はじめに 千葉大学・株式会社Nospareの川久保です. 以前の記事で,線形モデルと線形混合モデルにおけるAIC(赤池情報量規準,Akaike information criterion)型の情報量規準について紹介しました.そのときは,線形混合モデルの説明は簡単にしかできませんでしたので,この記事で応用例も交えながら解説したいと思います. 線形混合モデルとは モデルのかたち 線形混合モデルは一般に以下のように書けます: $$ y = X\beta + Zb + \varepsilon, \quad b \sim (0,G), \quad \varepsilon \sim (0,R), \tag{1} $$ $X\beta$の項を固定効果(fixed effect),$Zb$の項を変量効果(random effect)と呼び,2つの効果が"混ざった"モデルということで,線形混合モデルと呼ばれ