文体にいちばん興味がある。昔から。 自分は小説も好きだが、漫画のことは心の底から愛しているし、ドラマも大好きだし、舞台を見ているときのときめきもほかには代えがたいものがある。フィクションのことが好きだと言い切る点においては、小説も漫画もドラマも舞台も映画も音楽の歌詞も同様に好きである。しかし私は文芸評論家と名乗っている。それはなぜかというと、文芸、というか文章で書かれた「文体」については、いくらでも評することができるからだ。 正直、絵や映像については評せない。台詞や展開にしか興味がわかない。だから漫画のことは好きだけど漫画評論家とは言えないなあ、と思っている。まあ要は自分に批評家としての才能があるとすると、テキストを読むことができる、言葉で書かれた文章の文体というものへの敏感さがある、これに尽きると思っているからだ。自分で言うのも何なのだが。ほんと。自分でこんなことが得意だなんて言うもんじ