中欧ハンガリーで、議会の圧倒的多数を握る保守系与党が強権的に進める憲法改定に対し、国民が反発を強めています。司法権の弱体化や国民の自由の制限につながる改憲内容に、国際社会からも「民主主義に反する」との非難や懸念の声が相次いでいます。(島崎桂) 2010年4月の総選挙で圧勝したオルバン首相率いる与党フィデス・ハンガリー市民連盟は、連立するキリスト教民主国民党と合わせて議会3分の2をこえる議席を掌握。12年1月の新憲法「ハンガリー基本法」制定を皮切りに、今月11日には、政権発足からわずか3年で4回目となる改憲法案を採択しました。 今回の改憲により、人権などの分野で蓄積された過去の判例は効力を失い、憲法裁判所は議会に提出された法案の内容について合憲性を審査する権限を喪失。大統領権限を縮小する一方、首相権限は増強されます。また、国の奨学金を受けた学生が一定期間国内で就業することを義務化するなど、国