藤田:そこに、求人詐欺も横行しているわけですね。 今野:そう。求人詐欺の難しいところは、求人票を見るだけでは詐欺かどうかがわからないことです。たとえば、A社とB社があって、A社は残業100時間で20万、B社は残業なしで20万だとしても、求人票の段階では区別がつかない。入社した後にしかわからないんです。リクナビでもマイナビでも、残業代を含んだ金額を「月給」として平気で提示しています。国も取り締まっていません。ですから、私のような専門家が見ても、本当の月給は、まったくわからないのです。 藤田:求人詐欺の話も、本当は深刻に蔓延しているのに、ごくごく一部のブラック企業がだましているだけという認識だから、多くの人にとっては他人事にしか聞こえないんですよね。 今野:その認識は、圧倒的に間違っているんです。2014年に「ブラック企業対策プロジェクト」が実施した調査によれば、ハローワークで見つけた求人18
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