副題:浜田知明が銅版に刻んだ三光作戦 『浜田知明の山西省での従軍体験(1) - Transnational History』の続きです。 今日も初年兵として中国の山西省へ従軍した経験(1940年〜1943年)を持つ浜田知明の銅版画を紹介しながら、版に刻まれた日本軍が抗日根拠地にたいしておこなった「粛清(しゅくせい)作戦」「燼滅掃蕩(じんめつそうとう)作戦」(中国側では「三光作戦」「三光政策」と呼ばれている)について書いていくことにする。 浜田知明はまだ戦争の記憶が生々しく残っていたであろう1950年代前半という時期にモノクロームの版画を通していくつもの作品を生み出している。 浜田「是が非でも訴えたいものだけを画面に残し、他の一切を切り捨てた。色彩を捨て、油絵具という材料を捨て、そして白黒の銅版を選んだ。ひたすら自分に誠実であろうとすることだけが私の支えであった。戦場と軍隊をモチーフとして若