今年の4月は例年ならば行われる朝鮮民主主義人民共和国に対する経済制裁延長の閣議決定がなされない。もちろん、安倍政権が制裁を止めるからではなく、昨年4月に制裁の期間が1年から2年に延長されたからだ。日本社会でこのことに気付く人はほとんどいないのではないか。そのくらい制裁は自然なものになってしまっている。 後述するように、いま発動されている制裁は事実上の有事立法にもとづくものだ。それが8年にわたって継続している。しかしこの状況をほとんどの人びとは有事法が発動した状態であるとは認識していない。朝鮮学校の無償化排除や補助金停止などの教育に関する弾圧も、これらの有事法の発動によって形づくられた大状況に規定されていることが明らかにもかかわらず、である。これは朝鮮やそれに関わる在日朝鮮人の立場からすれば、極めて非対称的で異様な「戦時」が続いていることを意味する。 2002年以降の「狂乱」 のなかで、「護