先日、元農林水産省の官僚で、現在キヤノングローバル戦略研究所の研究主幹をしている山下一仁氏の講演「TPP交渉の行方と農業」を聴いた。山下氏は、政治家や農協団体との癒着体制のもと非効率な農政を続ける農水省への不満から同省を去った、元改革派官僚として有名だ。 講演ではTPP交渉の現状と行方を分析するとともに、あるべき農政改革の方向を説いており、学ぶ点、共感する点が多かった。 それにしても全中にメスは入ったものの農協改革は道半ばで、農業の岩盤規制は容易に崩れない。なぜなのだろうか、と会場から疑問の声が上がった。これに対して、山下氏は「大きな壁の1つに小選挙区制がある」と答えた。 小選挙区制では(大選挙区や中選挙区以上に)少しでもまとまった票が欲しい。たとえ100票でも対立候補にそれが回ると、差は200票になり、僅差でも落選してしまう。だから、まとまっていそうな組織票には反対しづらいのだろう 組織
![大選挙区制のすすめ --- 井本 省吾](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/5ca3e12d98a36e5b182766185b63cd33c26a509a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fagora-web.jp%2Fcms%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F07%2Fagora-twitter.jpg)