であるCTG繰り返し配列(CTGリピート)の伸長という現象を再現することに成功しました。DM1は、DMPK(DM
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)は、再生医療実現拠点ネットワークプログラムの一環として、2013年度より再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトを進めております(資料)。2015年8月に末梢血から作製した臨床用iPS細胞の提供を開始し、2016年8月には、臍帯血から作製した臨床用iPS細胞の提供を開始しています。 昨年11月下旬に、この臍帯血由来iPS細胞の製造過程において、本来使用すべき試薬とは異なる試薬を用いた可能性があることが判明しました(資料)。試薬を取り違えた可能性を完全には否定できないため、同iPS細胞の提供を停止することを決定いたしました。なお、同細胞はこれまで人には使用されておりません。今後、正しい試薬で再製造を行った臨床用臍帯血由来iPS細胞を、速やかに提供できるよう準備を行ってまいります。なお、2015年に提供を開始した末梢血由来iPS細胞に関しては、正しい試薬で製
ポイント iPS細胞技術によりがん関連遺伝子の働きを変えることが可能である。 iPS細胞技術によるがん細胞の運命制御の可能性を提示した。 がんの発生には遺伝子によらない要因もある。 1. 要旨 橋本恭一元大学院生、山田洋介研究員、山田泰広教授(京都大学CiRA未来生命科学開拓部門)らの研究グループは、iPS細胞技術により、がん化に関わる遺伝子であるApc遺伝子の働きを変えうる事、さらには腫瘍細胞の運命を制御しうる事を明らかにしました。 一般的にがんは遺伝子変異が原因と言われていますが、がんのできる臓器によって変異が検出される遺伝子は異なっており、がん遺伝子の働きには、細胞の種類に依存したなんらかの影響があるのではないかと考えられます。しかし、遺伝子変異以外の要因がどの程度がん遺伝子変異の働きに関与しているのか、まだわかっていません。研究グループは大腸がんの原因として知られているApc遺伝子
ポイント マウスES細胞のNat1遺伝子を欠損させると、ground state注1)に類似した性質へと変化する。 NAT1タンパク質は一般的な翻訳注2)開始因子eIF4G1とは異なるCap注3)非依存的な翻訳開始複合体を形成する。 Nat1遺伝子はMap3k3の翻訳量を促進することで、分化を誘導している。 1. 要旨 杉山逸未研究員、山中伸弥教授(CiRA未来生命科学開拓部門)らの研究グループは、Nat1というタンパク質がマウスES細胞において、分化を誘導するタンパク質の翻訳を促進することを明らかにしました。 Nat1は山中教授らが20年前に同定し、マウス発生の初期段階やES細胞の分化能に必須の遺伝子であることを報告していました。今回の論文では、NAT1は一般的な翻訳開始因子のeIF4G1と配列が似ていますが、eIF4G1とは異なるメカニズムでタンパク質翻訳を行っていることを明らかにしま
1.要旨 平田真治研究員(京都大学CiRA、科研製薬株式会社)、江藤浩之教授(京都大学CiRA)らの研究グループは、iPS細胞から製造した血小板(注1)が、止血のために必須な機能を保持できる培養方法を構築しました。これまでにもiPS細胞から血小板をつくることはできていましたが、血小板が傷害血管に接着して機能するために重要なGPIbα(注2)というタンパク質が血小板を作製する過程で切断されてしまい、血小板本来の機能が損なわれてしまうという課題がありました。本研究では、GPIbαを切断するADAM17(注3)という酵素を選択的に阻害する化合物KP-457を新たに発見し、培養添加物として使用することで、iPS細胞由来の血小板の機能を保持することに成功しました。これにより、臨床応用に向けて、より質の高い血小板を作製することが可能になりました。 この研究成果は2016年10月5日に米国科学誌「STE
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喜多山秀一研究員(京都大学CiRA)、金子新准教授(京都大学CiRA)やRong Zhang研究員(当時・愛知県がんセンター研究所、現・国立がん研究センター)、植村靖史主任研究員(当時・愛知県がんセンター研究所、現・国立がん研究センター)らの研究グループは、ヒトのiPS細胞から免疫細胞の一種であり、他の免疫細胞の機能を高めるiNKT細胞を作製できることを示しました。 この研究成果は2016年2月9日正午(米国東部時間)に米国科学誌「Stem Cell Reports」にオンライン公開されました。 ポイント
iPS細胞はどうやって発見されたのでしょうか?世紀の大発見なのだからとても複雑な実験がなされたと思われるかもしれませんが、実際にはとてもシンプルで美しい実験により明らかになりました。 iPadアプリ「iPSマスター」では、あなたも山中研究室の一員となって、iPS細胞を発見した時の実験を追体験できます。 さぁ、みなさん、用意はいいですか? iPS細胞を作り出す研究に挑戦してみましょう!
舟越俊介研究員、吉田善紀講師(京都大学CiRA未来生命科学開拓部門)らの研究グループは、ヒトiPS細胞から作った心筋細胞が最も高い移植効果を得る条件を見出しました。 この研究成果は2016年1月8日10時(英国時間)に英国科学誌「Scientific Reports」にオンライン公開されました。 1. 要旨 ヒトの多能性幹細胞から作製した心筋細胞は、心疾患の細胞治療にとても有効なツールとして期待されています。動物モデルにヒトiPS細胞由来の心筋細胞を移植したという報告はいくつかありますが、その効果は限られていました。おそらく移植した細胞が十分に最適化されたものではないためではないかと考えられます。移植する細胞を心筋に最適化するために、様々な分化発達段階にある心筋細胞を作り、マウスの心臓に移植しました。移植した細胞が生着しているかどうかを確認したところ、分化誘導後20日目の心筋細胞が最も生着
神戸大学大学院医学研究科内科系講座iPS細胞応用医学分野・青井貴之特命教授と、京都大学大学院医学研究科消化管外科学講座/同学iPS細胞研究所所属の大嶋野歩研究員、坂井義治教授(同消化管外科学講座)、山田泰広教授(CiRA初期化機構研究部門)らの共同研究グループは、iPS細胞誘導技術をがん研究に応用することで、人工的に大腸がん幹細胞を作製することに成功しました。この研究成果は、米科学誌「PLOS ONE」に7月10日(木)(日本時間)に掲載されました。
京都大学iPS細胞研究所 2000年に科学誌「The EMBO Journal」に発表された論文(Yamanaka et al.)の図に関する疑問点が指摘された件について、5月10日に、ジャーナルのチーフ・エディターであるバーンド・プルヴェラー氏より公式見解をいただきました。英語の原文とともに、CiRAによる翻訳を示します。 <原文> 'We have undertaken a careful image forensic evaluation of the images in the published paper. While the two bands in question (fig 3A) are indeed similar, we see no concrete evidence to suggest that they were duplicated; at the lim
京都大学iPS細胞研究所山中伸弥教授は、同教授らが2000年に発表した論文に掲載された図に関する疑問点を指摘したウェブサイトを発見しました。
哺乳類の胚発生過程において多能性細胞(エピブラスト)は、原条(primitive streak)注1と呼ばれる構造を通過し、そこから内胚葉や中胚葉へと分化していくことが知られています。一方でiPS細胞は体細胞に少数の転写因子 (例えばOCT3/4, SOX2, KLF4 と c-MYC; OSKM)を用いることで、分化多能性を再獲得した細胞ですが、その過程については十分に解明されていません。iPS細胞をつくる様々な方法が報告されていますが、OSKMのみでiPS細胞を作る場合の効率はとても低いものであり、何か初期化を阻害する物がある、あるいは初期化を効率よく進めるためには、 まだ知られていないイベントが必要であると考えられます。高橋講師らの研究グループは、これまでにiPS細胞へと初期化される過程には二段階あり、多くの細胞は一段階目までは進むが、その後の成熟化の過程に進んでiPS細胞に至る細胞
未来を、みんなと、考える。 iPS細胞という、世界にこれまでなかった技術。 その研究が進もうとするとき、 世界がこれまで経験したことのない問題が次々と浮かび上がってきます。 こうした問題をみんなで考え、人と科学が、より良い道を歩んでいくために。 上廣倫理研究部門は、誰もがiPS細胞と倫理、未来とのつながりにふれられるような、 社会にひらかれた研究に取り組んでいます。 倫理の窓から CiRAが年に3回発行しているニュースレターに、当部門の研究者が交代でコラムを掲載しています。多様なバックグラウンドを持つ研究者が、科学の分野や社会で取り上げられている最新のテーマを取り上げ、この分野になじみのない方にもiPS細胞に関わる倫理的課題を身近に感じていただけるよう、話題を提供しています。 一 覧
大西紘太郎大学院生(京都大学CiRA/岐阜大学大学院)、蝉克憲研究員(京都大学CiRA/iCeMS)、山田泰広教授(京都大学CiRA/iCeMS/JSTさきがけ注1)らの研究グループは、生体内で細胞を不十分な形で初期化すると、エピゲノムの状態が変化し、がんの形成を促すことを見出しました。
中村壮研究員(京都大学CiRA)、江藤浩之教授(京都大学CiRA)らの研究グループは、ヒトiPS細胞から自己複製が可能な巨核球を誘導することに成功し、大量に血小板を生産する方法を確立しました。 これまでにもiPS細胞から血小板をつくることはできていましたが、輸血に必要なスケールで血小板を生産するのは困難でした。今回は血小板を生み出す細胞である巨核球に着目し、これまでよりも大きなスケールで、医療現場で使用できる量の血小板を生産することを可能としました。 この研究成果は2014年2月13日正午(米国東部時間)に米国科学誌「Cell Stem Cell」で公開されました。 ポイント 従来の方法では、iPS細胞から輸血に必要な血小板注1量の100分の1程度しか作れなかった。 生体外で自己複製し凍結保存が可能な不死化巨核球注2を誘導する方法を確立した。 巨核球をストックすることで血小板製剤の供給を安
京都大学CiRA、リジェネフロおよびAbu Dhabi Stem Cell Centerとの共同研究契約の締結を発表 共同研究によりiPS細胞から糖尿病の新規治療法開発を目指す
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