2015年5月10日 田中 宇 安倍首相が連休中に訪米した。日本の首相として初めて米議会の両院合同会議で演説し、自衛隊が米軍のお供(家来)として世界中に出ていけるようにする日米安保の新ガイドライン(日米防衛協力の指針)が合意された。安倍訪米時に締結されるかと思われたTPPの日米合意は実現しなかったが、外交安保面では、安倍政権や自民党、外務省など日本の官僚機構が以前から切望していた日米同盟の強化が大きく進んだ。安倍自身と自民党、外務省は、訪米の成功に大喜びしている。 外務省など日本政府は冷戦後、米国が日本との関係を重視しなくなること、米国が日本を飛び越えて巨大市場となった中国と結束してしまうこと(クリントン政権はそれを試みた)を、一貫して懸念してきた。日本が米国に見捨てられないようにするには、米国が外交軍事戦略の面で中国敵視を強め、日本が外交軍事的に米国と一体化する(外交軍事面で米国のいうこ