サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
アメリカ大統領選
blog.livedoor.jp/ytsubono
2010年11月25日 44カ国の腎移植、同意の取り方で頻度に差。 1997−2007年の44カ国の腎移植を、臓器提供者の明確な拒否がなければ同意ありとみなす22カ国(推定同意)と、臓器提供者の明示的な同意を必要とする22カ国(明示的同意)で比べると、死体腎移植の頻度は推定同意の国が年間人口100万人あたり22.6件と明示的同意の国の13.9件より多い一方、生体腎移植の頻度は推定同意の国が2.4件と明示的同意の国の5.9件より少なかった。論文はAnnals of Internal Medicine 2010年11月16日号に掲載された。 著者らによると、腎移植は生体臓器移植の90%を占め、死体臓器移植の50%超を占める。多くの国で提供臓器の不足が問題になっており、それを増加させる政策が検討されている。 今回の研究は、腎移植が行なわれデータの整備された44カ国を、推定同意の制度を取ってい
2010年11月10日 DVへの支援的介入、うつ症状を改善せず。 夫などの親しいパートナーから暴力を受けた経験のある18歳以上の香港の地域在住女性200人を、カウンセリングと電話でのサポートを含む12週間の支援的な介入を行なう群(100人)と比較群(100人)にランダムにグループ分けしたところ、9ヵ月後のうつ症状に臨床的に意味のある差はなかった。論文はJournal of the American Medical Association 2010年8月4日号に掲載された(2010;304:536−543)。 研究は多様なサービスを提供する地域の一つのコミュニティセンターで行なわれた。介入群に対しては、ソシアルワーカーによる30分間のカウンセリング、週1回12週間の電話によるサポート、24時間対応の電話相談の機会を提供した。カウンセリングでは、女性の安全保護に対する相談や、法的保護命令や暴
2010年10月07日 米国民の約1割が、うつ病性障害。 米国民から無作為に選び出した235,067人に電話調査を行なったところ、対象者の3.4%が大うつ病、5.7%がその他のうつ病性障害、合わせて9.0%がなんらかのうつ病性障害に罹っていると判定された。論文はMMWR 2010年10月1日号に掲載された。 2006−2008年にかけて、米国の5州を除く州や特別区で無作為に電話番号を発生させ、施設に居住していない18歳以上の成人を対象に、最近2週間のうつ症状を問診した。 大うつ病と判定された割合は、年齢が上がると増え、45−64歳では4.6%と最も高くなったが、65歳以上では1.6%と減った。女性(4.0%)が男性(2.7%)より多かった。白人(3.1%)と比べ、人種的マイノリティ(黒人4.0%、ヒスパニック4.0%、その他4.3%)のほうが多かった。 高卒未満が6.7%、高卒が4.
2010年10月05日 北欧4カ国のSSRIの販売額の増加と、自殺率の低下に関連なし。 北欧4カ国(デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン)では、1990−1998年の期間に抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の販売額が増加する一方、自殺率が低下したが、年ごとの自殺率の変化とSSRIの販売額の変化のあいだに相関はなかった。論文はBMC Psychiatry電子版に2010年8月6日掲載された。 分析では、4カ国の1990−1998年の期間を対象に、前の年と比べた自殺率の変化と、前の年と比べたSSRIの販売額の変化の相関を調べた。その結果、自殺率の低下が大きい年でも、SSRIの販売額が増加した年もあれば減少した年もあった。一方、自殺率の低下が小さいか上昇した年でも、SSRIの販売額が増加した年もあれば減少した年もあった。そのため、自殺率の変化と、SSRIの販売
2010年09月24日 マンモグラフィー検診による死亡率低下、乳がん死亡の減少傾向を考慮すると誤差範囲に留まる。 ノルウェーでは1996年から段階的に地区ごとにマンモグラフィー検診が導入され、50―69歳の女性に2年に1回の検診が提供された。検診地区の1996−2005年の乳がん死亡率は、同地区の過去(1986−1995年)の死亡率と比べ28%低下していた。しかし、検診を未導入の比較地区でも同時期に死亡率が18%低下しており、両者の差を取ると、マンモグラフィー検診に起因する死亡率の低下は10%(28%−18%)で誤差範囲に留まった。論文はNew England Journal of Medicine 2010年9月23日号に掲載された。 ノルウェーでは、1996年からマンモグラフィー検診が導入されたが(50―69歳を対象に2年に1回、受診率は77%)、導入の仕方は全国一斉の開始ではなく、
2010年09月13日 躁うつ病患者の暴力犯罪、アルコールや薬物乱用の合併がなければ増加はわずか。 スウェーデンで1973−2004年に躁うつ病(双極性障害)の診断で2回以上の退院歴がある15歳以上の患者3,734人が、その後暴力犯罪(殺人や暴行など)で有罪判決を受けるリスクを、一般住民の比較群37,429人と比べたところ、アルコールや薬物の乱用を合併している場合のリスクは6.4倍と高かったが、合併していない場合のリスクは1.3倍とわずかな増加に留まった。論文はArchives of General Psychiatry 2010年9月号に掲載された。 研究は、スウェーデン全国民をカバーする入院登録や犯罪登録などの複数のデータベースを、それぞれの国民に一つ与えられているID番号(国民総背番号)を使いリンクして行なわれた。 1973−2004年に、躁うつ病の診断で2回以上の退院歴がある1
2010年09月08日 1日1ドルでがんを治療できるか−低所得国に対するガイドライン。 上記のタイトルの論説が、New England Journal of Medicine 2010年8月26日号に掲載された。概略を紹介する。 2002年、世界で760万人ががんで死亡した。これは同年の世界の全死亡の13%を占めるが、驚くべきことに、エイズ・結核・マラリアの死者560万人より多い。世界のがんの新規発症例は2000年の1000万人から2020年には1600万人に増加し、そのうち70%を発展途上国が占めると予測されている。 現在、発展途上国でのがんの診断は、痛みと苦しみを伴う死を意味している。理由の一つは医療費の欠如であり、2008年の英国の国民1人当りの医療費(がん以外も含む)が3000ドルであるのに対して、ケニアでは8.30ドルに過ぎない。 先進国では、生存期間をわずかに延長するだけ
2010年08月02日 社会との結びつきが強いと、生存率が50%高い。 結婚、社会活動への参加、周囲からのサポートなどの社会的結びつきと死亡率との関係を調べた追跡調査148件をまとめて総合評価を行なったところ、社会との結びつきが強いと、弱い場合より、生存する確率が50%高かった。論文はPLoS Medicine電子版に2010年7月27日掲載された。 著者らは、文献検索により、結婚、独居、社会的孤立、周囲からのサポートなどの社会的結びつき(または結びつきの欠如)と死亡率との関係を調べた追跡調査148件を選び出した。対象者の人数を合計すると308,849人だった。北米の研究が51%、欧州が37%、アジアが11%、オーストラリアが1%だった。対象者の平均年齢は63.9歳、追跡期間の平均は7.5年だった。 すべての研究を合わせると、社会的結びつきが強い場合は、弱い場合と比べて、生存の確率が5
2010年07月27日 性格と全がんの発症・死亡、関連なし。 スウェーデンとフィンランドの男女59,548人を最長30年追跡したところ、外向性や神経症的傾向の点数が上がっても全がん(4,631例)の発症リスクは上昇も低下もせず、フィンランドの全がん患者2,733人を最長29年追跡したところ、やはり外交性や神経症的傾向の点数が上がっても死亡(1,548例)のリスクは上昇も低下もしなかった。論文はAmerican Journal of Epidemiology電子版に2010年7月16日掲載された。 性格は質問票で調べ、外交性(社交性や活気など)は0−9点、神経症的傾向(感情の不安定さや不安など)は0−10点(フィンランド)か0−9点(スウェーデン)の得点範囲だった。点数が高いほど、それぞれの性格傾向が強いことを意味した。 その結果、得点が1点増えた場合の全がんの発症リスクは、外交性が0.
2010年07月22日 所得増加と健康改善の関係、所得格差や貧困率が拡大すると弱まる。 1960−2007年におけるラテンアメリカ22カ国の所得(国民一人当たり国内総生産)と健康指標(1歳未満の乳児死亡率、結核死亡率、平均寿命)との関係を調べたところ、所得が高いと健康指標も全般に改善したが、両者の関係は、所得格差や貧困率が拡大する時期には弱まり、所得格差や貧困率が縮小か維持される時期には強まった。論文はSocial Science & Medicine 2010年7月号に掲載された。 全ての時期を合わせた分析では、所得が1%上昇すると、乳児死亡率は1.17%下がり、平均寿命は0.06年延びたが、結核死亡率は下がらなかった。 つぎに、所得格差(ジニ係数)の変化によって時期を分けて分析すると、格差が拡大する時期には、所得が1%上昇すると、乳児死亡率は0.92%下がったが、結核死亡率は下がら
2010年07月16日 周囲からのサポートが低いと、死亡率が高い。 オランダの一町の20−59歳の地域住民11,163人を平均19年追跡したところ、周囲からの理解や評価などの度合いが低いグループの死亡率は、高いグループより1.23倍高かった。論文はAmerican Journal of Epidemiology 2010年7月15日号に掲載された。 周囲からのサポートは、「過去1ヶ月に、他の人との接触で次のような経験をしましたか」という質問に対して、ポジティブな側面を8項目、ネガティブな側面を8項目挙げ、それぞれを経験した頻度を「なし」から「しょちゅう」までの4段階で回答してもらい、その回答を点数化した。 ポジティブな側面としては、「温かさや親しさ」「評価」「誰かと楽しい時間を過ごした」「理解と共感」「誰かからの助け」などの項目をたずねた。ネガティブな側面としては、「無理解」「誰かから
2010年07月14日 グルコサミンで、腰痛の改善なし。 変形性腰椎症を伴う慢性腰痛の患者250人をランダムに2グループに分け、一日1500mgのグルコサミン(125人)またはプラセボ(125人)を6ヶ月投与したところ、6ヵ月後と1年後の痛みに関連する障害は、2グループとも改善したがグループ間の差はなかった。論文はJournal of the American Medical Association 2010年7月6日号に掲載された。 研究はノルウェーの一大学病院で行なわれた。対象者は、25歳超(平均年齢48.5歳)で、6ヶ月以上の腰痛があり、MRI検査で変形性腰椎症が確認された患者とした。主要評価項目である痛みに関連する障害は、24点満点の質問票で評価し(高得点が重症を表す)、3点以上の低下をもって臨床的に意味のある改善と判定した。 グルコサミンは関節軟骨の成分の前駆体で、サプリメン
2010年07月09日 雇用格差と健康格差 最近の世界規模の不況による雇用の悪化が健康格差をもたらしており、政府や公衆衛生機関は公正な雇用条件を人権として認識すべきだと主張する論説が、British Medical Journal 2010年6月26日号に掲載された。主な知見を抜粋する。 ILOの推計では、2009年に世界で2億1200万人が失業しており、2010年の失業率を6.5%と予測している。OECDに加盟する先進国の失業者数は5700万人超で、2010年の失業率は10%と推計される。ILOの推計では、一日1.25ドル以下で生活するワーキングプアは、2008年から2009年にかけて2億1500万人増加し、2009年には約15億人に達する。 今日世界では、貧困国を中心に一日1000人が危険な労働条件のため死亡し、さらに5000人が労務関連疾患で死亡している。先進国では危険な労働条件
2010年06月25日 高齢者の糖尿病リスク、全身肥満でも内臓肥満でも同程度に上昇。 米国の65歳以上の地域住民の男女4,193人を中央値で12.4年追跡したところ、糖尿病(339例)の発症リスクは、全身肥満の指標であるBMIでも(上位20%で男性5.6倍、女性3.7倍)、内臓肥満の指標であるウェスト周囲径でも(男性5.1倍、女性3.6倍)、同程度に上昇した。論文はJournal of the American Medical Association 2010年6月23日号に掲載された。 下位20%に対する上位20%のリスクは、男性では、BMI(kgの体重をmの身長で2回割った指数)が5.6倍、ウェスト周囲径が5.1倍、体重が6.0倍、脂肪重量が5.2倍だった。女性では、BMIが3.7倍、ウェスト周囲径が3.6倍、体重が3.5倍、脂肪重量が3.3倍だった。 BMI、ウェスト周囲径、脂肪
2010年06月23日 肥満の女性、予定外の妊娠リスク4倍。 フランス全国から無作為に選んだ18−69歳の男女10,170人を対象に肥満度と性的行動の関係を調べたところ、肥満の女性は、性的パートナーがいる確率が0.71倍と低いにもかかわらず、予定外の妊娠リスクは4.26倍と高かった。論文は、British Medical Journal電子版に2010年6月15日掲載された。 対象者の肥満度は、kgの体重をmの身長で2回割った体格指数(BMI)で判定した。BMIが18.5−24.9を正常群、25.0−29.9を過体重群、30以上を肥満群と分類した。 その結果、正常群と比べて肥満群では、女性では過去12ヶ月に性的パートナーのいる確率が0.71倍と低い(男性では低くない)一方、男性では2人以上パートナーがいる確率が0.31倍と低かった(女性では低くなかった)。18-29歳の女性では、インタ
2010年06月22日 ロマンティックな歌詞の歌を聞いた後、女子大生が男性に電話番号を教える確率上昇。 交際相手のいないフランスの18−20歳の女子大生87人をランダムに2グループに分け、ロマンティックな歌詞の歌または中立的な歌詞の歌をBGMとして3分間聞かせた後、一人の男性協力者と二人で商品のマーケティングについて5分間話し、その後男性が交際を申し込んで電話番号をたずねたところ、男性に番号を教えた割合は、ロマンティックな歌詞を聴いた群が52.2%で、中立的な歌詞を聴いた群の27.9%より高かった。論文はPsychology of Music 電子版に2010年6月18日掲載された。 実験の前に女子大生は部屋に一人で待たされ、その間にロマンティックな歌詞の歌または中立的な歌詞の歌が、BGMとして3分間流された。 その後、研究目的を知らされていない一人の男性協力者が入室し、商品のマーケテ
2010年06月21日 「男性の更年期障害」、性的症状に限られる。 欧州8カ国の地域から無作為に選んだ40−79歳の男性3,219人に対して、男性ホルモンであるテストステロンの血中濃度と性的・身体的・心理的症状との関係を調べたところ、テストステロン低値と関連し、しかも互いに相関して一まとまりの症候群とみなせるのは、3つの性的症状に限られた。論文はNew England Journal of Medicine電子版に2010年6月16日掲載された。 加齢に伴うテストステロンの減少は「男性の更年期障害」(late-onset hypogonadism)などと呼ばれ、さまざまな症状と結びつけられることが多い。しかし、この障害に特有の症状や、診断の基準となる血中テストステロン値は確立していない。 研究者らは、3,219人の対象者を半分ずつに分け、第一のグループで認められたテストステロン低値と各
2010年06月16日 イングランドの禁煙法施行で、心筋梗塞の入院が2.4%減少。 英国イングランド(人口4,900万人)で2007年7月1日に施行された、職場と公共の場での喫煙を禁じる禁煙法の施行前5年間と比べて、施行後15ヶ月で、心筋梗塞による緊急入院が2.4%(年間1,200件)減少した。論文はBritish Medical Journal電子版に2010年6月8日掲載された。 禁煙法施行5年前の2002年の入院数は61,498件、禁煙法1年前の2006年は53,964件と、禁煙法の施行前から減少傾向にあった。そこで、こうした経年的な減少傾向や、気温(低温だと入院数が多い)クリスマス休暇(年の最後の週に多い)などの要因の影響を取り除いて分析を行った。 その結果、性別・年代別に入院の減少率をみると、男性では60歳以上が3.1%、60歳未満が3.5%の減少、女性では60歳以上では3.
2010年06月15日 全米科学アカデミー医学部会、加工食品中の食塩含有量の規制を提唱。 Journal of the American Medical Association 2010年6月9日号の論説によると、全米科学アカデミー医学部会は、米国民の塩分摂取量を大幅に減少させるために、食塩を食品添加物として米国食品医薬品局の監督下におき、加工食品や調理済み食品に含まれる食塩量を規制することを提唱する報告書を公表した。 報告書は議会の要請により全米科学アカデミー医学部会が作成した。報告書は、食塩を食品添加物として位置づけて食品医薬品局の規制下に置き、食品中の含有量を(国民が薄味に慣れるよう)段階的に低減させることを主張している。 米国民の平均塩分摂取量は一日8.6g。食生活ガイドラインでは、適正量を3.8g、摂取上限を5.8gに設定している。報告書では、一日摂取量を6.1gにまで減少で
2010年06月10日 うつや不安の症状は女性に多いが、自殺は男性に多い。 ノルウェーの39−44歳の男性61,588人と女性69,774人を平均10.4年追跡したところ、うつや不安の症状は女性に多かったが、男女ともこれらの症状の程度が強くなるほど自殺完遂(男性78例、女性46例)のリスクは高く、男性は女性より2.3倍リスクが高かった。論文はAmerican Journal of Epidemiology電子版に2010年6月2日掲載された。 うつと不安の症状は4段階の選択肢からなる7項目の自記式質問票で評価した。選択肢には1点から4点の点数をつけ、点数が高いほど症状は強かった。7項目の回答の平均点で、対象者を5グループに分けた。5グループは、1.00−1.49点(対象者の60.7%)、1.50−1.99点(25.0%)、2.00−2.49点(10.3%)、2.50−2.99点(2.4%
2010年06月09日 原爆症認定集団訴訟と「原因確率」の誤用―「市民の科学」としての疫学をめざして― 『原子力資料情報室通信』第432号(2010/6/1)に掲載した標記の論考が、同資料室のサイトに掲載されました。原爆症の認定にあたり厚労省が使用していた(現在も一部使用している)「原因確率」の誤りを、疫学的見地から論じたものです。御一読頂ければ幸いです。
2010年06月07日 知能指数が低いほど、自殺未遂のリスク上昇。 スウェーデンの若年男子1,109,475人(平均18.3歳)に対して徴兵検査の際に知能指数を測定し、平均24.2年間追跡したところ、9グループに分けた知能指数が低くなるほど自殺未遂による入院(17,736人、1.6%)のリスクが段階的に高くなり、最低群では最高群より6.4倍高かった。論文はBritish Medical Journal 電子版に2010年6月3日掲載された。 対象者のうち12,328人が、追跡期間中に統合失調症や躁うつ病を中心とする精神疾患と診断された。このうち1.607人(13.0%)が自殺未遂で入院したが、知能指数が低くても自殺未遂のリスクが高くなることはなかった。 著者らによると、今回の研究は同様のテーマでの最大の先行研究より、7倍以上規模が大きい。また、精神疾患のある対象者では知能指数と自殺未遂
2010年05月28日 無効な結果の臨床試験、報告の仕方に偏り。 2006年12月に出版された2群比較のランダム化比較試験のうち、研究の主要評価指標が明示され、そのすべてに統計的有意差がなく(偶然の影響で誤差範囲の結果に終わり)、評価対象の治療等が無効だった72件の報告の仕方を調べたところ、治療の有益性を強調し、統計的有意差のない結果から読者の目をそらせるような報告が多かった。論文はJournal of the American Medical Association 2010年5月26日号に掲載された。 72件の論文の評価対象となった治療等の処置は、薬剤が51.4%(37件)、手術などの手技が15.3%(11件)、対象者の参加する介入(リハビリや健康教育など)が9.7%(7件)、医療器具が9.7%(7件)、その他が13.9%(10件)だった。 比較群に対する処置は、プラセボが26.4
2010年05月25日 抗てんかん薬の一部で、自殺行動のリスク上昇。 米国の15歳以上の患者に対する抗てんかん薬の新規処方297,620件を6ヶ月追跡したところ、13種類の抗てんかん薬のうち5種類で自殺行動(未遂と既遂)のリスクが高かった。論文はJournal of the American Medical Association 2010年4月14日号に掲載された。 抗てんかん薬は、てんかん以外の疾患(躁うつ病、躁病、神経痛、神経因性疼痛)にも適応として使用されており、その他の疾患(うつ病性生涯、アルコールや薬物依存など)への適応外使用も増えている(適応となる疾患は米国と日本で異なる場合がある)。 2008年米国食品医薬品局は、抗てんかん薬とプラセボを比べた臨床試験199件のデータを集計して11種類の抗てんかん薬の総合評価を行ない、抗てんかん薬全体として自殺念慮や自殺行動のリスクが1
2010年05月21日 産前産後、父親もうつに。 新生児が産まれる前後の時期の父親のうつの割合を調べた文献43件(対象者28,004人)を集計して総合評価を行なったところ、妊娠初期3ヶ月から産後1年の期間を通じたうつの割合は10.4%で、産後3−6ヶ月が25.6%ともっとも高く、産後3ヶ月以内が7.7%ともっとも低かった。論文はJournal of the American Medical Association 2010年5月19日号に掲載された。 43件の研究は16カ国で行なわれ、米国の研究が17件ともっとも多かった。調査のうち30件は産科で対象者を募り、40件はうつ症状についての自己申告の質問票を使用し、35件は母親のうつも調査していた。対象者の人数は23人から10,975人とばらつきが大きかった。 父親のうつの割合は、妊娠初期3ヶ月から産後1年の期間を通して10.4%だったが、
2010年05月14日 一日3−4時間の残業で、冠動脈疾患のリスク1.60倍。 英国のロンドン地区の公務員の男女6,014人(39−61歳)を平均11年追跡したところ、一日の残業時間がないグループと比べて、残業時間が3−4時間のグループは、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患(369例)のリスクが1.60倍高かった。論文はEuropean Heart Journal電子版に2010年5月11日掲載された。 研究では、平日の平均的な労働時間を1−12時間の範囲でたずねた(自宅での労働を含む)。7−8時間の場合は残業なしの基準群、9時間の場合は残業1時間、10時間の場合は残業2時間、11−12時間の場合は残業3−4時間のグループに分類した。 対象者の54%が残業なし、21%が残業1時間、15%が残業2時間、10%が残業3−4時間に分類された。 その結果、グループ間の性別・年齢・婚姻状態・職位
2010年05月10日 禁煙法で、受動喫煙の曝露と冠動脈疾患の入院が減少。 公共の場所や職場での喫煙を禁止または制限した法律や条令の効果を調べた論文50件をまとめて総合評価を行なったところ、受動喫煙への曝露は減少し、心筋梗塞などの冠動脈疾患による入院等も減少した。論文はCochrane Library 4月号に掲載された。 研究では文献検索により50件の論文を選び出した。ランダム化比較試験はなく、法律や条例の施行前後を比較した追跡調査が24件、断面調査を繰り返した研究が18件、法律等の施行されていない地域と比較した研究が13件だった(一つの論文で複数の研究手法を用いている場合があるので、論文の件数より研究手法の数が多い)。 研究は13カ国の国や自治体で行なわれていた。50件の論文のうち、40件はレストランやバーを含めて全面禁煙を義務付ける法律等の効果を検証し、10件は一部分煙を認める法
2010年05月06日 脳トレで、全般的な認知機能の改善効果なし。 英国の18−60歳の成人11,430人をランダムに3グループに分け、第1のグループには推論・計画・問題解決のトレーニング、第2のグループには市販の脳トレゲームと同様の短期記憶・注意力・視空間処理・計算のトレーニングを行い、第3のグループには比較群として一般的な知識に関する質問を行なったところ、6週間後の全般的な認知機能は、第1と第2のグループで、第3の比較群より改善することはなかった。論文はNature電子版に2010年4月20日掲載された。 研究は、BBC放送の科学番組の視聴者から参加者を募って行なわれた。参加者は最初に、全般的な認知機能を測定する4種類の検査を、BBCのウェブサイトにアクセスして受けた。参加者はその後3つのグループにランダムに分けられた。各グループは、6種類のトレーニングを、一日10分以上、週に3回以
2010年04月30日 アルツハイマー病の予防、確立した要因なし。 米国立衛生研究所(NIH)が開催した15人の専門家によるコンセンサス会議によると、知的刺激、運動、サプリメントなどの予防法は、アルツハイマー病や認知機能の低下を防止する価値が厳密な研究で示されていないと結論した。会議の概要は、米国立衛生研究所(NIH)が4月28日に公表したプレス・リリースで公表された。 会議は、事前に行なわれた文献の総合評価を踏まえて、15人の独立した専門家の委員会が参加し行なわれた。 「毎日パズルをしたり薬を飲むことがこの恐ろしい病気[アルツハイマー病]を予防すると人々に伝えることができればと願うけれども、既存の証拠はそれを支持していない」と委員長は述べている。 アルツハイマー病の危険因子としては、年齢が既知の要因として知られており、コレステロールを輸送するアポリポプロテインEの遺伝子変異も強固な
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『blog.livedoor.jp』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く