みずから“画狂人”と称した葛飾北斎は90年近い生涯を描くことに情熱を傾けました。希代の浮世絵師が江戸庶民のくらしや風俗、自然や妖怪まで思いつくままに筆を走らせた『北斎漫画』という画集があります▼そのなかにコマ割りで表現した描法が多くみられます。四つの図それぞれに起承転結のリズムがあり、落ちで笑わせる作品も。漫画研究家の清水勲さんは、「日本の四コマ漫画の源流」と記しています▼四コマ漫画の新聞連載が登場したのは、大正時代から。戦前・戦後にはブームが起こり、「フクちゃん」や「サザエさん」といった人気作品が生まれます。経済成長の頃はサラリーマンが主役に代わるなど、時代を映しとってきました▼本紙の「まんまる団地」が始まったのは1975年。以来、きょうで1万3845回を数え、来年は40周年をむかえます。おとな向けの日刊全国紙では最長で、作者のオダシゲさんは日本漫画家協会賞特別賞を受賞しています▼なにげ