13参院選 農業政策 競争力向上へ具体策が必要だ(7月16日付・読売社説) 一層の貿易自由化に備え、日本農業の再生が急務だ。いかに衰退に歯止めをかけ、国際競争力を高めるのか。参院選の重要な論点である。 ところが、各党とも、成長産業としての「強い農業」の実現に向けた議論より、農村票を意識したバラマキ政策の主張が目立つ。そろって補助金の拡大を訴えていることが象徴的だ。 自民党は、民主党政権が導入した戸別所得補償制度を改め、「直接支払い制度」の創設を主張している。水田だけでなく、畑や果樹園も含む農地全般を対象にする。公明党も支援拡充を唱えた。 民主党は、現在の制度を維持したうえで、補償対象を畜産、酪農業者にも広げる方針だ。共産党や生活の党、社民党なども、所得補償制度を主張している。 農業従事者の平均年齢は約66歳だ。高齢化が進み、後継者不足は深刻である。農業所得も20年前からほぼ半減した。農家の
参院選における少子化議論があまりに低調だ。各党とも危機感が欠如しているのではないか。 昨年の年間出生数は103万7千人余と過去最低を更新した。政府の推計によれば減少はこれからが本番だ。50年後には50万人を切るとされる。このまま子供が生まれにくい状況が続けば、日本の社会は立ちゆかなくなる。 少子化は「国家の危機」との認識に立ち、出生数増に向けてどう取り組むのか、各党には具体策を示してもらいたい。 各党の公約には、待機児童の解消や仕事と子育ての両立支援などが並ぶ。自民党は待機児童解消について「2017年度末までに約40万人分の保育の受け皿を新たに確保する」と具体的数値を掲げた。重要な施策だが、これらは子供が生まれてからの対応だ。 いま求められているのは、生まれてきた子供をいかに大事に育て上げるか以上に、子供が生まれてこない現状の打開である。 日本の少子化は、未婚・晩婚が最大の要因だ。早急に手
Noah Smithが日本の不況について「DSGEやRBCなどの既存の理論では説明できない」と論じている。私は、普通の教科書に出ていないハイエク的不況だと思う(テクニカル)。 ハイエクは1974年の論文で「失業は部門間の労働の配分の不均衡が残っている状態だ」と論じた。これはのちに部門間シフト(sectoral shift)として理論化されたもので、労働市場が機能していれば、供給過剰の企業から不足している企業に労働移動が起こって生産性は均等化するはずだが、労働組合が人員整理に抵抗すると不均衡が残る。 大恐慌が長期化したのも、1935年にニューディールで労組のストライキ権などを認めたことが原因だ、というのがRBC派の意見だ。しかしRBC的な世界では、このような不均衡が20年も続くことは考えられないが、日本では深尾京司氏も指摘するように、製造業と非製造業の生産性(TFP)の格差は縮まらない。 こ
次期の主力となる大型ロケット「H3(仮称)」の想像図。斜めに打ち上げる方式も検討されている(宇宙航空研究開発機構提供) 将来の有人火星探査を担う米航空宇宙局(NASA)の大型ロケットについて、日米がエンジンの共同開発を検討していることが14日、分かった。日本の次期大型ロケット「H3」(仮称)のエンジンと基本設計を共通化し、両国で次世代機のコスト削減につなげるのが狙い。実現すれば心臓部のエンジンで米国が日本の技術を採用する初のケースとなり、宇宙開発の日米協力が加速しそうだ。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、共同開発を検討しているのは米国の次世代ロケット「SLS」の上段エンジンと、日本のH2Aロケットの後継機となるH3の2段エンジン。大きさや推力がほぼ同じで共通化が可能とされ、NASAとJAXAが交渉を進めている。 SLSはスペースシャトル退役後の有人飛行や物資輸送を担う全長100メ
今から十数年前。東京都武蔵村山市の教育長、持田浩志さん(62)は、中学生だった長女の社会科の成績が悪いことに悩んでいた。特に歴史分野が弱かった。持田さんは中学・高校の社会科教員免許を持つ小学校教師だっただけに、忸怩(じくじ)たる思いで長女に尋ねると、一言「日本史は嫌い」と返ってきた。続けて「なぜ、嫌いなのか」と尋ねるとこう答えた。 「教科書には日本の悪口ばかり書いてあるし、先生も日本の悪口ばかり言う。小学校からずっとだよ…」 愕然(がくぜん)とした持田さんはそれ以降、日本の歴史に誇りを持たせるため、歴史的人物の裏話や心温まるエピソードなどを積極的に話すようにした。だが、長女の成績が伸びることはなかった。手遅れだったのだ。持田さんは、自国の歴史をことさらおとしめる自虐史観の歴史教科書が現在も大半を占めることに危機感を募らせる。 「確かに歴史的事実には過ちもあるが、今では想像できないような過去
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