【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は、10万人規模に膨らんでいる駐アフガニスタン米軍の“撤退過程”を今年7月に開始すると公約しています。ウサマ・ビンラディン容疑者の殺害はこの開始を目前にして行われたものの、同戦争の先行きに与える影響は不透明です。 同容疑者の殺害が速報された2日未明、テロ現場の一つ、ニューヨークの世界貿易センタービル跡地には、市民が続々とかけつけて歓声を上げ、“戦勝ムード”すら漂わせていました。 しかしアフガニスタンのアルカイダ勢力は「最大で50~100人」(パネッタ中央情報局=CIA=長官)ときわめて小さく、アラビア半島やアフリカ大陸での系列組織の活動が活発になっているといわれます。 4月に米国防総省が発表したアフガン報告では、戦況は一進一退です。米軍の活動がアフガン国民の支持を得ていないことをうかがわせます。米国内でもアフガン戦争への不支持が広がり、戦争目的自体への