自分の国が攻撃されていなくても、密接な関係にある他国が攻撃されたときに武力で反撃する権利とされる集団的自衛権の行使容認が、安倍内閣による閣議決定によって強行された。日本国憲法第9条の解釈を変えるという異常なやり方によってだ。有権者は憲法施行67年にして日本国憲法の柱である9条の「骨抜き」(7月3日付朝日新聞)を許してしまったわけだが、これには、日本国民の間で戦争の記憶が薄らいでしまったことが大きく影響していると思えてならない。 安倍内閣による閣議決定の半月前の6月15日、東京・池袋で開かれた、60年反安保闘争の中で誕生した市民グループ「声なき声の会」主催の「6・15集会」では、閣議決定が迫っていたこともあって、集団的自衛権行使問題にからむ発言が目立った。その中で、ひときわ印象に残る発言があった。 一つは、敗戦前の生まれと思われる高齢の男性の発言。 「独りでいると、だんだん腹がたってくる。日