「有人中華宇宙ステーション」の実現が一気に現実味を帯びた。中国の無人宇宙貨物船「天舟1号」の打ち上げを受けての感触である。 天舟1号は地球を周回中の無人宇宙実験室「天宮2号」に結合し、燃料注入にも成功した。 宇宙ステーションに食料や物資などを補給する貨物船は、宇宙飛行士の長期滞在に欠かせない存在である。 天宮2号は、国際宇宙ステーション(ISS)とほぼ同じ高さの地球周回軌道を回っている。 天舟1号のドッキング成功は、2022年ごろからの運用開始を目指す本格的な中国製の宇宙ステーションを支える技術体系の完成を意味するものだ。 日本の宇宙開発力は近年に至って中国に大きく水をあけられた。1970年に日本と中国は相次いで人工衛星の打ち上げに成功し、世界の4、5番手に並んだ。 90年代ごろまでは、日本優位で進んだが、その後は逆転の道をたどってしまう。 どうしてこうなったのか。中国の宇宙開発には膨大な